【自転車でゆるく楽しむ大人の伊豆Vol.3開国港下田紀行】SURUGA Cycle Journal Vol.65
美しい伊豆創造センターさんとの1年間のロングランコラボ企画、「自転車でゆるく楽しむ大人の伊豆」。ミニベロに乗って伊豆をまったりと楽しむ大人サイクリングです。走行距離?獲得標高?気にしません。「美味しいもの、楽しいことこそ正義」というオトナ目線で、季節ごとの伊豆の楽しみ方をのんびりとご紹介していきます。
第3弾の今回は、歴史上開国の舞台になった下田です。この異国情緒ある街を案内してくださるのは、下田マイスターのおふたり、伊豆急行の若色さん・木田さんです。若色さんは下田市観光協会の副会長さんでもあります。そしてご一緒するのは、美しい伊豆創造センター国内観光ディレクターの八木さんと弊社の田原です。
▲左から田原、木田さん、若色さん、八木さん
ストップアンドゴーの多い下田周遊では、小回りがきいてエコな電動アシスト自転車が良い相棒になります。今回は、伊豆急レンタサイクル「伊豆ぽた」2台と、デイトナポタリングバイク2台で巡りました。
「伊豆ぽた」はここ伊豆急下田駅でも、2020年10月から通年でレンタルできるようになりました。
▲駅直結です
▲女性利用者が多く楽しげな書き込みも
▲車両は屋内保管でとてもキレイです
※「伊豆ぽた」は新型コロナウイルス感染拡大の状況により、2021年1月16日から当面の間営業を中止しています。ご利用の際は、事前にホームページをチェックしましょう。
▼伊豆ぽた
https://www.izukyu.co.jp/izu-pota/
下田を見るなら電車&自転車で
集合場所は「伊豆急下田駅」。伊豆急行線の終着駅で、静岡県内の鉄道駅では最も南に位置します。開国港らしさあふれる改札出口は、街の特徴を如実に表しています。JR和歌山線の下田駅(現・香芝駅)、青い森鉄道(旧・東北本線)の下田駅と区別するため、駅名に伊豆急と付いています。
▲伊豆急下田駅改札出口、関所のデザインです
▲伊豆急下田駅
そして嬉しいサプライズ。駅構内で、伊豆急行さんの公式キャラクター「いずきゅん」とバリ舞踊駅長さんに会えました。いずきゅん、超カワイイです。2017年12月10日にデビューし、3周年を迎えました。
▲緑の鼻が愛らしいです
バリ舞踊駅長さんは、「伊豆急オモシロ駅長」のおひとりです。「伊豆急オモシロ駅長」は伊豆急のPR大使で、伊豆急や伊豆の魅力を発信したり、駅を拠点とした地域の活性化などに取り組まれており、8組のオモシロ駅長さんが活動中です。
▼伊豆急オモシロ駅長
https://izukyu-omoshiro.jp
いきなり歴史の舞台へ
伊豆急下田駅を出発して最初に訪れたのは「玉泉寺」。曹洞宗のお寺で、日米和親条約が結ばれた後、米人休息所に指定されました。いきなり歴史のど真ん中です。
▲石段左手前に米国領事館の碑
また、日本最初の領事館として開設された場所でもあり、その時の米国総領事はタウンゼント・ハリス氏です。
▲史跡解説に読み入ってしまいます
その後、横浜開港によって領事館としては閉鎖されましたが、日本の歴史を語るうえでも重要な場所であるといえるでしょう。現在は国指定史跡になっています。
▲綺麗に手入れされた境内
境内には「ハリス記念館」「牛乳の碑」、第39代アメリカ大統領の「来訪記念碑」などがあり、見どころの多いお寺です。ちなみに、日本での牛乳売買が始まった場所としても有名です。
▲日本で最初に星条旗が掲げられた地
▲カーター大統領来訪碑
▲病床のハリス氏が牛乳を求めたことが始まりです
▼玉泉寺
https://www.izu-gyokusenji.or.jp/
南国のような海へ
今回のコースの眺望スポット「爪木崎」に到着しました。こちらは透明度の高い蒼い海と、水仙にアロエの群生が見られることで有名です。
▲アロエの花が鮮やか
▲もはや南国リゾートです
毎年12月20日から1月31日まで「水仙まつり」が開催されています。撮影日はちょうどまつり開催中。水仙の花も咲き始めており、見事でした。実に300万本の水仙が群生しています。
▲花が大好きと語る木田さん
▲広範囲に水仙が咲き誇っています
また、高台にある「爪木埼灯台」からは360度見渡せ、この日は伊豆諸島まではっきりと見えました。
▲見晴らし抜群の爪木埼灯台
▲空気が澄んでいて伊豆諸島まで見えました
▲こちらもジオサイトです
ちなみにこちらの灯台、「恋する灯台」にも認定されています。
▲フォトスポットです
港町下田
次のスポットへ向かう途中、ちょっとステキな橋を渡りました。「みなと橋」です。
▲穏やかな時間が流れる港町
橋の色にしては珍しい深緑色をしていて、モダンな雰囲気が開国港町らしさを醸し出しているように見えました。
▲下田のきれいな街並みを構成する橋
そのまま「大川端通り」へと進みます。岸壁沿いに多くの船が停泊していて、港町下田の顔ともいえるこちらのスポットは別名「みなと通り」ともいわれています。モニュメントもありますので、写真撮影にはうってつけかもしれません。
▲開放的で気持ちの良いエリアです
▲「子供の頃の夢は海賊になること」だった木田さん
大川端通りの端まで行って右に曲がると、下田の新スポット「弁天橋ボードウォーク」に到着します。
▲深呼吸してしばしまったり
2020年春、平滑川にかかる弁天橋のたもとが「ポケットパーク」として整備され、ペリーロードに向けて続く遊歩道も兼ねた憩いの小公園へと生まれ変わりました。
▲散歩するのも気持ち良さそうです
「ポケットパーク」は、市民や観光客が週末のイベントなどに限らず、日常的に飲食を楽しみながら憩える「まちなかのリビング『下田ポケット』」として活用する下田市の社会実験のひとつです。
▲休憩用のベンチ
広さは419平方メートルほど。ウッドデッキとコンクリートが敷き詰められ、さらにココスヤシやハイビスカスなどの南国を思わせる花木も植栽されています。すぐ近くにはカフェやレストランもあり、ハーバービューも楽しめるおしゃれ休憩スポットの誕生です。
▲白いボートが映えます
映えスポットはまだあります。次は、1887年から商いを続ける酒屋「土藤商店」さんです。
▲明治から続いています!
当時の蔵造りを今に残す商家で、お酒をメインにお土産に喜ばれるものを厳選して販売されています。今回は、店の向かい側に位置する「蔵ギャラリー」を見学しました。
▲知らないビール名も
蔵は無料開放していて、昔それぞれの酒蔵からいただいた木製やホーローの看板などが当時のまま、ずらりと並んでいます。
▲ちょっとした博物館のよう
その他にも大福帳、手動瓶詰め機、番傘、明治時代の教科書なども展示されているので、レトロな空間を満喫できますよ。
▲秀逸なデザインは時代を越えますね
▲今でも売れそうなデザイン
▲使いたいと思う道具は昔の物の方が多いですね
▲昭和の公衆電話
▼土藤商店
http://tsuchito-izushimoda.cocolog-nifty.com/
また、土藤商店さんの北側壁に掲げられている清酒の大型ホーロー看板もレトロな雰囲気を楽しめると以前から人気スポットでしたが、こちらもポケットパークとして生まれ変わりました。その名も「大工町プレイス」です。
▲なまこ壁を彷彿とさせます
敷地を囲う腰壁には、2014年に解体された同市の旧南豆製氷所の伊豆石が使用されているそうです。デッキやテーブルチェアも黒で統一されたシックな雰囲気で、周辺の散策途中で休憩できる落ち着いたスペースです。
▲無料開放されています
また、スマホひとつで伊豆の旅が完結できるようなサポートサービス「Izuko」のサービスのひとつである「Izukoくろふね号」の停留所にもなっています。
▲このマークが目印!
下田エリア限定ではありますが、設定された停留所間の中で好きな発着地を指定して移動できる相乗り型のオンデマンド交通です。伊豆への旅の際にはぜひ「Izuko」も利用してみてはいかがでしょうか。
なまこ壁スポットの再登場です!
▲下田情緒を醸し出しています
「安直楼」さんは、お吉が晩年小料理屋を開業したところです。お吉没後は、お寿司屋さんとして営業していましたが、現在は下田市の歴史建造物(史跡)でペリーロードからほど近い場所に建っています。なまこ壁が映える美しい建物は、明治期のもので、2階には当時の客間やお吉の遺品などが展示されています。
▲お吉の没後はすし店に
ところで「なまこ壁」とは、土蔵などに用いられる日本伝統の壁塗りの様式のひとつです。壁面に平瓦を並べて貼り、瓦の目地(継ぎ目)に漆喰を蒲鉾形に盛り付けて塗る工法によるもので、目地の盛り上がった形がなまこに似ている事からその名が付きました。倉敷や広島酒蔵通りなども有名ですが、やはりここ下田のなまこ壁が一番知られているのではないでしょうか。
次のスポットへは「ペリーロード」を通って向かいました。
▲幕末の雰囲気を想像しながら散策
ペリーロードは、ペリー提督一行が条約の締結後も細かな取り決めをするために、その交渉場所となった「了仙寺」まで通った道であり、歴史的なスポットです。
▲平滑川
平滑川に沿って続く石畳の道ですが、江戸末期以降大正時代から存在する建物が並び、風情ある景観をつくり出しています。
▲街並みにミニベロが似合う
ここでもなまこ壁や伊豆石などが見られます。また、おしゃれなカフェや雑貨店も増えてきています。フォトジェニックな散策を楽しめますよ。
▼ペリーロード
http://www.shimoda-city.info/tourism/perryroad.html
民間異文化交流始まりの地
「了仙寺」へ到着しました。日蓮宗のお寺で、日米和親条約の取り決めをするのに使用された場所として歴史にも刻まれています。
▲了仙寺の寺紋は三つ葉葵
▲10日間にわたる協議の末、日米下田条約が結ばれる
参道はペリーロードからそのままつながっていて、境内へとスムーズに辿り着けます。
▲ペリー提督一行が行進してきた参道
花の寺でもあり、5月頃には、境内から参道にかけて数百株のアメリカジャスミンが植えられています。
また、隣接するミュージアム「MoBS」では、3千点を超える黒船・開国の実物資料が所蔵展示されていて、よく教科書やテレビで見る黒船やペリーの絵は、了仙寺さんからの提供だそうです。またひとつ、歴史を学べるスポットを知りました。
▲黒船・開国の日本最大のコレクション
▼MoBS
http://www.mobskurofune.com/
下田のお土産を買いに、蔵造りの外観が素敵な「ロロ黒船」さんに立ち寄りました。
▲お菓子の玉手箱です!
こちらは下田らしい特別な和菓子に出逢えるお店です。というのも、従来の和菓子の素材に洋のテイストを加えることで開国のまち下田を表現しているそうです。また、センスを感じるパッケージも見どころの1つです。なかには、下田在住の画家が描いた絵のパッケージもあるのだとか。
▲アーモンドクッキーに和三盆糖をまぶしています、止まらなくなります
しかし、自分の手で生み出したものを自分の見える範囲できちんと扱いたいというこだわりもあって、地方発送などを一切せず、ロロ黒船さんのお菓子は下田のこの店舗でしか買えません。
▲下田らしさを感じたくなったら、ぜひロロ黒船さんへ
▼ロロ黒船
https://www.lolo-kurofune.com/
▲おまけ スルガ銀行下田支店はロロ黒船さんの向かいにあります
ランチと共に「伊豆の自慢プリン」を
ランチには、少し足を延ばして、洋菓子屋「フォンテーヌ」さんへ。
▲食パンがすごい勢いで売れていました
焼きたてのパンにケーキが大人気の洋菓子店ですが、店内奥で食べられる本格的なお料理を目当てにランチで訪れる方も多く、また夜にはワインに合うお食事が楽しめます。
▲テラスもあります
▲フードメニューも豊富
今回は日替わりランチを注文し、15品目もの野菜を使ったサラダとクロックムッシュ、カレーとキッシュの2種類のプレートをいただきました。どれも美味しく、とくに付け合わせのピクルスは唐辛子のピリ辛で絶品でした。
▲クロックムッシュプレート
▲カレーとキッシュのプレート
▲いただきます!
そして、こちらのプリンも「伊豆の自慢プリン」のひとつです。昔ながらのしっかり固めなプリンもぜひお試しください。
▲プリンは別腹ですね
▼伊豆の自慢プリン
https://diglu.jp/ijp/
ペリー提督も感嘆した美しい下田
最後のスポットは「寝姿山」です。こちらへは伊豆急下田駅のすぐ近くにある「下田ロープウェイ」に乗って向かいます。
▲伊豆急下田駅のすぐ横です
ロイヤルブルーの美しいゴンドラは2019年8月にリニューアルしたばかりです。伊豆の観光列車「THE ROYAL EXPRESS」のイメージに合わせた色味で、内装も天然木を使用した装いに統一されています。ちなみに、山頂に新たにオープンしたカフェ「THE ROYAL HOUSE」も装いを揃えています。
▲ロゴマークも「THE ROYAL EXPRESS」と共通です
「THE ROYAL EXPRESS」のデザインは、クルーズトレイン「ななつ星in九州」などを手掛けたデザイナー・水戸岡鋭治氏によるものです。
▲下田の街が一望できます
▼下田ロープウェイ
http://www.ropeway.co.jp/
▼THE ROYAL EXPRESS
https://www.the-royalexpress.jp/
山頂に到着するとまず見えてくるのは、華やかなエントランスの「THE ROYAL HOUSE」さんです。
▲2019年8月にオープンしました
▲「THE ROYAL HOUSE」店長の宮嶋さんとご一緒に
店内は天然木をふんだんに使用した内装で、さらに組子細工の美しい仕切やインテリアで優雅な空間が広がっています。
▲天然木のぬくもりで落ち着きます
▲組子細工の間仕切りやシェードが圧巻です
▲こちらも水戸岡鋭治氏によるディレクションです
▲テラスからは下田湾や伊豆諸島が一望できます
今回はこだわりのスイーツとコーヒーを注文し、特等席でラグジュアリーな時間を過ごしました。
▲ふわふわは正義です
▲ニューヨークチーズケーキも絶品
▲コーヒー豆はコーヒーハンター川島良彰氏の「ミカフェート」さんのもの
▼THE ROYAL HOUSE
https://www.the-royalexpress.jp/news/20190828_2824/
優雅なカフェタイムを過ごした後は、「寝姿山」の散策です。
▲下田湾が美しい
山頂は遊歩道になっていて、展望台や記念館に縁結びスポットなど見どころ満載です。
▲幕末にはこの場所から黒船を見張っていました
また、四季折々の花を見ながら散策できるのもポイント。訪れた頃はリトルエンジェルという花が美しく咲いていました。このように見どころはたくさんあるのですが、一番はやはり下田湾と伊豆諸島を一望できるこの景観でしょうか。
▲下田湾を見ながら黒船が来航した幕末に思いを馳せました
日没間際の訪問でしたが、この時間まで伊豆諸島が見えるのは珍しいそうです。しっかりと目に焼き付けて帰りました。
▲ペリーが感嘆したという桜の時期も見てみたいですね
▲下田富士と西伊豆方面
▼寝姿山自然公園
http://www.ropeway.co.jp/
以上で冬の下田を巡る旅は終了です。想像以上の大人旅コースでした。新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着いたら、ぜひ伊豆急に乗って下田散策にお越しください。
Information
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