
「図書館×こども」って? 高知こども図書館を訪ねて
こんにちは、すさきのすづくり編集部です。
須崎市では図書館等複合施設の運営方法を考える市民対話を実施しています。2025年2月11日(火・祝)に開催する第4回の市民対話のテーマは「地域の居場所のつくり方──高知こどもの図書館の25年にまなぶ」。高知こどもの図書館の大木館長をお迎えして、地域の居場所づくりについて考えます。
市民対話に先立ち、ゲストの大木さんたちが運営する高知こどもの図書館を訪ねました。

高知城の緑に囲まれたこどもの図書館
高知こどもの図書館は、全国初のNPO法人が運営するこどもの本専門図書館として1999年に開館しました。こどもの読書環境を整えることが大切だと考えた市民の活動を、高知県がサポートすることによって設立されました。2020年には高知県立公文書館(旧高知県立図書館)の1階に移転しました。

ベビーカーや車椅子でも入りやすく、館内にはベビールームもあります

館内には絵本や児童書はもちろん、YA(ヤングアダルト)図書や児童文学の研究書、子育てに役立つ一般書もそろっています。蔵書は約2万冊。選書委員のみなさんが実際に読んで選んだ「こどもたちに手渡したい」本たちです。

南の大きな窓からは高知城の緑が見える気持ちの良い空間です
マットの敷かれたスペースには、自由に遊べるおもちゃが置いてあります。遊んでいるこどもをみながら、大人は本を選んだり読んだり。絵本に囲まれた空間で安心して過ごせます。


壁には故・谷川俊太郎さんの「としょかんへ行こう」という詩のメッセージが掲げられています。

YA図書や一般書の並ぶ部屋は落ち着いた雰囲気。徒歩圏内にはオーテピア高知図書館もありますが、その日の気分でこちらを選んで過ごす中高生もいます。この日はバックパックを傍らに置いて、じっくり読書をしている旅人の姿がありました。

楽しく集える企画展示もユニーク
館内の奥には小さなギャラリースペース「あとりえほん」があります。
この日は「こたつでほっこり展」の開催中でした。レトロなこたつの周りには、お正月や干支にまつわる本のテーマ展示や、かるたや福笑いなど昔遊びが楽しめるようになっていました。大人には懐かしいものも、こどもたちにとっては新鮮なもの。こたつにもぐってみたり、福笑いで大爆笑したり、連日大賑わいだそうです。

本を届け続けること
高知こどもの図書館では、出張おはなし会や読み聞かせ、ブックトークのほか、保護者の方や先生に向けた講座の講師派遣も行っています。こどもの本の専門家として、県内の市町村や学校、保育施設や地域と連携した図書館(図書室)整備事業も請け負っています。
こども高知新聞「読もっか」やニュースレター「ほんとあそぶプラス」でも、こどもたちに届けたい本を紹介しています。コロナ禍には、図書館へ来られない状況でも情報を届けられるように、ウェブサイトの全面リニューアルを行いました。

高知こどもの図書館設立から25年、環境や媒体が変わっても「こどもたちに本を届けたい」という強い軸が感じられます。その指針になっているのが、次の5つの基本方針です。
高知こどもの図書館は、次の5点を運営の基本方針として、こどもたちの読書環境を整え、こどもたちが自主的に読書活動ができる環境づくりを目指して活動します。
1. 誰でも安心して読書できる環境づくり
2. 本から広がる世界を、わかりやすくふさわしい言葉で伝える選書
3. 本を手渡す人がいる図書館
4. 県内の市町村立図書館、学校、保育施設や地域との連携
5. こどもの本及びこどもの文化に関する活動
須崎市の図書館等複合施設は、誰にとってのどんな場所になると良いでしょうか。どんな活動をしていきたいでしょうか。第4回市民対話で、高知こどもの図書館の25年にまなびながら考えてみましょう。