財務リーダーが推進するサステナビリティー
こちらの記事の前半で、サステナブル経営を推進できている企業では、経理財務部門が大きな役割を担っていると記載させて頂きました。
もう少し、深堀していきたいと思います。
ビジネスにおける経理財務部門の役割は今変革を迎えている
Institute for Business Value(IBV)が世界中の3,000人のCEOを調査した2022年CEO調査 「Own Your Impact(変革を起こす覚悟)」では、CEOの大半が、サステナビリティーに関する情報の透明性を向上させるように、投資家から強いプレッシャーを受けていることが判明しました。
この状況下、経理財務部門はサステナビリティー推進部門と一体となり、財務的なKPIとサステナビリティーKPIがどのように結びついているかについて、透明性のあるコミュニケーションを行う責任を負っています。
つまり、経理財務部門が四半期決算短信のみに責任をもてばいい、という時代はもうすぐ過去のものになると考えられます。
では、経理財務部門は具体的にどのようなアクションを取っていけばよいのでしょうか?
経理財務部門がサステナビリティー推進において取るべきアクション
一例を以下に記載します。
定量化を主導する
経理財務的な計算手法や考え方を組み込めるよう、サステナビリティー担当部門が定量化や KPI 設定を検討する際に、経理財務部門が自分たちの計算手法や考え方を組み込めるようリードする。
最終化の局面において、経理財務部門とのセッションを設ける。
資本を活かす
経理財務部門がインパクト(例:顧客の定着・新規開拓、パートナーシップ、従業員への影響、ブランド、規制当局に対する情報開示、資金調達)にかかる金額的影響を推定 サステナビリティー活動の貢献度を評価する。
つまり、サステナビリティー推進部門の戦略的アドバイザーという役割を担う。
組織文化を変革する
全社一体となって推進できる体制の早期構築のため、率先して社内の関係各部門、経営層にレポーティングの意義と必要性を発信する。
経理財務部門が豊富に持つ、レポーティングの方法論やナレッジを活用し、サステナビリティー推進部門の活動をサポートする。
日本の経理財務部門の定量化及びレポーティングの体系化されたナレッジは、非財務データのKPI設定~集計~分析にも大いに役に立つと考えられます。
情報開示の透明性を確保し、企業価値向上に向けてサステナビリティーの取り組みを加速するためには、
経理財務部門は単なるデータの提供者ではなく、推進を強力にサポートする戦略的アドバイザーとして付き合っていくべきと考えられます。