【ふじぽたEp2《South Stage:駿河湾を望む太平洋岸自転車道》】 SURUGA Cycle Journal Vol.138
富士市さんとのコラボ企画「ふじぽた」。今回ご紹介するのは、駿河湾の景色と海の幸を楽しむコース!
富士市は海抜0mから富士山を市域に持ち、市のブランドメッセージ「いただきへの、はじまり 富士市」を掲げています。その海抜0地点には、太平洋岸自転車道や田子の浦漁港から西に続く「しらす街道」があり、駿河湾の美しい景色や美味しいグルメに出会えます。
今回は冬の駿河湾を眺めながら、富士市を爽快に走り抜けるサイクリングに出かけましょう!
今回のナビゲーターは、富士市サイクルステーション、通称「ふじクル」スタッフの小林さん(左)と、プロサイクリングチーム『レバンテフジ静岡』の夏目天斗(なつめたかと)選手(右)です。
レバンテフジ静岡は静岡県を拠点とするチームで、今回のスタートである「ふじクル」の2階が事務所になっています。夏目選手は2023年から新規加入したばかり。チームナンバーワンの高身長&明るいキャラクターが印象的な期待の選手です!
「ふじクル」ではサイクリング途中の休憩やメンテナンスができて、電動アシスト自転車から本格ロードバイクまで幅広いレベルのレンタサイクルを楽しむこともできます。地元ガイドによるライドツアーも開催中!富士エリアサイクリングの発信拠点となっています。
天気は快晴!やっぱり晴れの日のサイクリングは気持ちいいですね。さっそく出発しましょう。
まずは「富士市文化会館ロゼシアター」内にある「ふじ・紙のアートミュージアム」にやって来ました。
富士市は製紙業の歴史が長い、国内有数の紙のまち。このミュージアムは富士市制施行50周年を契機に紙を素材とした芸術「紙のアート」を新しい魅力として発信し、「日本一の紙のまち・富士市」をPRするべく、2016(平成28)年11月1日に開館しました。
中に入ると、ガラス張りの展示室が現れました。こちらでは紙を題材にしたアートの企画展が年4回ペースで入れ替わりながら展示されています。全国の紙のアーティストの作品が集まり、この時は広島の版画作家「榎真弓(えのき まゆみ)展」が実施されていました。(2023年3月19日で終了しました。)
これは、部屋全体の空間も含めて1つの作品になっており、約5年かけて制作されました。置かれている本も中のページまですべて手作り。この作品全体が紙3,000枚で作られています。
本の置き方や色、使用している紙の素材など、ひとつひとつの表現に意味があるそうです。赤は日本らしさを表現する鳥居の色、黒は富士市の土の色を表しているそうで、じっくり見るほど発見があります。紙の中にある芸術の姿をゆっくりと鑑賞してみてはいかがでしょうか。
続いては国道沿いにある「道の駅富士」にやって来ました!なんと静岡県の道の駅登録第一号なんです。
いやぁ、いい天気ですね。まさにサイクリング日和です。
そしてさすが富士市、外にある木製サイクルラックは富士山柄でした。
目に止まるのは、フォトスポットの数々!パラシュートにパラグライダー、富士市が発祥と言われるかぐや姫の顔ハメ看板もあります。
一休みがてら、記念撮影もどうぞ。
それではここでちょっとおやつタイム。「IDEBOK」さんでソフトクリームをテイクアウトしましょう。
どれにしようかな…
おふたりがチョイスしたのは、道の駅富士限定メニューの「抹茶みるくプリンソフト」と「ほうじ茶みるくゼリーソフト」。
「抹茶みるくプリンソフト」は、IDEBOKさんの濃厚なミルクのソフトクリームの下に富士市産の抹茶を使用したプリンが入っています。あんこや白玉、粒おかきと、和の食材とのハーモニーが楽しめます。
「ほうじ茶みるくゼリーソフト」は、同じく富士市産のほうじ茶を使用したゼリーがポイント。いでぼくソフトの上にもほうじ茶パウダーが振りかけられていて、お茶の風味豊かな一品です。
ここからさらに東へ進み、海側に走っていくと田子の浦のしらすが食べられるお店が連なる「しらす街道」に出ます。今回のランチはその一角、「しらすの八幡本店」さんにやって来ました!
富士市と言えば田子の浦のしらすが有名です。魚の宝庫として知られる駿河湾の中でも、特に奥まった田子の浦は富士山のミネラル豊富な雪解け水と駿河湾の深層水が合わさり、豊かな漁場を育んでいます!田子の浦のしらすの美味しさの秘密、それはしらすを傷つけない一艘引き(いっそうびき)の漁法と、継承されてきた氷締め作業などで高い鮮度を保ったまま水揚げされること!田子の浦港の環境と漁法の技術が鮮度を保ち、ここでしか味わえない美味しいしらすを実現しているのですね。
1階奥には直売所がありますので、新鮮なしらすをご自宅でも。
それではお待ちかねのランチタイムです。フロアにあるお食事処の「やはた亭」さんでは、しらすや桜えびをたっぷりと堪能できるメニューがずらり。
おふたりは人気No.1の「駿河3色丼」をチョイス!生しらす・釜揚げしらす・生桜えびがたっぷりのった豪華な逸品。
そしてこの食べっぷり!
プリプリのしらすに生姜醤油がよく合います。食べ比べしながら、田子の浦のしらすを思う存分味わってくださいね。
あっという間にペロリと完食!美味しかった!
実は撮影日の1月下旬は禁漁期間で、獲れたての生しらすはお休み中でした。毎年3月下旬頃にしらす漁が解禁されますので、その頃にあわせてぜひご賞味ください!
さて、午後一番は「しらすの八幡」さんから自転車で5分、「田子の浦港 漁協食堂」にやって来ました!
…なのですが、残念ながらこの日は休漁期間のため、食堂もお休みでした。漁協食堂さんはしらす漁が行われる4月から12月頃までオープンしており、田子の浦のアイドル・生しらすがこちらでも食べられます。
オープン時には港のすぐ側にある屋外の広いスペースにテーブルと椅子が並べられ、海の風を感じながら新鮮な魚介をいただくことができます。
港からは富士山もバッチリお目見え。海の傍から眺めるのはまた一味違います。
さらに南へ向かって5分ほど走り、今度は「ふじのくに田子の浦みなと公園」へ。
「はい、ポーズ!」とカメラを向けたらご覧のとおり。ポーズのバリエーションが豊富で脱帽です!
田子の浦みなと公園には、海抜0mから富士山頂を目指す登山ルート「富士山登山ルート3776」の起点があります。まさに、「いただきへの、はじまり」スポットです。
まずは展望スポット「富士山ドラゴンタワー」から行ってみましょう!
タワー最上部の高さは37.76m。ちょうど富士山の1/100です。二重らせん+中央らせん階段があり、確かに遠くから見るとドラゴンみたい。
タワーの上からの眺めは格別です!
北には富士山、
南には駿河湾!マリンブルーが素晴らしく綺麗です。
公園中央には、奈良時代の歌人・山部赤人(やまべのあかひと)が詠んだ「富士山を望む歌」の石碑があります。
公園の外周には海沿いを一周できる遊歩道があり、水平線がどこまでも続いていくのを見ることができます。思わず息を飲むような、駿河湾の美しさをぜひ確かめに来てくださいね。
続いては富士市に本社を構える「ジヤトコ」さんをご紹介しましょう。
ジヤトコさんはオートマチックトランスミッションの専門メーカー。製造されているトランスミッションは優れた運転性能と燃焼性能を両立できるのが特徴で、グローバル市場でトップシェアを誇っています。
今回は特別に、本社エントランスに入らせていただきました。
エントランスにはさまざまなトランスミッションの模型が飾られています。
トランスミッションとはエンジンの動力をタイヤに伝える仕組みのことです。ジヤトコさんはこれまで累計1億2千万台ものトランスミッションを世に送り出してきたエキスパート!私たちの生活を支える技術がここにあります。
午後のポカポカ陽気の中、今度は「浮島ヶ原自然公園」を散策しに行くことにしました。
明治初期まで、この辺りは沼地が点在しており、総称して「浮島沼」と呼ばれていました。南に旧東海道が通るこの湿地帯ではフナやウナギ、シジミなどの魚介類が多く獲れました。
一方で海面との高低差がないために冠水しやすいという特徴もあり、人々の試行錯誤の積み重ねにより湿田で稲作が盛んに行われていたことなどが伝えられています。
園内には湿地を一周できるボードウォークがあり、絶滅のおそれのある野鳥や昆虫などの貴重な生き物が観察できます。
ふじぽたもいよいよ終盤です。たくさん走ったあとのラーメンって美味しいよね?ということで、「らーめん大山(たいざん)中里店」さんにやって来ました!
つけ麺とえびしおラーメンが自慢の、地元に愛されるラーメン屋さんです。この日は夕方に伺ったのにも関わらず、お客さんがひっきりなしに来られていました。
大山さんのイチオシは、海の幸たっぷりの塩スープ&えびの揚げ油が香る「駿河塩そば」、
そして北海道美瑛町産の高級小麦を使ったこだわりの麺がポイントの「美瑛つけ麺」。
運ばれてきた瞬間からえびの香ばしい香りが!つるつるの麺にスープがよく合い、もりもり食べられちゃいます。おふたりもペロリと完食でした。
中里店さんは店内が昔の駄菓子屋さんのようなレトロな雰囲気なのもポイントのひとつ。社長さんが考案されたそうで、どこか懐かしくほっとする空間でした。
ラストは富士市ならではのシャッターチャンスをねらってみました。「東部市民プラザ」周辺は新幹線×富士山のコラボレーションが見られる富士山ビューポイントのひとつです。
ちょうど通過する新幹線と遭遇!富士山は少し雲の帽子をかぶっていましたが、これはいい一枚ですね。景色を遮るものが少なく、海と山どちらの風景も楽しめた一日でした。
最後は「ふじクル」に戻ってきて、今回の旅は終了!お疲れさまでした。
「いただきへの、はじまり」の起点となる富士市の海側は自転車でも走りやすく、景色もグルメも楽しめる素敵な場所です。みなさんもぜひ富士市に遊びに来てくださいね。