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2025.01.17 近頃のACミランに思うこと
毎週の楽しみ、Calcio2020を拝見しました。
この日のトピックはACミラン。
この動画の中を観、感じたことは組織の中に優秀なリーダーを抱え続けることの難しさでした。
私が海外サッカーに初めて触れた90年代、ミランには偉大なフランコバレージがいた。
体格的には優れないものの、賢く守るにはこうすればいい、という最高のお手本となるような守備のリーダーがいた。
その後、次世代のリーダーとしてパオロ・マルディーニが長くチームを牽引した。
バレージからマルディーニへとチームの象徴とも言えるリーダーがいたところから、財政難に伴ってチアゴ・シウバをパリに奪われた。
2012-13シーズンは、急激に悪化した財政事情の立て直しとFFP導入にともなう財政対策のため、イブラヒモヴィッチとチアゴ・シウヴァをPSGへ放出。また、チームの世代交代のためにガットゥーゾ、ネスタ、セードルフ、ファン・ボメル、インザーギ、ザンブロッタといったベテラン勢を一斉放出した。
チームの財政に影響を与えるルールへの適応、世代交代が重なり、ここでチームが崩れてしまった。
名門チームが名門足りうるには、まずその環境をいかにして維持するかが肝要で、常に未来を意識した組織の象徴となるリーダーを育て続けないといけない。
今のチームは引退したイブラヒモビッチに頼っているように見え、ピッチの上でのリーダーがいない事から、不安定な戦いが続いているように見える。
個人的にはCBのイタリア人リーダーがミランで育って欲しいけれど、最近はインテルやユーベにそのポジションの選手を奪われがち。
昨年まではケアーがいたけれど、怪我のためかピッチでリーダーシップを発揮してくれていたかというと、疑問符がつく。比較対象がレジェンド過ぎて、デンマーク代表での活躍を見聞きしているだけに、ミランでの守備のリーダーとして期待してしまうハードルが上がってしまっている側面もあるだろう。
モラタがそのポジションを務めるのかと想像していたら、怪我がち。
メニャンがカピターノを務めているけれど、試合の流れをプレーでもってコントロールするには、フィールドの選手にリーダーがいた方が良いだろう。
監督が変わり、ピッチ上のリーダーが誰になっていくのかも、見守りたい…なんて思っていたら、長年シティで主力として奮闘していたカイル・ウォーカーの加入が近づいているそう。
前線はモラタ、中盤ではベナセルが先日のスーペルコパでチームを鼓舞している姿が報道されていたし、チームの中での存在感があるのか。
そこに経験ある守備のリーダーとしてウォーカー?
タフに戦える彼なら、セリエAだって活躍出来るだろうし、ミランは攻撃が左サイドに特徴があるから、右に安定感あるプレイヤーを置けるとバランスは確かに取れるだろう。
個人的にはガッビアが成長してくれたら、と考えているから、それを助けてくれる存在になってくれるだろうか。
それにしてもミランほどのチームでも、財政的に苦しくなる事があり、そしてそこでリーダーとなる選手を放出した事で立て直しに長い時間がかかってしまった。
バレージ、マルディーニ共に引退後はミランの顔として関わり続けてくれる、と勝手に想像していた。
今、イブラヒモビッチが任されているそれは、バレージやマルディーニではダメなのか、と考えてしまう。
イブラヒモビッチは確かに素晴らしいリーダーだけれど、彼の父性はピッチ上でこそ求められるものであって、かつてピオーリが築いた、細江さんの家族的な、個人的には母性的な、選手に安心感だったり、繋がりをチームにもたらす存在に、バレージやマルディーニはなれないものか、と考えてしまう。
今、レアルマドリーでのアンチェロッティの監督としての仕事は世界最高の選手たちをひとつのチームとして、まとまりある組織をつくる事で素晴らしいものになっている。その以前はジダンが同じような仕事をしていたと思っている。
今のミランにも、テオやレアオのように戦術の枠に留まらない個性をもった選手を活かして優勝を勝ち取った過去がある。
新監督のコンセイソンからも父性的な強さを感じるけれど、組織のまとめ上げ方は様々にあるはずだし、ここに経験あるウォーカーが加わる事でどんなチームになるのか、引き続き動向を気にかけたい。