社会、自由、無謬。
1
自由ですか。いいですね。僕は手を動かせます。
あなたは?
思想の自由がありますか、いいですね。
頭の中は自由ですか。そうですね、物やは重力、肉体はさらに生苦に縛られてこの社会の上に立ってます。重たいものです。
僕は原初の人間ではありませんから無から生まれた価値観は持ち合わせてません。
僕の思想は自由ではありません。社会が作ってます。
常に社会のゆりかごが僕を守ってきました。
僕は社会という合わせ鏡を覗いてる。その鏡像奥深くに見えるそれが僕ですから。いえ、彼は僕ではないですよ。でも社会では彼が僕です。はい、彼は僕です。
きっと自由はこの合わせ鏡に映るたくさんの鏡たちに「君は何だ」って言ってるだけに過ぎないのかもしれません。
合わせ鏡の中の鏡をもし触れた、動かせたとしたらたちまちあなたはあなたを失います。私も私を失います。そうなると鏡の奥にあなたは映りませんから。
きっと僕は鏡があることで在れ、認識するがこの鏡を問うたわけです。
まったく無駄な行為でして。まあそれを思想の自由というものですから。しかし鏡を動かしてはいけません、たちまちあなたを失います。
鏡は動かしてはいけません。大事なルールです。
2
長生きすることはいいことだ。
お金を稼ぐことはいいことだ。
容姿がいいのはいいことだ。
整理整頓はいいことだ。
未来設計はいいことだ。
働くことはいいことだ。
創作するのはいいことだ。
勉学に励むことはいいことだ。
ポジティブなのはいいことだ。
健康なのはいいことだ。
社会貢献はいいことだ。
希望があるのはいいことだ。
成長するのはいいことだ。
挑戦することはいいことだ。
努力することはいいことだ。
強くなることはいいことだ。
戦うことはいいことだ。
善意ある行いはいいことだ。
良好な人間関係はいいことだ。
みんなに認められることはいいことだ。
上手くいくことはいいことだ。
才能があるのはいいことだ。
結果が出ることはいいことだ。
頭がいいことはいいことだ。
パートナーがいるのはいいことだ。
思想が自由なのはいいことだ。