【ジャカード織生地が出来るまで】vol.5 工程⑤:染色 ~織物づくりの化学~
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本シリーズでは、群馬県桐生市にあるジャカード織物を制作している機屋・須裁株式会社が、ジャカード織生地が出来るまでの工程をご紹介しています。
バックナンバーの記事も末尾にリンク掲載していますので、是非ご覧ください。
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皆さん、こんにちは。
今回は、ジャカード織生地の製作工程で、「工程④:原料(糸)の仕入れ」のあとに行われる、「工程⑤:染色(せんしょく)」についてご紹介していきます。
「先染め」の生地の場合は、前回の「工程④:原料(糸)の仕入れ」で計画した生地に合う糸の準備が整うと、次に糸の染色の工程に入ります。
染色の工程もまた、「染め屋さん」と呼ばれる専門の職人さんがいて、その工場はまるで化学実験室のような風景です。
【(写真上)染める前の白い糸。これを下にある染料入りの窯に一定時間漬けると、(写真下)糸が染料に染まります。】
染め屋さんではビーカーを使用して、色確認のためにいくつかの色見本を作っていきます。染料の配合は、基本的には染め屋さんの技量にお任せしますが、機屋から色のニュアンスを伝えて対応いただく場合もあります。ただ、通常は勘だけでは難しいので、配合量を少しずつ変えつつ、それを記録しながら、別々のビーカーで色見本を作っていきます。
ところが、データを取っていればいつも同じ色が出るかというとそうではなく、夏と冬の水温の違い、湿度の違い、後染めの場合は染める生地の大きさの違い等により、色合いが変わってしまいます。また糸の種類によっても、例えばポリエステルなどは120-130℃、ナイロンなら100℃、キュプラ・レーヨンは80-90℃など、染めるのに適切な温度が決まっています。
これらの温度を上げ過ぎてしまうと、糸自体が壊れてしまうこともあります。糸は常に呼吸をし、生きているので、その時々のコンディションによって染料の浸透度合いも変わってきます。
水温と気温と湿度と素材。その組み合わせを少しずつ変えながら、最適な数値をたたき出して、そこにさらに職人の長年の経験と勘(さじ加減)による微調整を加えていきます。
このように「化学」+「職人の勘」で、ようやく織物の色は作られていきます。
次回は、「工程⑥:整経(せいけい)」の工程について詳しくご紹介していきます。
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【ジャカード織生地が出来るまで】 バックナンバー(vol.1~vol.4)
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※本noteで掲載している記事は、SUSAI(須裁株式会社)公式ウェブサイトでも発信しています。是非こちらもご覧ください。
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