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【ふじぽたEp5《宮ぽた×ふじぽた 広域サイクリング!標高0mからの挑戦。富士山五合目へ》】 SURUGA Cycle Journal Vol.175

今回は、富士宮市さんとのコラボ企画「宮ぽた」と、富士市さんとのコラボ企画「ふじぽた」の豪華な共同チャレンジ企画です!

※2023年11月10日(金)から、富士宮口五合目に通じる富士山スカイラインが冬季閉鎖されています。開通は例年4月中旬ごろになります。詳細は静岡県の公式ホームページをご覧ください。

▼富士山の登山ルート情報

挑戦するコースは「0 to 2400 富士山ライジングロード」です!標高0m(富士市)から標高2,400m(富士山富士宮口五合目)を結ぶ、総距離約90kmの上級者向けのコースです。

▼ 0 to 2400 富士山ライジングロード

https://camel3.com/cms/files/fujisan-kkb/MASTER/0120/PPUelUgg.pdf

▼今回走ったコースはこちら

チャレンジャーは富士宮市職員の寺田さん(左)と、富士市職員の濱村さん(右)です。2人で富士市・富士宮市を跨ぐ広域のヒルクライムコースにチャレンジします。

スタート地点は標高0m付近にある「富士市サイクルステーション(ふじクル)」です。こちらでE-BIKEをレンタルします。

ふじクルで貸し出しているE-BIKEは、MTBタイプのE-MTBと、ミニベロタイプの2種類があります。今回は力強い走りが魅力のE-MTBを使用します。スペアバッテリーをサポートカーに積載し、途中でスペアバッテリーと交換する作戦です!

「車体はできるだけ軽いほうがいい」というのがヒルクライムの定石ですが、今回は車重23kgのE-MTBであえてのチャレンジ!未舗装路も走れる重量級のE-MTBでヒルクライムをやっちゃいます。太いタイヤで安定感は抜群。果たして富士山五合目まで上れるのか!?チャレンジ企画のスタートです。

スタート後はしばらく富士市の市街地を走ります。大通りは交通量が多いので、裏道を駆使して安全に走りましょう。約5km走ったところで、目の前に美しい茶畑が見えてきました。

ヒルクライム中の2人に「茶畑で写真撮りたいですー!」と、声をかけて写真撮影。

走ってきた方向を振り返ると、富士市の街があんなに遠くに…駿河湾と伊豆半島もよく見えます。必死にペダルを漕いでいると気が付かないのですが、ふと立ち止まって辺りの景色を見ると「もうこんな高いところまで上ってきたのか!」と、驚きます。

雲に覆われていた富士山も少しだけ顔を覗かせてくれました。目指す場所が見えると更にやる気がアップします!E-MTBの操作にもだいぶ慣れてきました。上り坂もパワフルにアシストしてくれるので、2人ともまだまだ体力に余裕あり。どんどん行きましょう!

茶畑のエリアを越えて、木漏れ日が心地良い森林ゾーンに突入しました!ほとんど車が通らないので、まるで森の中に迷い込んだようです。

舗装道路なので細いタイヤの自転車でも走れますが、小枝や落ち葉・路面の穴や亀裂には注意が必要です。

今回はグリップ力の強いタイヤのE-MTBなので、路面状況は気にせず安心して走れました。

写真では伝わりにくいので、2人の走っている姿を動画でご覧ください。楽々走っているようにも見えますが、電動アシスト付き自転車だからこその余裕です。上りが辛いと、つい下ばかり見てしまいます。アシスト力と安定感のあるE-MTBなら、周りの景色を楽しみながら走ることができます。

森林ゾーンを抜けた後は、「大渕公園」に立ち寄ってトイレ休憩&補給タイムです。スタートのふじクルからここまで約10kmです。この先はコンビニや自販機がないので、途中で補給食や水分の調達をしておきましょう。

大渕公園から約2.5kmで「林道大渕線」に突入します。ここからいよいよ本格的に山の中へ入っていきます。緑豊かな自然の中を走っていると、冒険みたいでワクワクしますね。日常生活ではなかなか目にしない景色と出会えますよ。

林道大渕線は、富士市が設定した「富士山登山ルート3776」コースの一部にもなっています。

▼富士山登山ルート3776

海抜0mから富士山頂(標高3,776m)を目指す、全長約42kmの登山ルートです。挑戦達成証の発行や、挑戦達成バッジがもらえるスタンプラリーもあります。興味のある方はチェックしてみてください。ちなみに、公式サイトによると徒歩でチャレンジする場合の推奨日程は3泊4日とのことです。五合目まで自転車での挑戦もできます。

水色の旗が目印です。大きな荷物を背負って、42kmの道のりを一歩一歩進んでいくんですね。自分の足でたどり着いた先には、どんな景色が待っているんでしょうか。

ルート上にある可愛い道路ペイントにも注目してみてください。富士市の街中にもありますよ。

我々は文明の力のE-MTBをフル活用して、標高2,400mの富士宮口五合目を目指してひた走ります。

美しい富士ヒノキに囲まれた道は木陰が多く、直射日光を避けて気持ちよく走ることができます。

林道と聞くと、「道が狭い・砂利道・自転車で走るのは辛そう...」といったイメージがあるかもしれませんが、林道大渕線は綺麗に整備された舗装路です。タイヤがスムーズに転がり、路面状況が良く走りやすい!とはいえ富士山麓の山道なので勾配はきついです。平均勾配は7.7%です。距離4.7kmで高低差350mを一気に駆け上がります。

2人とも体力温存のためか黙々と走っていましたが、カメラを向けると笑顔で応えてくれました。まだまだ余裕がありそうです。

交通量は少ない道ですが、見通しの悪いカーブは対向車の存在を意識して、安全第一で走行していきます。

林道大渕線の終点には、「富士山登山ルート3776」の中継点があります。登山にチャレンジしている方を見かけたらぜひ応援しましょう!

ここまでをまとめると、走行距離19km、獲得標高950m、所要時間は2時間30分。次の休憩スポットの「ふれあいの森パーキング」まではあと9kmです。

「やっと休める!」やや疲れが見え始めてきた2人は、富士ヒノキで作られたベンチに腰かけて休憩します。じわじわと前ももに疲労が溜まってきました。

MTBのポジションだと前傾姿勢が取りにくいので、どうしても前ももを酷使してしまいます。休憩しながら先に進みましょう。

林道大渕線を抜け、T字路を左に曲がると「広域基幹林道富士山麓線」に入ります。T字路手前にある富士山型の可愛い看板をお見逃しなく!

曲がった先にも大きな看板があるので「富士宮市」方面に進めばOKです。ここからしばらくは細かなアップダウンが続きます。

平日ということもあり、 二車線道路ですがほとんど車が通りません。見通しがいい直線区間もあり、青空がよく見えて気持ちがいいです。

広域基幹林道富士山麓線の途中で富士宮市に突入しました。市境はちょうど標高1,000m付近です。「富士宮市」の看板前で止まって写真撮影しようと思っていましたが、2人とも必死にペダルを漕いでいたので声をかけるのはやめておきました。

青々とした草木と強い日差し、そして半袖姿の寺田さんを見ていると真夏のようですが、撮影したのは夏の登山シーズン終了後の9月中旬です。道の両脇に生い茂るススキが秋の訪れを感じさせてくれました。

市境から約4.5km進むと、富士山スカイライン(静岡県道180号)に突き当たります。突き当りのT字路を鋭角に右折します。特に案内表示がないので、間違えて左折しないように注意してください!左折すると富士宮市内まで下ってしまいます。不安な場合は、分岐の手前で地図を再確認しましょう。

富士山スカイラインも緑豊かで気持ちのいい道です。週末は交通量が多くなるので、安全には十分に注意して走行してください。

富士宮口五合目まで19kmの表示を発見しました!富士山を走っている実感が湧いてきました。

次の休憩ポイントの「ふれあいの森林パーキング」まで残り2kmを切ったところで、寺田さんのE-MTBがバッテリー切れでアシストOFFになってしまいました!アシストなしの状態でも走ることは可能ですが、上り坂で車重23kgのE-MTBは重たくてかなりのパワーが必要…。ということでサポートカーの登場です!

スペアバッテリーと交換して寺田さんニッコリ。次の休憩ポイントまであと少しなので、もしかしてアシストなしで走るのかな…と不安だったようです。今回はチャレンジ企画なので無理せず楽しんで走りました!

気を取り直して再出発!お昼前に「ふれあいの森林パーキング」に到着しました。こちらで30分ほど昼食&トイレ休憩を挟みます。食料と水分は途中のコンビニで調達しておきました。

スタートしてから約27km、所要時間は3時間30分です。想定よりも時間がかかりましたが、ここまで大きなトラブルなしです。

腰の痛みを気にしながら走っていた濱村さんが心配でしたが、休憩したら調子を取り戻したようでホッとしました。自転車で長時間同じ姿勢・動きを続けていると、体の同じ箇所に負荷がかかります。休憩時に軽くストレッチをして体をほぐしておくと、凝り固まった体が少し楽になります。

念のため濱村さんのE-MTBもバッテリー交換して(残量は半分以上ありました)、2人ともほぼフル充電の状態で午後の部スタートです!

ふれあいの森林パーキングから約4km地点の「富士山スカイライン料金所跡」を通過し、マイカー規制区間に入ります。料金所跡手前には“五合目まで残り13km”の表示が出ていました。2人とも「この調子なら案外いけちゃうかも!」と、まだまだ元気です。

ここからいよいよ本格的なヒルクライムが始まります!撮影は9月中旬に行ったので、今季のマイカー規制は終了していましたが、登山シーズン終了後の平日ということもあり、車が少なくて走りに集中できました。

※マイカー規制期間は毎年異なりますので、静岡県のホームページからご確認ください。(2023年は7月10日から9月10日まで実施)

▼令和5年度 富士山マイカー規制

序盤は緩やかな上りが続きます。料金所跡から約3kmで二合目に到着しました。

二合目には駐車場、公衆トイレやベンチがあります。貴重な休憩ポイントなので立ち寄りましょう。この先は五合目までトイレがないのでご注意ください!気温は18℃。運動していれば半袖でちょうどいいぐらいでした。

ちなみに、「○合目」というのは、富士山を十合枡(ます)として捉え、頂上までの位置(目安)を示しているんだとか(諸説あり)。登山口によって標高もバラバラです。次は三合目を目指して、先に進みましょう。

走りながら周りを見渡してみると、苔に覆われた森に光が差し込み、幻想的な光景が広がっていました。空気も美味しく感じます。

直線区間で前方に少しだけ富士山の姿が見えました!一気にモチベーションアップ。

雲の流れが速く、数秒後には目の前が真っ白になりました。一瞬で景色が変わってしまうので、チャンスを逃さないようにしましょう。その時、その場所でしか見られない景色があります。

少しだけでも富士山の山頂が見えてラッキー!2人ともニコニコです。

見通しのいい直線区間を越えると、ヘアピンカーブの連続する九十九(つづら)折りが始まります。くねくね道がいつまで続くんだろうか…と心折れそうになりますが、残りの距離を確認しつつ適度に休憩しながら進みます。

五合目まで残り約5kmの地点にある、「七曲り駐車場」のベンチでひと休みします。

カメラを向けると笑顔の2人ですが、だいぶ疲労が溜まってきています。疲れた時は集中力・判断力が鈍くなり、怪我や事故に繋がってしまいます。無理せず安全に止まれる場所で休んでくださいね。

この先は五合目までの大きな距離表示が出るので、残りの距離をカウントダウンしながらいきましょう!

五合目まで残り約5kmの表示を通過してから、400mほど進むと三合目の看板があります。とうとう標高2,000mに到達しました。標高0mからスタートしているので、ここまで距離約40kmで獲得標高2,000mという驚異的な数字です。

正直、電動アシストでなければ途中で断念してしまう可能性が高いです。特別なトレーニングをしていない人でも、ここまで上れるE-MTBのパワーは素晴らしいですね。とはいえ、ペダルを漕がなければ進まないので、ある程度の体力は必要です!2人ともランニングなど日常的に運動されているそうです。

そしてここで寺田さんのE-MTBが電池切れになり、再びサポートカーの登場です。素早い作業であっという間にバッテリー交換完了!

止まったタイミングでストレッチをしましょう。ひたすら前だけ見て走るのもいいですが、時にはプチ休憩も必要です。

元気に再出発!

そして五合目まで残り4kmの地点までやってきました。もうあっという間に五合目に着くのでは!…と思いきや、ヒルクライムの残り4kmは長いんですよね。約10km/hで走っているので、単純計算すると4kmは24分かかります。

そして相変わらず濃い霧で下界の景色は見えず、心を無にしてひたすらペダルを漕ぐ時間が続きます。2人とも立ち漕ぎをする頻度が増えてきました。

さらに霧も濃くなってきて、なんだか雨が降りそう…果たして五合目まで無事にたどり着けるのでしょうか!?

霧の中を淡々と走り、残り3km…残り2kmの表示を通過して順調に五合目に近づいてきました。終わりが見えてきたので2人の表情も明るいです。

そして残り約1.5kmあたりに四合目の看板があります。標高2,300m…これは山梨県側の富士スバルライン五合目と同じ標高です。

富士山山頂へ至る4つの登山口のうち、最も高い位置にあるのが富士宮口五合目(標高2,400m)なのです!そこに標高0mから自転車で上ったら、話のネタになること間違いなしです。みんなに自慢しましょう。

ちなみに、五合目の標高が高い順に並べると以下のとおりです。
①富士宮口(2,400m)
②富士スバルライン(2,300m)
③須走口(2,000m)
④御殿場口(1,450m)

▼富士登山オフィシャルサイト(登山口と登山ルート)

五合目まであと少し!最後の2人の勇姿を動画でご覧ください。2人とも喜びが溢れてニコニコで走っています。E-MTBは安定感があるので、勾配がきつい上りのインコーナーで手も振れちゃいます。

そしてついにゴール!!富士宮口五合目に辿り着きました。登山道の入り口で勝利のポーズです。「やったー!」という声が聞こえてきそうな、素晴らしい笑顔のいい写真です。

朝8時半にふじクルを出発し、14時半に富士宮口五合目に到着しました。標高2,400mまで車重23kgのE-MTBで上り切りました。疲労感はあるものの、達成感で満ち溢れています!

さて、ここから来た道を戻ることになりますが、長い下りは体が冷えるので冬の装備でいきます。下界は真っ白なので安全運転で出発!

富士宮口五合目から45kmのダウンヒル。下りは楽だと思いきや…路面状況の確認や、斜度に応じたブレーキの調整でかなり集中力を使います。太いタイヤとどっしりとした車体のE-MTBは、安定感抜群で安心して走れました。途中で少しだけ雨に降られましたが、怪我も事故もなく無事ふじクルに到着しました!

総距離90km、所要時間は8時間でした。標高0mから標高2,400mを結ぶ「0 to 2400 富士山ライジングロード」を走るチャレンジ企画はこれにて完結です。

面白そう、走ってみたい!という方は、ぜひ挑戦してみてください。ライトに楽しみたい方は、富士山スカイライン料金所跡近くにある、「ふれあいの森林パーキング」からのスタートがおすすめです。

ふれあいの森林パーキング発着で、富士宮口五合目までE-BIKEで行ってみた、過去の「宮ぽた」チャレンジ企画の記事もぜひご覧ください。

それでは、次のチャレンジ企画もお楽しみに!

【Information 1】
▼富士市
https://www.city.fuji.shizuoka.jp/

▼富士宮市
http://www.city.fujinomiya.lg.jp

▼富士市サイクルステーション(ふじクル)
https://fuji-cycling.com/

▼富士エリアサイクリングガイド
https://www.fujisan-kkb.jp/cycle/

▼富士山登山ルート3776
https://route3776.jp/

▼富士山富士宮口五合目(富士宮市)
http://www.city.fujinomiya.lg.jp/sp/fujisan/visuf8000001e42l.html

【Information 2】
富士市×スルガ銀行 「ふじぽた」
https://note.com/surugabank_road/m/m90f8093a7855

富士宮市×スルガ銀行 「宮ぽた」
https://note.com/surugabank_road/m/ma24df8f8f195

【Information 3】
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