お茶×自転車=茶輪子vol.4 「お祭り準備でにぎわうお茶処でパン&スイーツ探訪」 2019 Sep.13 SURUGA Cycle Journal Vol.44
お茶処、静岡県島田市を自転車で巡り、6か月間、島田市の「気持ちいいトコ」をSNSで紹介する企画。今回は4回目の撮影風景です。
今、島田市は、お祭りの準備真っ最中です。
島田市では毎年9月の第3日曜日に伝統的なお祭り「島田髷(まげ)まつり」が開催されます。1933年(昭和8年)から続くこのお祭りでは、様々な型の日本髪・島田髷を結い、揃いの浴衣を着た髷娘たちが手踊りをしながら歩く「島田髷道中」が見どころです。今年は9月15日(日)に開催されます。
市役所の玄関にはお祭りまでのカウントダウンボードが設置され、街のあちこちでポスターも貼られています。「お祭りが楽しみでしょうがない」そんなそわそわ感が街全体から伝わってきます。
さらに今年は、3年に1度10月に開催される島田大祭(帯まつり)の開催年です。大井川鎮護や安産の神として信仰されている大井神社のお祭りで、一般には「帯まつり」の名でも知られています。1695年(元禄8年)に始まったとされ、今年で109回目です。神輿渡御(みこしとぎょ)にしたがって続く大名行列、鹿島踊り、屋台が全体として一つの祭事になっていて、大名行列の際に大奴が左右に差した太刀に帯を吊るしている様子が特徴的な事から、「帯まつり」とも呼ばれています。日本三奇祭に数えられており、来場者数が80万人にもなった年もあるそうです。市役所のみなさんがお祭りについて熱く語るので、すっかり興味が湧き見に行きたくなりました。今年は10月12日(土)、13日(日)、14日(月)に開催されます。
島田大祭前夜祭は10月10日(木)午後6時からプラザおおるりホールにて開催されます。島田大祭の見どころの一つに、第一街から第五街までの屋台があり、長唄芸人による演奏で屋台踊りを魅せる移動舞台として、その姿を現代まで伝えています。屋台運行時は、なかなか目にすることがありませんが、前夜祭では、東京で名を馳せた日本最高峰の芸人達が舞台に上がり、一挙に「日本のこころ」を奏でます。
さて、そんなお祭りムード高まるお茶処島田市で、今回はパン&スイーツ探訪。
今年は島田市に広がるお茶の生産地「牧之原台地」が開拓されて150年の節目の年。パンやスイーツにもどのようにお茶が生かされているのか楽しみです。
<お茶の魅力と牧之原台地開拓150年の歴史を辿る自転車散歩>
https://www.surugabank.co.jp/d-bank/special/sp615/
今回のスタートはJR東海道本線「六合駅」から!
今回のナビゲーターは、島田市役所の竹中さん(写真左)、伊藤さん(写真右)にお願いしました。オシャレだけどパワフルな電動アシスト自転車「デイトナポタリングバイクDE01」に乗ってロケーション紹介していきます。
知る人ぞ知る静岡県周智郡森町に拠点を置くオートバイのアフターパーツメーカーとして有名な「デイトナ」。2人とも初体験の電動アシスト自転車でしたが快適な走り心地に思わず笑みがこぼれます。
「六合駅」から約2km(自転車で約5分ちょっと)、到着したのは白を基調としたオシャレな店構えの「bakery labo(ベーカリーラボ)」さん。厳選した国産小麦、オーガニック小麦を使用したパンを提供しているこだわりのお店。人気の「りんごとシナモンのデニッシュ」は要チェックです!
約500m走ったら次のポイント「リモージュ」に到着しました!オーナーシェフ松下裕明さんは「見て美味しい、食べて美味しい、楽しいケーキ屋」を目指しているとの事で「いくら丼」「たこ焼き」「串カツ」…一見お惣菜に見えますが実は全部ケーキ!味も本格的で面白い!サプライズなお土産にいいですね。
次のスポットに向けて、島田市の中心を流れる大井川河川敷を走っていると…
東京タワー!?島田市の鉄鋼加工会社「コスモテック太田」さんが作った「島田タワー」! 地元の方々にも「何これ!?」と評判で、TV番組「ナニこれ珍百景」でも取り上げられたとの事です。
島田市の中心を流れる大井川を渡って牧之原台地方面へ。
全長942.5mの「島田大橋」では「かんざし」がモチーフになっている街灯に注目!日本髪において最も一般的な女髷「島田髷」発祥の地ならではのデザインです。
「島田大橋」を渡ると、お茶の生産地「牧之原台地」一面のお茶畑が広がっています!夏の強い日差しに濃い緑が映えます。
茶畑の坂を登ると、氏神様「敬満神社」が鎮座しています。静かな境内には歴史を感じさせる大樹が多く、落ち着いた雰囲気が良いですね。
手水舎には涼を求める蛙の姿も!真夏の日差しで火照った体も休まりました。
「敬満神社」から約2km(自転車で約5分ちょっと)の「静岡島田さすき園」内、隠れ家的な和食処「茶の庭れすとらん とろろ屋ととろ」さんでお昼ご飯です!
「生とろろ月見丼」は、すり下ろしたとろろに玉子を落とし、生醤油で食べるシンプルなスタイル。「自然薯」の自然な美味しさを堪能でき夏でもスルッといただけちゃいます。
食後は本棟の「静岡島田さすき園」さんにて「あいがけ茶氷(ちゃごおり)」をいただきました。
「茶氷」は日本三大銘茶と名高い静岡茶を使ったかき氷のプロジェクトのこと。参加店は静岡県中部の製茶問屋やカフェなど30軒で、7月1日(月)~9月30日(月)の期間開催しています。
こちらのかき氷のこだわりはお茶だけではありません!
長野県飯田市の天然水で作った純度の高い氷を使用し薄く掻くことによってキーンと頭が痛くなることもなく食べられるんです。そしてシロップは島田の名店「海道名物 よしむらの鯛焼」さん秘伝の味が継がれている逸品なのです!
島田スイーツ巡りはまだまだ続きます。「静岡島田さすき園」から約800mでケーキ屋の「アルペンローゼ」さんに到着しました!旬の果物の新作ケーキから人気のプリンに、お茶のケーキやクッキーがずらりと並んで、ケーキを選ぶのに夢中になれる空間です。
「蓬莱橋」へ向け移動の途中、茶畑に囲まれた小高い丘の上に「天王神社」が鎮座しています。
石段を上り、境内から眼下に見る茶畑もいいですね。遠くは富士山、そして伊豆半島もよく見える絶景ポイントです。風が抜けて気持ちいい!
そして島田市の名所「蓬莱橋」は全長897.4m(「8974厄無し」って覚えてください)で「世界一長い木造歩道橋」としてギネスブックにも認定されています。1879年(明治12年)に完成し大井川を行き来する農道として開墾の一役を担いました。
もちろん自転車も通行可能です(通行料100円)。木造ならではの木のぬくもりを感じながら、青い空と緑の山々、吹き抜ける風、川の流れを感じる心地良いひとときです。
「蓬莱橋」を渡ると、橋の長さにちなんだ名前の「897.4茶屋」さんのすぐ横に、カラーデザインされたマンホール蓋が!江戸時代、旅人が大井川を渡るためには、人足に肩車をしてもらうか、輦台(れんだい)という神輿のような乗り物に乗り、担いでもらっていました。マンホール蓋にはその「大井川蓮台越(おおいがわれんだいごし)」がデザインされているのです。
そして「蓬莱橋」から約3km(自転車で15分)ほど中心部へ走り、整った通りに呉服店が立ち並ぶ「おび通り」に着きました!
おび通りのからくり時計のすぐ近くにまたマンホール蓋が!テーマは今年開催される『島田大祭(帯まつり)』で金襴緞子(きんらんどんす)の帯を太刀にかけて練り歩く大奴と鹿島踊りの様子がデザインされています。
おび通りを抜けると見えてきたのは「御陣屋稲荷(ごじんやいなり)」。江戸時代に島田宿を管理する陣屋に稲荷が奉られたことから、御陣屋稲荷と呼ばれました。商売繁盛や五穀豊穣にご利益があると言われています。また、御陣屋稲荷は江戸時代から今日まで、町の人々に“風刺(悪口)稲荷”として愛されており、風刺人形の展示が有名です。おび通りに気になる標語が多かったのはお稲荷さんの影響ですね!
本日最後に立ち寄ったのはケーキ&カフェレストランの「ポプリ」さん!県内の大学生と協力して製作したお茶ジャムを使用した「お茶ミルクティー」をいただきホッとひと時。
島田市緑茶化計画「島田DEいっぷく」プロジェクトの七種の緑茶も味わえます。
楽しい自転車散歩になりましたね。
今回は電動アシスト自転車でのパン&スイーツ探訪。この勢いで「島田DEいっぷく」プロジェクトに参加する飲食店も制覇したくなってきました。
JR東海道本線「島田駅」へは東京から新幹線で約1時間50分ほど、自転車とともにお祭りとお茶、歴史を巡る小旅行はいかがでしょうか?