【伊豆ぽたでサイクリング 「伊豆高原の絶景めぐり」】SURUGA Cycle Journal Vol. 142
伊豆急行さんとの共同企画「伊豆ぽたでサイクリング」。レンタサイクル「伊豆ぽた」に乗って、伊豆急沿線の素敵なスポットを巡り、ご紹介していきます。
今回は伊豆高原駅から自転車で行ける海沿いの絶景ポイントと、冬の時期だからこそ楽しめるスポットをめぐります。
ナビゲーターは伊豆急オモシロ駅長「ノルディックウォーキング駅長」の平田さん(左)と、伊豆急行の春田さん(右)のおふたり。相棒は伊豆急行さんのレンタサイクル「伊豆ぽた」。電動アシスト自転車がアップダウンの激しい伊豆高原にはぴったりです。
伊豆高原駅の桜並木口(北口)の広場には巨大な石材が展示されています。何やら綱引きのよう…おふたりで綱を引いてみますがビクともしません。
こちらは、東伊豆町の稲取地区から切り出され、江戸城の大拡張工事に使われた城郭用の石材です。当時は人力で山から港まで運び、港から船で江戸まで運んだそうです。大人1人で引ける石の重さが40kgと換算されているので、先ほどふたりで引っ張った石は重さ約11t…この石を動かすためは300人の力が必要になるそうです。
桜並木口からは駅のホームがよく見えます。行き交う電車を眺めるのも楽しいですね。
ちょうどラッピング車両の「アロハ電車」が到着しました!運行スケジュールは伊豆急行さんのホームページでご確認いただけます。
大室山も綺麗に見えて絶好のポタリング日和です。それでは伊豆高原の旅スタートです!
まずは伊豆高原駅の西側に鎮座する「八幡宮来宮神社(はちまんぐうきのみやじんじゃ)」にやってきました。
鳥居の先の赤い冠木門(かぶきもん)をくぐると、神秘的な別世界が広がります。
そびえ立つ杉の木や、苔に覆われた本殿まで続くなだらかな石段。まるで森の中に迷い込んだような感覚になります。
本殿前の樹齢約1000年の千年杉に圧倒されました。天高くそびえ立つ木は、地中の立派な根に支えられているのでしょうね。
社名が示すように、元来は八幡宮と来宮の二神社でしたが、本殿再建の際に合殿して現在の一殿両扉の形になったと伝えられています。本殿向かって右に八幡宮、左に来宮が祀られています。
平田さんが来宮の神様は大変なお酒好きだったというお話を教えてくれました。『海岸の堂の窟(いわや)に祀られていた来宮の神様が、沖を通る船を止めてはお酒を献上させ、困った船人たちにより船の見えない岡の方に遷(うつ)されて今の形になった』というものです。今はきっと海の見えない杉林の中で穏やかに過ごされていることでしょう。
神社に向かう途中にある「高見のシイの木」も必見です!伊東市内で最も古いシイの木だそうです。樹回り800cm、樹高20mの巨木で、伊東市指定天然記念物に指定されています。
伊豆高原駅やまも口(南口)近くの、橋立(はしだて)観光駐車場に自転車を止めて、城ヶ崎海岸の絶景を見に行きましょう。あちらこちらに情報板があるので、迷わずに観光できます。
対島(たじま)川沿いを海に向かって15分ほど歩くと、「対島の滝展望台」に到達しました。
城ヶ崎海岸は約4千年前の大室山の噴火で流出した溶岩流の台地です。その溶岩台地を刻んで流れる対島川が直接海に注ぎ、ダイナミックな「対島の滝」となっています。
対島川は平時の水量は少なめで、水量が多いときにしか滝にならないため、「幻の滝」とも呼ばれています。撮影日はタイミングが良く、見事な滝を見ることができました。
対島の滝から「城ヶ崎自然研究路」に沿って進むと、「橋立吊橋」が見えてきました!海に流れ込んだ溶岩が急激に冷やされてできた柱状の「橋立」と、その対岸に架かる長さ60m・高さ18mの吊橋です。
駐車場から少し距離があり、徒歩でしか来られない場所なので、観光客も少なく比較的空いている穴場スポットです。撮影日は平日ということもあって、橋立は貸切状態。
断崖絶壁に架かっているので最初は恐る恐る歩きましたが、しっかりとした作りの吊橋なので少し揺れる程度で安心して渡れます。(※高い所が苦手な方は、吊橋を渡らなくても迂回路で対岸に行けます。)
溶岩台地の様子や、海水で冷やされた溶岩に見られる柱状節理(ちゅうじょうせつり)を観察できます。
「城ヶ崎自然研究路」は八幡野(やわたの)漁港から蓮着寺(れんちゃくじ)までの全長約6kmの海岸沿いのコースです。お時間のある方はぜひ散策してみてください。
ダイナミックな海の景色を見た後は、「りんがふらんか 城ヶ崎文化資料館」で、文化とアートに触れましょう。
天井が高く開放感あふれる館内。こちらは、「城ケ崎文化資料館」に「カフェ&ギャラリー」と、シロクマをシンボルとした「ITOまなびや Station」が併設したミュージアムです。
ギャラリースペースには伊豆高原にお住まいのアーティストさんの作品が展示されています。企画展は約2週間ごとに作品の入れ替えがあり、訪れる度に違う展示が楽しめます。値札のついた作品は購入も可能。おひとついかがでしょうか?
販売コーナーでは、伊豆を中心に活躍するクラフト作家さんの作品が販売されています。お気に入りのアーティストさんが見つかるかもしれません。
「ITOまなびや Station」は、伊豆半島ジオパークの自然や人の恵みを通じて、伊東市の過去と現在を学び・語り合い、皆でよりよい未来を考えるSDGsの学びの場です。
「城ケ崎文化資料館」には、全国各地から長い年月をかけて収集した文化財や民俗資料が展示されています。初代館長のコレクションを中心に、素朴な民具やアンティーク玩具などの貴重なコレクションを展示しています。
これだけ充実した内容の資料館が、入場料無料というお得感。駐車場には立派なサイクルラック完備。サイクリストのみなさんもぜひお立ち寄りください!
天気のいい日は看板ヤギのヤタロウくんがお出迎えしてくれます。
ランチは平田さんイチオシの「肴屋 大ちゃん」にやってきました。 地魚と伊豆牛、地物食材をふんだんに使った、こだわりのお料理が楽しめます。
ランチメニューは数量限定の「肴屋 旬の彩り膳」のみ!仕込みの都合上、ランチは前日までの予約をお願いします。
お品書きを見ながらワクワクして待っていると、お料理が運ばれてきました!プレートの半分以上がお魚です。店主さんこだわりの料理がこちら。
お刺身はお塩とわさびでいただくスタイル。さっぱりとして新鮮なお魚の味を感じられます。伊豆牛のローストは柔らかくて甘味があり、添えられているマッシュポテトがまた美味しい!すべての料理に手が込んでいるのがよく分かります。
季節野菜の蒸籠蒸しにもお魚が。野菜が甘くて美味しい。
夜は居酒屋として地物創作料理&お酒が楽しめます。
伊豆急行「城ヶ崎海岸駅」から徒歩約1分という好立地!お酒と地物創作料理をいただきに、夜の伊豆高原にもぜひお越しください。
ランチの後は「城ヶ崎オレンジ村」さんでみかん狩りです。 潮風を浴びた伊東のみかんは酸味と甘みのバランスが絶妙。
3,000平方メートルあるみかん園では、温州みかんや甘夏、東伊豆の特産品「ニューサマーオレンジ」など、季節のみかんを楽しめます!
撮影をした1月中旬には温州みかんが食べごろでした。自分で収穫したみかんをその場でいただけるのは、美味しくて楽しい体験ですね。
木によって味が違うので、あれもこれも食べてしまってお腹いっぱいです!2月以降は甘夏のシーズンとなり、ニューサマーオレンジは4月中旬から5月末です。
みかん狩り以外にもBBQが楽しめます。温泉付きの貸別荘もあり、宿泊者はみかん園の入場が無料なのでとってもお得です。
ランチの後にデザートも食べてお腹いっぱい!続いては海が見えるお寺「蓮着寺」にやってきました。
鎌倉時代に流罪となった日蓮宗の開祖・日蓮上人は、鎌倉から伊東へ連れてこられ、岬の下の俎岩(まないたいわ)に置き去りにされたと言われています。
後に領主の今村若狭守(いまむらわかさのかみ)が、日蓮上人のゆかりにちなんで奥の院(祖師堂)を建て、付近の土地を寄進したのが蓮着寺の始まりです。
荒波が打ち寄せる俎岩に置き去りにされた時はどんな気分だったのでしょうか…。日蓮上人を救ったとされる船守弥三郎(ふなもりやさぶろう)の供養等がお堂の横に建てられています。参拝をして御朱印をいただきました。
御朱印帳は平田さんの私物です。
本堂に向かって右手にある巨大なヤマモモは、樹齢推定1000年で国指定文化財天然記念物に指定されています。
境内の自然林の中には、成長の過程で石を抱き込み、まるで石を食べているように見える「石喰いのモチの木」があります。どうしてこうなったのか不思議でなりません。
フォトスポット満載の「ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン」にやって来ました!
入り口がテーマパークのようで、入園前からわくわくしちゃいます。
まずは「ニューヨークランプ&ティファニーミュージアム」で美しいステンドグラスの作品を見学しましょう。
ティファニーランプをはじめとして、鮮やかな色彩に溢れた、厳かな重厚感に満ちたステンドグラスの数々が展示されています。ガラスを繋ぎ合わせた細かな絵柄が息を呑むほどの美しさ…宝石のようです。
ミュージアムの余韻に浸りながら外へ出ると、青い海と空、可憐な花々が出迎えてくれます。
撮影を行った時期には、菜の花とアイスチューリップが見頃でした。冬に咲くアイスチューリップは、球根を低温貯蔵することで冬に咲くように開花時期を調整しています。
230種3,000株以上を有する「あじさい苑」は、5月末~6月の期間限定オープン。年間を通じて季節の花を楽しむことができます。
海をジュースに見立てたフォトスポットでぜひ撮影してみてください!真っ青な海と空が美しい!
城ヶ崎海岸を代表する名所のひとつ、「門脇吊り橋」にやってきました!
長さ48m・高さ23mの断崖絶壁にかかる海の吊橋です。
城ヶ崎海岸は約4000年前の大室山の噴火で流出した溶岩流の台地です。海の侵食作用で削られてできた、溶岩岩石海岸の大きなくぼ地の上に吊り橋がかかっています。
真下が海なのでスリル満点ですが、ほぼ揺れないので立ち止まって写真を撮る余裕もあります。
吊り橋からは、溶岩が冷えて収縮する際にできる柱のような形をした「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」も観察できます。
吊り橋近くの「燕島(つばくろじま)」という離れ島は、毎年春に東南アジア方面から渡来するアマツバメの繁殖地となっています。
見学の際は足元に十分注意してください。
伊豆高原駅に戻ってきました。
2022年12月、伊豆高原駅内に誕生した「IZUKYUおでかけInformation」をご紹介します!
こちらは、伊豆高原エリアや、伊豆急行線沿線の旬な情報を紹介しているスペースです。
入口には下田市爪木崎の「水仙まつり」の華やかなディスプレイがありました。今シーズンは終了してしまいましたが、辺りが水仙の花の香りに包まれ、可憐な水仙が一面に広がる光景は必見です。来シーズンが待ち遠しいです!
入口正面の壁には、伊豆高原駅から徒歩10分圏内で行けるスポットの地図があります。
オススメ情報をふせんに書いて自由に貼り付けることができます。みなさんのリアルな声が詰まっていますね!
今は何でもネットで調べられますが、こうした手書きの口コミも貴重な情報ですね。
おふたりも今回訪れたスポットの口コミを書いて貼り付けました。みなさんも伊豆高原駅にお越しの際はぜひお立ち寄りください!
伊豆高原駅直結のショッピングモール「伊豆高原やまもプラザ」内の、「Izu-kogen駅cafe べるじゅ」さんにやってきました。
ソフトクリームやドリンク、パスタの他に、ホテルメイドメニュー(カレー、フィッシャーマンズスープ他)もあるカフェです。
今回は新作の「オニオングラタンスープ」のセットをいただきます。
スープ単品でも注文可能で、セットには生ハムクロワッサンサンド、サラダ付きです。玉ねぎの甘味と旨味がしっかり感じられ、こんがり焼いたチーズがトロトロで贅沢な逸品。体の中から温まります。
オニオングラタンスープは冬期限定メニューなので、寒い時期にはぜひご賞味ください。
食後のデザートにアップルパイのソフトクリーム添えをいただきました。至福のひとときです。
リンゴがごろごろ入ったアップルパイや、こだわりカツサンドは、お隣のパン屋さん「ぱん工房あぷれ」さんで購入することができます。
また、べるじゅさんでは、あぷれさんのこだわりカツサンドセットも販売計画中なのだとか・・・期間限定のみならず、新メニューにも期待ですね!
今回は自然が作り出した絶景や、アートに触れることができる伊豆高原エリアをご紹介しました。海岸沿いなど徒歩で巡るスポットも多く、小回りのきくレンタサイクル「伊豆ぽた」が大活躍でした。次回もお楽しみに!