【ちがさきCycling Ep3 《里山風景が広がる北部エリアをサイクリング》】SURUGA Cycle Journal Vol.179
海のイメージが強い茅ヶ崎市ですが、今回は海から離れて北部エリアへ!緑豊かな里山風景が広がる、素敵なスポットをご紹介します。
ナビゲーターは、茅ヶ崎市役所&茅ヶ崎市観光協会職員のおふたりです。相棒は、デイトナの電動アシスト自転車「Daytona Mobility DE01」。丘陵地の坂道もパワフルにアシストしてくれます。
1.浄見寺
まず訪れたのは、浄土宗のお寺「浄見寺(じょうけんじ)」です。この地を治めた大岡家の2代当主忠政が、父の忠勝を供養するため1611(慶長16)年に建立しました。山門左の一段高いところに並ぶ大岡家一族13代の墓所は、市指定の史跡となっています。
ちなみに、江戸時代の名奉行として知られている、「大岡越前守忠相(おおおかえちぜんのかみただすけ)」は、大岡家の5代当主です。
境内には美しい日本庭園が広がっています。参拝の際には、ぜひ境内の奥までゆっくりとご覧ください。
寺林と墓所の脇に立つオハツキイチョウは県の天然記念物に指定されています。春には山門や寺の周辺に桜が咲き乱れます。秋の紅葉も美しいですが、桜の季節が特におすすめとのことです!
巾着袋の形をした賽銭箱がチャーミングです。お賽銭を入れると素敵な音を奏でます。
2.茅ヶ崎市博物館
続いては、浄見寺から約200mの位置にある、「茅ヶ崎市博物館」にやってきました。
「大地と人のものがたり」をテーマとし、茅ヶ崎市の自然とそれを背景に営まれた人々の暮らしや、育まれた文化を多面的・多角的に紹介している博物館です。
館内に入ると、ショーウィンドウのようなガラス張りの展示室に目を惹かれます。
中は基本展示室となっており、茅ヶ崎市の大地を「海」「砂丘」「川」「低地」「丘陵」の5つの種類に分割して展示しています。
展示は現物、写真、映像を用いられ、スッキリと見やすくまとまっています。
基本展示室の外に設置されている「ちがさき地形模型」を見ると、茅ヶ崎市北部が丘陵地であることがよく分かります。
自然や歴史、文化に関する図書館の本を借りることができる図書室もご利用ください。茅ヶ崎市の地形や歴史、文化を学んでから散策に出かけると、街めぐりがより楽しくなりますよ。
博物館の駐輪場にはシェアサイクルのステーションがあります。便利なシェアサイクルをぜひご活用ください。
3.白峰寺
続いては、1544(天文13)年に創建された「白峰寺(はくほうじ)」にやってきました。
本堂正面の見事なイチョウの木が出迎えてくれました。
白峰寺には、七福神の「寿老人(じゅろうじん:延命長寿の神様)」が祀られており、茅ヶ崎市観光協会で例年実施している、「相州小出(そうしゅうこいで)七福神スタンプラリー」のスポットになっています。
正月に七福神をすべてめぐると、「7つの災難から逃れ、7つの福徳を授かる」と言われています。茅ヶ崎市北部の相州小出七福神めぐりは、総距離10kmほどで、自然を満喫しながら気軽に散策できるコースです。ぜひ自転車でめぐってみてください。
※相州小出七福神スタンプラリー2024(2024年は1月4日~1月31日まで開催されました。)
4.Fika Room
そろそろランチの時間ですね。今回訪れたのは、「Fika Room(フィーカルーム)」さんです。有名ホテルで経験を積んだシェフが、手間ひまかけて作る料理が自慢のお店です。新鮮な食材にこだわり、お肉や野菜など、できる限り地元で育ったものを使用しています。
数量限定のランチメニューや、ステーキ&鉄板メニューなどなど...魅力的なメニューがある中で、おふたりが注文したのはこちら。
〈ちがさき牛のステーキ(モモ200g) +ライス・ミニサラダセット 〉↓
ちがさき牛は、お店のすぐ近くにある齋藤牧場さんから直接仕入れています。海藻などを独自にブレンドした餌で育てているため、牛肉特有の臭みや癖が無くサッパリと食べられるのが特徴です。サラッと溶け出す上質な脂と、ほどよい弾力。200gもペロッといただけました。
〈ランチ限定ハンバーグ(ライス・サラダ・味噌汁つき)〉↓
ハンバーグには、ちがさき牛と高座豚(こうざぶた)が使用されています。高座豚は、肉質がきめ細かく柔らかで良質な脂質を含み、味の良さから「かながわの名産100選」に選ばれています。ブランド牛とブランド豚が共演した贅沢なハンバーグ。トマトベースの酸味が効いたソースが良く合います。
ちなみに、店名になっている「Fika」は、スウェーデン語で「お茶をしながら休憩すること」。生活の中でホッと一息つける場所、会話や食事などの時間を楽しむ場所として、お気軽にお越しください。
5.腰掛神社
ランチの後は、茅ヶ崎市内で最も北に位置する神社「腰掛神社」にやってきました。里山の中に鎮座する、静寂さに包まれた美しい神社です。
風にそよぐ木々の葉音や木漏れ日が心地よく、澄んだ空気を体全体で感じることができます。
木々のトンネルがまるで天然の鳥居のようです。
ところで、「腰掛神社」というのは少し変わった名前だと思いませんか?本殿脇に祀られている、大きな石(腰掛玉石)にその秘密が隠されています。
「古事記」や「日本書紀」に登場する古代の英雄・ヤマトタケルノミコトが東の方に攻め入る途中、この石に腰掛けて休憩したと言われています。
当時の住民が、腰かけた石をご神体として社を建て、ヤマトタケルノミコトを祀ったのが腰掛神社の始まりとされています。そんな伝説の残る、茅ヶ崎屈指のパワースポットです。
6.関東の富士見百景(茅ヶ崎市からの富士)
腰掛神社のすぐ近くには、「関東の富士見百景」に選出されている富士山ビュースポットがあります。参拝の際にぜひお立ち寄りください。
神社の鳥居を出て、正面の小高い丘の上にある東屋が目印です!目の前にはのどかな里山の風景が広がり、右手には大山、そして正面に富士山を望むことができます。周辺に背の高い建物がないので、開放感があって気持ちのいい場所です。夜は星空が綺麗に見えそうですね。
7.神奈川県立茅ケ崎里山公園
続いては、腰掛神社から南に1kmほど進み、「神奈川県立茅ケ崎里山公園」の正面エントランスにやってきました。
茅ヶ崎市北部に広がる谷戸(やと:丘陵地が侵食されて谷間になった地形)や畑、雑木林からなる里山ならではの豊かな自然を感じ、体験することができる公園です。
芝生の広場で走り回ったり、池で水辺の生き物を観察したり、森を散策したりと、自然の中で1日遊ぶことができます。広場の真ん中に寝転がって空を眺めたら気持ちよさそうです!
広場で落ち葉のじゅうたんを見て、「落ち葉シャワーやりましょう!」と、ノリノリで撮影している様子がこちらです。
大人も全力で楽しめる公園だと、おふたりが教えてくれました。
遊具エリアには、70mの「風のすべり台」があります。スリル満点のすべり台を、風を感じながら楽しんでください!
8.オーガニックガーデン茅ヶ崎
公園で思いっきり遊んだ後は、「オーガニックガーデン茅ヶ崎」さんでスイーツをいただきましょう。
有機コーヒーや自家製スイーツ、軽食メニューも充実しているカフェです。
パスタを除くすべてのメニューがテイクアウトOKです!気軽に立ち寄れていいですね。
店内にも飲食スペースがありますが、天気がいいので開放感のあるテラス席でいただきました。
ケーキは「コルテッツァチーズケーキ」と「苺のショートケーキ」。飲み物は「カフェラテ」と「オーガニックコーヒー」です。
イチオシのチーズケーキは、人工甘味料不使用、小麦粉を使用していないグルテンフリー製品です。甘さ控えめですが濃厚!外側の香ばしいチーズと、中のトロリとしたチーズの旨みが絶妙です。
9.七堂伽藍跡(下寺尾官衙遺跡群)
カフェタイムの後は、寒川町との境にある「下寺尾官衙遺跡群(しもてらおかんがいせきぐん)」の見学にやってきました。
約1300年前、官衙(当時の役所)が設けられていた「西方遺跡」と、官衙に附随する大きな寺院があった、「七堂伽藍跡(しちどうがらんあと)」を中心とする遺跡群です。古代における地方官衙の構造や立地を知るうえで重要な遺跡とされ、2015(平成27)年に国の史跡に指定されています。
今回おふたりが訪れたのは七堂伽藍跡です。史跡名が大きく書かれた看板の裏は解説パネルになっています。想像力を膨らませながら、じっくり読むとなかなか面白いです。
ここでは古くから瓦などが発見されており、地元の人々は古代寺院の存在を噂していたそうです。1978(昭和53)年に考古学の調査が入り、寺院の存在が明らかになりました。まだまだ新たな発見がありそうで、ワクワクしますね!
10.熊澤酒造
続いては、湘南エリア唯一の酒蔵「熊澤酒造」さんへ。
植え込みの中に看板を発見しました。
駐輪場には自転車がたくさん!さすが神奈川県の中で自転車利用率が最も高い「自転車のまち」茅ヶ崎です。
広い敷地内にはレストランやパン屋さん、カフェ、雑貨店など、複数のショップが展開されています。誰でもふらっと訪れて、気軽に食事や買い物を楽しめる場所になっています。
古民家を再利用したカフェの地下には、「蔵元直売所地下室」があります。
店内の看板に従い、階段を降りて行きます。なんだかワクワクしますね。
「蔵元直売所地下室」には、熊澤酒造で醸造・蒸留された日本酒、ビールがすべて揃っています。
お土産に湘南を代表するクラフトビールの「湘南ビール」を購入しました。お洒落なラベルで、贈り物にもぴったりです!
倉庫を改修したお店「okeba gallery & shop」では、湘南地域の作家やアーティストの作品を販売しています。
食器やアクセサリー、衣類などなど。さまざまなジャンルの作品が並びます。ぜひ、お気に入りの作品を探しに来てください。
お買い物を楽しんだ後は、次のスポットへ向かいましょう。
11.湘南 冨士美
JR相模線・香川駅のすぐ近くにある「湘南 冨士美」さんにやってきました。お店の前は交通量が多いので、注意して走行してください。
1952(昭和27)年に創業して以来、地域に根ざし、地元の方々に愛されている和菓子店です。
代表的な銘菓は、茅ヶ崎にゆかりのある大岡越前守(おおおかえちぜんのかみ)にちなんだ「奉行最中」です。こしあん、つぶあん、ゆずあんの3種類はどれも魅力的ですが、「求肥入り」の文字に惹かれてつぶあんを購入しました。ちなみに、ゆずあんは、白あんに小田原産のゆずを練りこんだ爽やかなお味とのこと。
他にもラスクやどら焼きなど、1個単位で販売しているので、好きなお菓子を少しずつ購入できるのがいいですね。そう言って、ついつい買いすぎてしまいますが…。
12.河童徳利ひろば
ラストは寒川町との境に位置する、小出川大曲橋近くの「河童徳利(かっぱどっくり)ひろば」にやって来ました。
この辺りは、民話「河童徳利」の発祥の地と言われており、広場には民話の内容を記した解説板や民話の世界観を再現した池があります。
大切な馬と一緒に、毎日真面目に働いた方が幸せだと気づけたようです。娯楽は必要ですが、何事もほどほどが良いですね。
そんな話をしながら、広場のベンチで「湘南 冨士美」さんで購入した奉行最中をいただきました。パリパリの皮と、たっぷり挟まったあんこが程よい甘さで美味しいです。
河童にちなんだ商品「かっぱどっくり」も販売しています。カップに入れてお湯を注ぐとおしるこになります。最中の皮がモチモチです。
今回のサイクリングはここで終了です。海沿いとは違った、緑豊かな北部エリアの魅力を感じることができました。次回もお楽しみに!