【伊豆の国まるごとポタリングEp13《歴史探訪!北条義時ゆかりの地へ》】 SURUGA Cycle Journal Vol. 159
伊豆の国市さんとのコラボ企画「伊豆の国まるごとポタリング」、通称「伊豆の国まるポタ」のシーズン2が始まりました!2022年2月から伊豆の国市を自転車で巡りご紹介してきましたが、まだまだご紹介しきれていない&もう一度行きたいスポットがたくさんある…ということでシーズン2に突入です。
今回は「伊豆の国市北条家歴史散策マップ」の義時コースをなぞり、北条義時ゆかりの地をめぐります!
▼義時コース
2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主人公の北条義時が生まれ育った、北条家ゆかりの地です。
ナビゲーターは、元プロロードレーサーで伊豆の国市在住のサイクルコーディネーターの平塚さん(下の写真:左)と、伊豆の国市地域おこし協力隊の平尾さん(下の写真:右)です。
自転車は「HELLO CYCLING」さんのシステムを導入している「いずなかシェアリング」のシェアサイクルを利用します。
それでは韮山文化センター(韮山時代劇場)から出発です!
※韮山文化センターでは、2023年7月22日から12月17日まで「北条の郷」が開催されています。(土日祝日のみ)
▼詳細はこちら
まずは「北条義時館跡」のある「江間公園」にやってきました。この辺りで北条義時が青年時代を過ごしたとされています。
公園の一角に「北條義時屋敷跡」の碑が建っています。義時は「江間小四郎(えまこしろう)義時」とも呼ばれ、伊豆の国市江間地区に館があったと言い伝えられています。
そして江間公園のもうひとつの見所が「地震動の擦痕(じしんどうのさっこん)」です。
1930年の北伊豆地震の強い揺れで、旧江間小学校校庭に展示されていた魚雷がすべり、台座に引っかきキズ(擦痕)が残りました。このキズが天然の地震計のように見えるんです。
人工物でありながら国指定の天然記念物という、なんとも珍しいスポットですね。
続いては北条義時が創建したお寺「北條寺」にやってきました。
北条政子が寄贈したと伝わる「牡丹鳥獣文繍帳(ぼたんちょうじゅうもんしゅうちょう)」や、片足を踏み下げて半分あぐらをかいたような姿勢の「木造観世音菩薩座像(もくぞうかんぜおんぼさつざぞう)」など、いずれも県指定文化財に指定されており、貴重な文化財が多数残されているお寺です。
江間地区を見渡す小四郎山の上には、伊豆の国市指定文化財である義時夫妻の墓があります。義時の長男である泰時らによって、北条氏発祥の地であるこの寺に墓が建てられたと伝えられています。義時が幼年から青年期を過ごしたこの地で、2人は静かに過ごしているのでしょう。
平塚さんは趣味で集めているという御朱印を購入。購入特典で素敵な巾着をいただきました。
次にやってきたのは「豆塚(まめづか)神社」です。元々は平安時代の「延喜式(えんぎしき)」神明帳に記載されている、「石徳高(いわとこたけ)神社」であったとされており、義時が現在の場所に遷座させたと伝わる由緒ある神社です。
境内には「江間郷土研究会」の展示ブースもあり、江間の歴史についての資料を見ることができます。
※展示は月1回、第4日曜日の10:00~15:00に行われており、2024年2月まで実施の予定です。
サイクルラックは鳥居をくぐった左手にありますのでご活用ください。
小腹が空いてきたおふたりは、伊豆中央道のドライブイン「いちごプラザ」にある「大福や」さんにやってきました。
一般道から「いちごプラザ」へアクセスする際は、第2駐車場をご利用ください。自転車を駐車場に停めて、徒歩で階段を上ります。
「大福や」さんでは、一番人気のいちご大福をはじめとして、色々な種類の生フルーツをまるごと白餡で包んだ各種の大福を販売しています。伊豆の国市は広大ないちごの栽培地帯を有し、県下を代表するいちごの生産地です。12月中旬から5月初旬には、いちご狩りを楽しむことができます。
生フルーツを使用しているため、消費期限は冷蔵庫保存でも翌日まで!さっそくお店横のベンチでいただきます。可愛いイラストが描かれたフォトスポットもあります。
いちご大福は程よい酸味と甘さ、いちごがとってもジューシーだけど!トマト大福は甘酸っぱいフルーツトマトがプチっと弾けて白あんと相性抜群です。
カップ入りで1個から販売しているのでお持ち帰りもしやすいですね。お土産にいかがでしょうか。
ランチは「いちごプラザ」内の「お食事処一休」さんでいただきます。伊豆の海の幸や山の幸、新鮮な素材をふんだんに使った料理が自慢です。
食堂入口で食券を購入して、料理ができたら自分で取りに行くセルフ形式です。
食堂の大きな窓からは伊豆の景色が一望できます。山と田んぼの緑が綺麗ですね。おふたりは伊豆天城の自然薯を使った「とろろ定食」と、狩野川の珍味モクズガニを使った「かに汁うどん」をチョイス!
「とろろ定食」は、とろろご飯&とろろ蕎麦どちらも食べられます!
「かに汁うどん」はモクズガニの出汁が効いていて、疲れた体に染み渡ります。
ちなみに、モクズガニは川などに生息するカニで、雄ガニのハサミに生えている毛が藻屑(もくず)のように見えるところから名前がつきました。地元ではズガニと呼ばれています。カニ味噌エキスたっぷりの出汁を使う料理が美味で知られ、江戸時代の頃から食されていたそうです。
ランチの後は、いちごのビニールハウスが数多く立ち並び、田んぼが広がるのどかなエリアを走ります。
江間いちご狩りセンター付近を流れる江間川沿いには、早咲きの河津桜とソメイヨシノがあわせて200本以上も植えられています。2月中旬から4月上旬まで、2種類の桜を楽しむことができます。
北江間の「珍場(ちんば)神社」にやってきました。竹林に囲まれた静かな神社です。
1204年(元久元年)北条義時が、大蛇に呑み込まれて亡くなった長男安千代の死を嘆き、若宮八幡宮として祀ったのがはじまりと言われています。
「珍場神社」から坂道を上り「工房Rokumoku(ろくもく)」さんに到着です。山の上の住宅街の中にお店があります。
天然木を使ったスプーン、フォーク、箸などテーブルで使う道具を制作・販売しています。お店の看板も味があって素敵です。
木材の製品を作るために材料を得るのではなく、何かしらの理由で切られた木を活かしてモノづくりをされています。
購入した商品を長く使ってもらうため、修理や塗り直しなどメンテナンスも行っています。ひとつのモノに愛着をもち長く使う、現代人が忘れがちな習慣かもしれません。
自然の色や模様を大切にして、機械や手作業で丁寧に作られたスプーンやフォークは、伊豆の国市のふるさと納税返礼品にもなっています。ぜひチェックしてみてください!
続いては江間の老舗酒屋「杉山商店」さんへ。静岡の地酒を中心に、ワインや焼酎、お酒のツマミやこだわり食品が揃うお店です。
四代目の店長さんが、江間への地元愛を形にしたいと構想1年をかけて実現したオリジナル酒が「北条義時 あぐら 純米吟醸」です。
鎌倉幕府を盤石な体制へと導いた義時が、権力争いに勝ち、どっしりと「あぐら」をかいて呑んだ酒をイメージしています。
娘さんがラベルデザイン、息子さんが義時のイラストを担当、そして父である店長さんが日本酒の調合をした、親子3人コラボ商品です。オリジナルポストカードも販売しています!ぜひお立ち寄りください。
続いては長い坂道を上り、少々息切れしながら「上の馬場(うえのばば)」へ。
案内板の奥の階段を上がった先が平坦地になっており、そこで義時が調馬を行ったと言われています。長い平坦な細尾根は、馬を走らせるのには都合の良い地形だったようです。
ここまで上ってきた坂道をさらに上に進むと、上の馬場へと繋がっています。せっかくなので自転車で行ってみましょう。
電動アシストのモードをハイパワーにしておくことをオススメします。最後にかなりキツイ斜度の坂を上りきって、見晴らしのいい広場に出ました。
狩野川や江間地区がよく見えます。義時もこの景色を見ながら馬に乗っていたのでしょうか。
伊豆長岡温泉にやってきました。こちらの綺麗な建物は、2023年6月30日にオープンした「さかなやステイ」さんです。オシャレで機能的な宿泊施設です。
平屋建ての客室が7棟あり、客室にはベッド、シャワー、洗面台を完備しています。コンパクトながらも十分な広さがあり、秘密基地のようでワクワクしますね!
敷地内には、源泉かけ流しのプール「ぷ~ろ」があります!暑い時期には最高ですね。シェアサイクルのステーションもあります。
ラストは韮山文化センター(韮山時代劇場)に自転車を返却して、今回の旅は終了です。
今回は「伊豆の国市北条家歴史散策マップ」の義時コースを参考にして、北条義時ゆかりの地をめぐりました。スポットそれぞれに物語があり、当時の様子に思いを馳せることができました。
途中で立ち寄った素敵なお店や、新たにOPENした施設にも注目です。狩野川沿いや田んぼ道など、何気ない自然の風景に癒されました。
伊豆の国市を自転車で走って、歴史探訪を楽しんでみませんか?
それでは次回もお楽しみに!