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Beを起点にDoとHaveを考える | Earth Company 濱川明日香さん

サステナビリティを継続的に学ぶラーニングコミュニティ「Sustainability College」。月に2回の授業のうち、1回は多種多様なフィールドで活躍されているゲストをお招きした「講師回」、2回目は生徒同士の交流や知恵を交換し合う「ゼミ回」を行っています。

「#サスカレ授業参観」マガジンでは、講師回のダイジェストをお届け。講師による45分間の講義とそれを受けた生徒たちからとめどなくあふれる質問…。「Sustainability College」が普段どんなふうに学びを高めているのか、その様子をレポートしていきます!

「Sustainability College」では現在5期生を募集中!
気になる方はサスカレのHPをご覧ください。

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2月の講義にお越しいただいたのは、一般社団法人Earth Company&Mana Earthly Paradiseの共同創設者 濱川明日香さん。“事業が発展すればするほど周りの人、社会、環境が良くなっていく”エコを徹底したホテルづくりやパーマカルチャー畑を併設したオーガニックレストラン、各商品に社会貢献への指標がわかりやすく表示された「mana market」、オンライン開催を含めた研修事業など、バリを拠点にさまざまな活動をおこなっています。

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濱川 明日香さん

一般社団法人Earth Company 共同創設者。ボストン大学国際関係学部・経済学部卒。ハワイ大学大学院太平洋島嶼国研究学部にて修士号取得。2014年ダライ・ラマ14世より「Unsung Heroes of Compassion」賞を受賞。2021年Newsweek誌の「世界が尊敬する日本人100人」に選出。バリ島ウブドで究極のエシカルホテルMana Earthly Paradiseを運営する。

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Earth Companyが目指すのは「リジェネラティブな未来」。経済活動によって生まれた社会・環境課題を解決していくあり方(EARTH 2.0)と、課題がそもそも生まれないあり方(EARTH 3.0)を超え、地球上すべての命のウェルビーングの向上と社会の発展が同時に進んでいく未来を指します。

そのために企業や個人にとって大切なことは、Beを起点にDoとHaveを考えることだと濱川さんは言います。

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「利益(Have)」を得るためだけに「事業(Do)」 を行うことが、環境破壊や貧富の差など、あらゆる社会・環境課題が生まれていると考えます。そうではなく、自分や企業が「ありたい状態(Be)」から考えることが大切だと伝えてくれました。

Q1.「ありたい状態(Be)」がクリアであるほど「やること(Do)」がたくさん出てくるというのは素敵な話だなと思いつつ、現実は市場のルールから「持たなきゃいけない」とされる「利益(Have)」もあるなって思うんです...。

Beから考えたDoのリストと、Haveから考えたDoのリストが葛藤する瞬間がある気がしていて、そこをどう考えていますか?

そう感じるのは、本当にごもっともだと思います。企業の話で考えると「Be=インパクト」「Have=利益」だと思うのですが、結果的にその両方を満たすためのDoを考えなくてはいけません。ここで大切なのはあくまでBeを起点にした上で「アクション(Do)」を起こし、それが「利益(Have)」につながるという順番です。Haveから考えたDoは、結果として大きなインパクト(Be)を残せないと思っています。

Q2. 濱川さんの中で、自分で決めたBeとDoを貫いていくために、忘れないようにしている信念はありますか?

よく「私やうちの企業では無理だよ」とおっしゃる方もいます。でも、「不可能を不可能と思わないこと」が大切だなと思っていて。

不可能なことが可能になるには、何かしらのブレイクスルーが必要。発想の転換が伴うことで、その壁を突破できます。そのブレイクスルーが起きるスピードが今ものすごく早くなっている時代だなって思うんです。今不可能だと思っていたとしても、5年後には変わっているかもしれない。今すぐには無理でも、数年後には変わっているだろうと信じることが大切だと思います。

Q3. 「あきらめない」というのがひとつあると思うのですが、今若い世代で「気候不安症」というものがあるように、不安感や無力感を強く感じてしまうこともあるかなと...。

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インドネシアの環境活動家たちと共に登壇したとき、「環境課題に関する数字を見れば見るほど鬱になりそう。何をモチベーションに動いていますか?」と聞かれました。

環境活動家のひとりは、ビジネスとの両立の難しさから、「この道は絶対進めない」って言っていました。でも、人にそう言いながらあなたが辞めずに続けている理由は、希望を捨てられないからなんじゃない?と言ったら、彼は感極まって泣いてしまいました。

もう信じるしかないんですよ。サイエンスのデータを見たら、辞めるほうが合理的かもしれないけれど、私は自分の子どもや孫たちに問題だらけな地球を残したくないんです。子どもたちの未来をあきらめる選択肢なんてない。例えロジカルでなくとも、アクションし続けるしかないんです。

Q4. 講義の中で、個人や企業が変わるとき「頭でわかるではなく、心でわかる」が大切だとおっしゃっていました。「頭でわかる」から「心でわかる」にシフトしていくために必要なことを教えてほしいです。

他人ごとが自分ごとに変わっていく段階を考えてみたことがあります。私の答えは「1.知識 2.関心 3.繋がり 4.余裕 5.自信」です。

「知識」は、まず問題を知らない限り共感することはできないので、知ることがファーストステップだと思います。そして次に、知ったことに関して「関心」を持てるかどうか。関心を持つ人は想像力が豊かだったり、共感しやすい人です。

関心がもてないのであれば「繋がり」が大切になります。例えば、遠い国で災害が起きたとき、自分の友人がそこに住んでいたら、「あの子は大丈夫だろうか」と心配になりますよね。これがイシューと自分の間の「繋がり」です。

1〜3は私たちが研修する中で見つけてもらえる可能性が高い。ただ、ここから先の「4.余裕 5.自信」は私たちの手だけではすごく難しい。「余裕」は経済的、時間的、精神的な余裕が揃わないとアクションはしづらいと思います。自分がすごく苦しいときに人を助けるのは難しい。だからまず、企業が社員のウェルビーングを叶えてあげることはすごく大事ですよね。

最後の「自信」は、企業はもちろん、家庭でもできることだと思っています。例えイシューに共感を持てたとしても、「私にはできない。私は無力だ」と感じてしまっては、結局行動に繋がらない。企業や家庭のなかで、その人が肯定される環境をつくれているかが、その人がアクションに移すにあたってすごく大切なことだと思っています。

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リジェネラティブな未来を創るチェンジメーカー支援

Earth Companyが選出する、リジェネラティブな未来を創るチェンジメーカの一人、サミール・ラカーニ。彼が代表を務めるEco-Soap Banを通じて、ロヒンギャ難民の人々に石鹸を届けるクラウドファンディングが、2022年4月1日から開始されます!

サミールは、未使用で捨てられる石鹸をリサイクルし、廃棄物削減と女性の雇用を促進しつつ、最貧困層の人たちに届け、衛生問題から彼らの命を救います。CNN Heroesにも選出された、その革新的なモデルは世界でも注目され、UNHCR Bangladeshから43万人の難民の人々に届ける石鹸の供給の依頼を受けました。

今回のクラウドファンディングの寄付金は、プロジェクトのため新たに必要な3つの石鹸生産用の機材の購入費用に充てられます。

詳細は後日、Earth CompanyのTwitterでお知らせがありますので、ぜひアカウントをフォローしてください!

▼Earth Company Twitter
https://twitter.com/EarthCompany_EC

▼IMPACT HERO 2022 : Samir Lakhaniについて
https://www.earthcompany.info/ja/blog/impacthero-2022/

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今後のサスカレの予定

「Sustainability College」では5期生の募集を開始しました!
今後ご出演予定の講師がこちら。

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現在約70名が在籍する「サスカレ」では3月21日(月)まで、新メンバーを募集しています。(※5期生は、4月の講義回からの参加となります。)

入学後は、過去のゲスト講義回の動画もすべてアーカイブ視聴が可能です。
今回のnoteで紹介した濱川明日香さんの回も視聴できます!ゲスト講義の動画数は現在15本。

気になる方はサスカレのHPをご覧の上、奮ってご応募ください!!

【おまけ】今月のサスカレニュース

サスカレの受講生や学級委員長の最近の取り組みなど、ちょっとしたニュースを毎月お届け!

▼Facebookコミュニティ『ごみの学校』がnote開始
https://note.com/for_future_earth/n/n90392f3a5644

▼『Earth Company』バリ島ウブドへ! オンラインSDGs修学旅行開催
https://220328-ia-sdgs-school-trip.peatix.com/event/3165527/view?utm_campaign=follow-organizer&utm_medium=email&utm_source=event%3A3165527&kme=reco-clk&km_reco-str=PodMember

▼\似合う発見/あなたの「スキ」研究所のnote開始
https://note.com/anasuki_lab

▼ファッションを再考する「Rethink Fashion Program」掲載
https://ideasforgood.jp/2022/02/21/rethink-fashion-program/


執筆:佐藤 伶


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