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20枚シナリオ『ゆきどけ』
シナリオセンター。
20枚シナリオ、ペラ20枚(200字詰め原稿用紙20枚)
課題:雪
登場人物
ミミ(12)運送業社員
トト(12)ミミの同僚
カカ(18)ミミの先輩
親方(54)ミミの上司
ユキ(12)上層の住民
店主
シナリオ
○うんぱん島・商店通り(朝)
ギラギラと光る太陽。
屋台の店の準備をする人があちこちにいる。
長袖つなぎを着た人が、大きな雪のブロックを移動させている。
中央の通りをミミ(16)は走る。
ミミは大声で叫ぶ。
ミミ「すみません!通りまーす!」
店の準備を終えた店長が、木箱に座り煙草を吸いミミを見る。
店長「また、あいつか」
○うんぱん島・雪工場・入口(朝)
ミミは乱暴に扉を開ける。
いくつも長椅子が置いてあり、人がまばらに座っている。
端に置かれた机の上には小さな雪ブロックの上に薬缶が置いてある。
ミミ「おはようございます!」
カカは(18)は顔を上げる。
カカ「お、ギリギリ。親方もう奥だぞ」
ミミ「はあい。カカの兄貴、分かってるてば」
ミミは机から薬缶を持ち、隣にあるコップに水を注いで飲む。
薬缶とコップを元に位置に戻す。
奥にある大きな扉を開ける。
○うんぱん島・雪工場・中央(朝)
大きな雪ブロックが工場中に広がる。
ベルトコンベヤで移動している。
入口付近親方(54)が腕組しながら、ベルトコンベアで移動する。
雪ブロックを見ている。
ミミは小走りで親方に近づく。
ミミ「おはようございます!おやかた!」
親方は振り向いてミミを見る。
親方「遅いぞ。早く持ち場にいけ」
ミミ「はあい」
ミミは小走りで移動する。
親方はミミの後ろ姿みて、ため息を吐く。
○うんぱん島・ミミ家・外(夜)
大きな冷蔵庫のような家の横に倉庫がある。
ミミは1101のタグが付いた雪ブロックを倉庫の中に入れる。
扉を閉めて厳重に鍵をかける。タグを外して、蓋を開ける。
ミミ「わあ」
タグの中には小さな青い花が入っている。
ミミは慌てて家の中に入る。
○うんぱん島・ミミ家・室内(夜)
ミミは青い花を押し花のしおりを作る。
冷蔵箱から黄色い小さな花を取り出してタグの中に入れる。
ミミは箱を取り出して、作った押し花のしおりを入れる。
笑顔で布団に潜り込んで目を閉じる。
○うんぱん島・雪工場・上層エリア
ミミは大声を出す。
ミミ「トト!タグ持ってきたよー!」
トト(12)が奥から歩いてくる。
トト「うるせえ!ベルで呼べ」
ミミはトトに1101のタグを渡す。
トトはタグを見て、蓋を開ける。
トト「お前、また変なの入れて」
ミミ「いいじゃん。これは交流なの!」
トトはため息を吐く。
トト「まあ、何も言われてないし良いか」
ミミ「へへ、よろしくね」
トト「はいはい」
トトはタグを持って奥へ歩いていく。
ミミはトトに手を振る。
○うんぱん島・雪工場・エレベーター(夜)
ユキ(12)は座り込む。
ユキ「もう大丈夫、大丈夫」
ユキはペンダントを手に取り、黄色い押し花を見つめる。
○うんぱん島・雪工場・裏(夜)
ミミはユキの手を握る。
ユキはミミの手を握り返す。
トトが奥から走ってくる。
トト「あいつら居なくなったぞ」
ミミ「よかった~」
ミミはほっと胸を撫でる。
ユキはじっとトトを見る。
ユキ「ありがとう。えっと、あの」
ミミ「え、ああ。トトは同じ工場で働いてるの。良い奴だよ」
ユキ「初めまして、トト。私はユキ」
ユキはトトに微笑む。
トト「ああ、うん。よ、よろしく」
トトは頬をかく。
トト「それよりさっきのは?」
ミミ「ユキを攫おうとしてる悪い奴!」
トト「ふうん?なんで追われてんの?」
ユキ「分からない。雪をよこせって言ってたから、この子を狙ってるんだとは思うけど」
ユキの近くでふわふわと白い綿が舞う。
ミミ「これはユキンコっていう、上にいる雪をつくる生き物?だって」
ユキンコが通った場所にぱらぱらと雪が降る。
トト「うお、すげ」
トトはハッとし、頭をかく。
トト「てか人が降りる場所なんてないだろ。どうやって降りてきたんだ?」
ユキ「その、夢中で逃げてたから、よく分からないの」
ユキはうつむく。
ミミはトトとユキを交互に見る。
トト「とりあえず、俺は親方のところへ行くよ。何か知ってるかもだし。お前は安全なところに隠れてろよ」
ミミ「うん、ありがとう。ど、どこ行こう」
トト「もうすぐ祭りだし、バアバ様のところに行けば大丈夫だろ」
ミミは頷く。ユキの手を引いて立ち上がる。
ユキ「ありがとう。二人とも」
○うんぱん島・商店通り(夜)
祭りの飾りと屋台で明るい。
人がひしめきあって、隙間もない。
ミミはユキの手を引いて小走りに裏道へ向かう。
ユキ「すごい。人が沢山」
ミミは足を止める。
ミミ「上はお祭りやらないの?」
ユキ「うん。人も少ないから、やってもこうはならないよ」
ミミ「へえ」
ユキ「凄く、きれい」
ユキはハッとする。
ユキ「ごめんね。足止めちゃって」
ミミ「ううん。あ、そうだ」
ミミは入口付近にある氷果物屋から、
串にささった果物を1つ買う。
ミミ「これ、おいしいから!」
ミミはユキに串を渡す。
ユキ「え、でも」
ミミ「食べながら行けばいいよ」
ミミは手を引いて歩き出す。
ユキは果物をなめる。
ユキ「甘いね」
ミミ「でしょ?おいしーの。あそこの苺串」
ユキ「ミミも食べよう。二人で食べたほうが美味しいよ」
ミミ「え、いいよ」
ユキはミミに串を差し出す。
ミミは照れたように串から苺を食べる。
○うんぱん島・商店通り・裏道(夜)
道も薄暗く、人通りが少ない。
ミミは建物の陰に隠れながら、辺りをの様子を見ている。
ミミ「暗いと分かりにくい。やっぱ別の道がいいかな」
ユキはミミの後ろで、辺りを見る。
ユキ「ミミ、あそこに黒い人が」
ミミ「え、あ、本当だ」
ミミは慌てて隠れる。
ミミ「この道もダメか。じゃああっちから」
ミミは固まる。
ユキ「ミミ?大丈夫?」
ミミ「え?あれ」
ミミは目を細める。
黒いコートを着た人物とカカが何かを話している。
ミミは首をかしげる。
ミミ「カカの兄貴?」
ユキ「ミミ?」
ユキはミミを見る。
ミミは慌ててユキを見る。
ミミ「ごめん。き、気のせいかも。こっちの道へいこう」
ミミはユキの手を強く引っ張る。
ユキはよろけつつ、ミミ手を握る。
ユキ「どうしたの?」
ミミ「いや、工場の先輩に似た人がいた気がして」
ユキ「え」
ミミ「カカの兄貴は人さらいをするような人じゃない!島の皆のこと助けたり、工場でも色んな人の面倒をみてるんだ」
ミミはうんうんと何度もうなずく。
ミミ「困ってる人はほっとかない人なんだ。次の親方はカカの兄貴だってくらいで、悪いことなんて」
ミミは後ろを見る。
薄暗い暗闇と遠くから祭りの音が聞こえる。
To be continued…
感想
シナリオ作家養成講座の課題の1つです。
今後の展開が気になるように制作しました。
ファンタジーになるように書きましたが、ファンタジーだと世界観を優先するとキャラの描写が薄くなり、キャラを優先すると世界観が伝わらないという問題を知ることができました。