【ひらつかLaLaぽた 「桜咲く吉沢八景巡りで美しい里山風景を探して」】SURUGA Cycle Journal Vol.99
平塚市さんとのコラボ企画「ひらつかLaLaぽた」。電動アシスト自転車、デイトナポタリングバイクで湘南ひらつかの気持ちいいところを巡ります。
今回のテーマは「桜咲く吉沢(きさわ)八景をデイトナポタリングバイクで巡る」です。ナビゲーターは前回に続き、サイクルキャップサイクロンの主宰、伊達千鶴さん(左)と、サイクリングプランナーの田代恭崇さん(右)のおふたりです。撮影は肌寒い4月1日。前夜の雨が抜けたばかりの曇り空でしたが、おふたりが元気に案内してくれました。
集合場所は平塚市内にあるサイクロンさんの工房です。春デザインのキャップたちを見せてもらい、今回はおふたりお揃いのキャップで出かけることになりました。仲が良いですね。
さてさて、吉沢八景はどんなステキな場所なのか楽しみです。心和む景色ときれいな桜を愛でるひとときとなりそうです。
さっそく吉沢(きさわ)エリアに来ました。桜がきれいな「妙覚寺」の前で、改めて八景の位置関係を確認し、巡る順番を決めました。やはりここは地元民の伊達さんが頼りになります。
八景を巡る道は、起伏のある未舗装路も含まれます。ここで今回の相棒、デイトナポタリングバイクDE01の電動アシストのスイッチをオン。
それにしても見事に満開の桜でした。しばし出発を忘れて桜に見入りました。
平塚市の西部丘陵地域に位置する吉沢(きさわ)地区。南側には「ゆるぎ地区」と呼ばれる里山一帯を抱き、日本の原風景とも言える美しい里地里山の風景が広がります。特に吉沢らしい里地の風景が「吉沢の里地」です。
こちらからは2つの里地風景を眺めることができます。写真は霊峰「大山(おおやま)」を背景にした景色。特徴的な段々畑と昔ながらに屋敷林を抱いた農家のお屋敷が見事に調和し、丘陵地を活かした生業と営みの景色が広がります。
この日、大山を見ることはできませんでしたが、ホッとできる里地風景が私たちを迎えてくれました。
続いて2つ目の吉沢八景スポットは上吉沢にある「八剱(やつるぎ)神社」です。平塚の市内では珍しい木造の鳥居が残る由緒ある神社です。
上吉沢の八剱神社は、吉沢地区が一つの集落だった頃からの鎮守社で、里山風景の中、そこだけ桜に守られているかのような聖域感を醸し出しています。
歴史と文化の拠りどころとして吉沢地区で大切に守られ、今も変わらぬ信仰の場として、また、春の桜や秋のヒガンバナなど、四季折々に季節の花々を楽しめる憩の場として親しまれています。
さて、次の吉沢八景スポットに向かう途中、菜の花がきれいでついペダルを止めました。
「敷石遺跡」と書かれた看板があります。以前ここから縄文時代の土器や土偶、石器が多く出土しました。祭祀場所跡と考えられてるそうです。
それにしても、一面黄色に染まった景色、癒されました。
またまた寄り道です。なかなか吉沢八景の次のスポットに進みません。こちらは「八塚の夜泣き石」です。
「鎌倉時代にこの石材を運び出したところ夜な夜な泣き声を上げた。この泣き声にたまりかね再びこの地に戻したところ泣き止んだ。」という伝承の残る石材で、平塚の民話昔ばなしに書かれている吉沢の民話に出てきます。
今でもこの地から運び出したら泣くのでしょうか…?
またも寄り道が止まりません。吉沢八景の次のスポットに向かっていると、次は古墳に出会いました。
「八塚古墳」、その名の通り元は八基の古墳群だったそうです。なんでも古墳時代のものだとか。
古墳時代っていつだっけ??と、思わず検索してしまいました。3世紀中頃から7世紀頃とのこと。そんな昔から、吉沢には人々の生活があったんですね。
昔の吉沢の景色、見てみたいですね。
ようやく八景の3つ目、「ゆるぎの丘」に来ました。上吉沢の八剱神社の脇から緩やかな尾根道を上って来ると、右手の方に扇状の段々畑が広がるほっこり風景が出迎えてくれました。
高台からは、秦野や伊勢原の街を前景に大山・丹沢を望み、天気の良い日には富士山も見えます。遠くまで続く里山風景に、平塚の懐の深さを感じます。
このあたりの道は未舗装路なので、雨上がりは横滑りに気をつけましょう!
八景の4つ目、「霧降りの滝」に来ました。重なりあった岩から、水が霧のように流れ散る滝で、落差は13mほど。ここまでの道はハイキングコースで道幅も狭いので、自転車は押し歩きです。
朝方までの雨でぬかるんでいて、足下も悪い中ですが秘境感は満載です。山中の清々しい空気と滝のマイナスイオンで体の中まで清められた気分です。
ビー玉がこぼれるように流れる滝で、日之宮山を源流とする宮下川で水流豊富な時には霧のように見えることから霧降りの滝と命名されたそうです。
さて、続いては「吉沢の池」に来ました。
戦前に食糧増産のため農業用水確保のために築造された溜め池で、広さは49m×30m、水深は約10m。こじんまりとした溜池ながら、緑に覆われた静寂感がいい感じです。
池畔の遊歩道は鷹取山のハイキングコースの一部になっているので、池の水源に向かい沢沿いを歩くのも冒険っぽくて良さそうですね。
八景の5つ目、「吉沢小学校」の正門前の道路からは、桜並木と小学校のシンボルの赤い三角屋根が見られます。
特徴的な赤い三角屋根の展望台は吉沢のランドマークとなっています。
また、桜並木は春の訪れを知らせるだけでなく、満開の桜から花が散って、葉桜へと移りゆく様子は子どもたちの成長や季節の流れも感じさせるようです。
八景の6つ目は「曹洞宗寺院 松岩寺」。平塚八景のひとつにも数えられ、竹林に囲まれた自然、静寂の中に佇む寺院です。
1502年開山。總持寺(横浜市鶴見区)を大本山とし、神奈川県内に12か所の末寺を持ちます。本堂は丘(山)の上にあり、斜度20%くらいあるのでは?と思えるほどの急坂を登ります。あ〜、デイトナポタリングバイクで良かった。
季節ごとに梅、つつじ、あじさいが咲き、秋は紅葉が美しい寺院です。
八景巡りで喉が乾いたナビゲーターのおふたり。伊達さんから、地元で話題になってるジェラート屋さんが近くにあることを聞き、「ジェラテリア ベガ」さんにやって来ました。
地元の農作物が輝く平塚のご当地ジェラート、材料の生乳、野菜、果物は平塚産です。平塚っていろんな農産物の生産地なんですよ。
畑の中にあるお店なんですが、私たちが滞在している間に、多くの方達が来店されてました。人気店です。
次は八景の7つ目、「めぐみが丘」にやって来ました。小高い丘の住宅街で、街を大きく取り囲む外周道路には、ツツジとハナミズキ(見頃は4月下旬、訪れたのがちょっと早かった…)が街路樹として植栽され、街並み全体を美しく彩っています。
この外周道路の花をはじめ、地区内の街路樹や公園・緑地の樹木・草花などは、地域住民が自ら栽培や管理を行い、花とみどりの街並みをつくっています。季節を変えてまた訪れたい場所です。
さて、いよいよ吉沢八景の最後のスポット、「飛谷津(とびやつ)の丘」です。上吉沢配水池の土手は、吉沢随一の富士山の眺望スポットです。
頂に雪をまとった冬の富士山、春や秋のダイヤモンド富士、 春の桜と富士山など、四季を通じて、富士山の多様な表情を 楽しむことができます。
今回は富士山を見ることができませんでしたが、土手の桜並木が満開で見事でした。
吉沢を離れた後、「金目山光明寺」に立ち寄って今回の旅を締めくくります。
LaLaぽたでは何度か訪れたスポットですが、どうしても桜の時期に来てみたかった場所です。平塚市さんのホームページに「春は一幅の絵になる場所」と記載されていたのですが、さすが桜の名所、まさにその通りの景観になっていました。
美しい春の景色、ありがとうございました。
吉沢八景は、緑が濃くなる時期に、一番美しい里山風景を見に再度訪れたいと思います。