息子と自転車とリハビリと
息子の自転車
息子のところに自転車がきたのは確か4歳の誕生日のとき、
16インチの補助輪付きの青い自転車でした。
しかし、我が家の周りは坂も多く、息子は三輪車にもあまり乗らなかった方で、自転車もあまり乗りませんでした。
以前は別の場所に住んでいて、家の周りは平らで自転車の練習にはもってこいの場所で、
また姉たちは通っていた幼稚園は息子のとは違う幼稚園でした。その幼稚園では年長さんの最後に自転車講習があり、補助輪なしの子は補助輪なしの自転車に乗って講習に参加できるということで、
姉たちは6歳になる頃にはすでに補助輪が外れていました。
そのせいで、周囲からまだかまだかと言われ続けていましたが、息子が補助輪を外したのは7歳になってからでした。
息子はその後も自転車にはあまり乗らず、
かと言って処分はせず、
体よりかなり小さい自転車でしたが、たまに家の前で乗ってはそれより上のサイズの自転車は望みませんでした。
小学校4年生になると、息子の周りでは、少し遠方まで自転車で移動する子も増えました。
しかし、相変わらず息子は自転車を好みませんでした。
リハビリと自転車
そうこうしているうちに病気になりました。
動かなかった入院前と、入院1ヶ月間で筋力が落ちてしまい、治療2ヶ月目から治療の合間にリハビリを入れてもらうことができました。
"今日は〇〇したんですよ"、と
担当の理学療法士さんは会えたときにはその日のメニューを教えてくれたのですが、その中で一番聞いたのが"自転車"でした。
この通称"自転車"は"エアロバイク"と呼ばれているものです。
背もたれ付きで大人サイズのものを使っていました。メーカーなどよくわかりませんがアルインコのエアロバイクが一番記憶に近いものでした。
理学療法士さんは病室まで出張してきてくれます。院内とはいえ理学療法士さんの部屋は別の棟にあります。そこから"自転車"を病室前の通路まで運んできてくれます。
いくら転がして運ぶことができるとはいえ毎回病院内をエアロバイクを運ぶのは中々大変だと思います。
運んできても具合が悪くなりリハビリができないこともありました。
(まあ、大抵は病棟内他の子で自転車を使う子もいるはいるのですが、)
そういったときも常に笑顔で『大丈夫ですよ!体調優先でできるときにできることをやりましょう!』言ってくれました。
その理学療法士さんから息子は『無理しすぎだから』とよく言われてましたが、
特に本退院が近づき、しかし体調やら理学療法士さんとのスケジュールやらが合わなくてリハビリできる日が少なくなると息子は焦っていたので、
リハビリできる日には次の日に筋肉痛が出るほど"自転車"をこいでいました。
退院してから、また自転車には乗らない日々に戻りましたが、自転車に乗っている友だちをまで見かけては、『自分だって"自転車"漕げるし、いっぱいこいだし』と病院の自転車を指しながら冗談をいうこともありました。
お下がりを愛車に
『ただいまー
自転車で〇〇行ってくるー』
これは、ここ最近、晴れた日に元気に学校から帰宅した際に聞かれる息子の第一声です。
息子は1ヶ月ほど前から近所に遊びにでかける時に自転車を使うようになりました。
うちで使われていなかった上の姉の26インチの自転車が何とか乗れるサイズとなり、使用の許可をもらいました。共用といいながら姉はほとんど使わないのでお下がりしてもらったようなものです。
少し練習してヘルメットを買うまでは時間はさほどかかりませんでした。
自転車は息子の体より多少大きいのですが、みんなと自転車で行くんだ!というやる気と、あとやはりリハビリで散々こいでこぐ感覚があったことも良かったのだと思います。
自転車で喜んででかける息子を見送りながら、
怪我なく、楽しく過ごしてもらうのが一番ですが、
自転車こぎをして、左右バランスよく筋肉を使うくせがついて、走り方が改善したりしないかな?と素人リハビリの効果も陰ながら期待したりします。
母もすっかり自転車🟰リハビリ、が刷り込まれてしまったようです。