【宮ぽた ep4《アクティビティ盛りだくさんの芝川と秘境を冒険!の稲子へ》】SURUGA Cycle Journal Vol.81
富士宮市さんとのコラボ企画「宮ぽた」。
E-BIKEのまち富士宮を、気ままにポタリングします。
4回目は稲子(いなこ)エリアを訪れました。
富士宮市を縦に流れる稲子川に寄り添うように広がる、自然豊かな稲子エリア。
川だけでなく七滝や棚田など、いくつもの美しい原風景を楽しめます。
さらにはあちこちでバーベキューなどのアウトドア体験もでき、これらを大自然の中で満喫できるのです。
そんな稲子を案内してくれる富士宮市の職員さんは、服部さん(男性)と有田さん(女性)です。
同じ課に所属する先輩後輩コンビのおふたりは、どちらも癒し系スマイルの持ち主。
稲子の雰囲気にもぴったりマッチしておりました。
自転車は宮ぽたでおなじみの、富士宮市観光協会さんの運営するE-BIKEに乗ってスタートです。今回もオフロードタイプをお借りしました。
スタート地点は「新稲子川温泉 ユー・トリオ」さんから。
柚野につながる国道469号線と稲子川が交差する場所に位置する、日帰り温泉施設です。
硫黄泉と塩化物泉の2つの泉質をもつ稲子川温泉は、特に地元の方を中心に人気があります。
食事処も併設されていて、1日中くつろげることでしょう。
敷地内には、さらにバーベキュー設備や遊具も充実しているのもポイントです。
稲子川での川遊びやバーベキューを楽しんだあと、温泉に入っていく方も多いとか。
さらに、こちらでもE-BIKEのレンタルサービスが始まるという、うれしいお知らせも。
訪れたときはまだ準備中。
レンタルできるようになったら、稲子に訪れる人がさらに増えそうですね。
こちらの坂は稲子と柚野をつなぐ国道469号線、「桜峠」です。
峠と付くのですからそれはそれは険しく…というのは言い過ぎかもしれませんが、道幅が狭いことで知られています。
春には500本もの桜が咲き誇り、ピンク色に染まった美しい景色が楽しめます。
峠道もE-BIKEならスイスイ上れますし、稲子と柚野を楽しんで行き来できそうですね。
(宮ぽた柚野編はこちらから▼)
次のスポットへ行く途中に吊り橋を発見したので、寄り道をすることに。
「地蔵堂つり橋」です。
稲子川にはいくつもの吊り橋がかかっていますが、中には、渡るのをちょっとためらう橋もしばしば…。
こちらの橋もどうやらスリルを味わえそうです。
それにしても、良い景色ですね。
今回のメインスポット「天子の七滝」の入口までやって来ました。
「あまこ」と読むのかと思っていたら正解は「てんし」だと教えていただきました。
てんしの七滝、なんだか可愛いですね。
こちらの滝郡は稲子川の源流に点在し、「静岡県のみずべ100選」にも選ばれています。
「静岡県のみずべ100選」とは、
県民によって推薦された公募約1400件、750か所の中から100の「みずべ」が選出されていて、景観が優れていたり自然が豊かであること、地域の暮らしと関わりが深い場所や歴史や文化に富む、などによるポイントで選定されたとホームページには記載がありました。
すぐそばには上稲子遊歩道というハイキングコースもあるのですが、数年前の台風の被害を受け、現在は実質的に廃道のような状態となっています。
今回は林道を通って、下流の滝から順番にあがって見ていこうと思います。
まずは、入口付近で樹々や苔の緑と川の透明度を見て楽しみました。
それでは天子の七滝を見に行きましょう。
まず見えてくるのは「清涼の滝」です。落差は15mほど。
遊歩道からであれば全貌がもう少し見えるそうで、林道からは木に隠れがちです。
次の「観音の滝」は落差が30mほどあり、七滝の中で一番の落差といわれています。
3つ目「不動の滝」については、遊歩道からでないと見られない位置にあるため拝見できませんでした。
どうやら遊歩道の再開を待つしかなさそうです…。
気を取り直して次に行きましょう!
4つ目「丸渕の滝」は川の中にあります。
七滝の中でもっとも落差の低い滝ですが、川の水量そのものが滝となっているので流れは豪快ですね。
「しずくの滝」「瀬戸の滝」は林道側にあるため、間近で見られました。
マイナスイオンを直に感じることができます。
最後の滝「魚止の滝」だけは少し離れた場所に位置していて、2kmほど進むと滝への遊歩道の入口に到着できます。
そしてさらに20分ほど荒れた遊歩道を進んでようやくたどり着けるそうです。
今回は残念ながら見ることができませんでしたが、全部で5本の滝を堪能できました。
また、七滝だけでなく宿泊施設「天子荘天カラハウス」さんやオープンガーデンもありますので、そちらも合わせて楽しめそうです。
(「天子荘天カラハウス」さんは要予約制です。ご利用の際はお電話でご予約をお願いいたします!
お問い合わせ: 090-3250-4115
担当:後藤さま)
天子の七滝を満喫した後は、ランチスポットまで下り一直線です。
が、その途中に面白スポットも点在しているので2か所ほど寄り道しました。
まずは「稲子観音」へ。
こちらはかつて浄泉寺という日蓮宗のお寺があった場所で、廃寺となった今も石造物や歴代住職のお墓が残されています。
屋外にもかかわらずピカピカに輝いている観音さまの姿に驚きました。
続いて次のスポットへ。
棚田の真ん中に稲子地区を見下ろすように立っているお墓は、「平維盛(これもり)の墓」と伝えられています。
平清盛の嫡孫として生まれた平維盛は、治承・寿永の乱で敗北し入水自殺したとされていますが、一方では、生き逃れ人里離れて暮らしたという落人伝説も残っています。
稲子地区は落人伝説のある地域として全国的にも有名です。
平家と関わりの強い柚野山延命寺や、「平家窪」とよばれる地もあることから所縁の地であることに変わりはなく、毎年旧暦8月1日には供養祭が行
われています。
▲日々お墓を見守っている、地主の佐野さんと一緒に
また、こちらの美しい棚田は県下38市町村から推薦された107地区の棚田などの中から、国土保全、農山村景観、歴史的文化価値などに優れる棚田などを10地区選定した「静岡県棚田等十選」にも選定されているんです。
「〇〇選」に2か所も選ばれている稲子エリア、大自然の豊かさが維持されている証ですね。
▲周辺を稲で囲まれて、まさに秘境感満載!
(田畑に踏み込まないよう、気をつけてくださいね。)
お待ちかねのランチタイムはそば処「平七」さんにおじゃましました。
スタート地点の「新稲子川温泉ユー・トリオ」さんにも近いことから、温泉でくつろいだ後おそばを食べに来る方も多いそうです。
店名の由来は、平成七年にオープンしたことから。分かりやすくてナイスです。
名物の「天ざるそば」と「天ざるうどん」を注文したおふたり。
旬の野菜を中心とした6種類の天ぷらに、さらに野菜の煮物など田舎料理の小鉢と漬物などが一緒に出てきてボリューム満点です。
おそばもおうどんも手打ちで、ツルツルでコシの強い麺と美味しい天ぷらを存分に楽しみました。
(個人的にはミョウガのお漬物にもハマってしまいました…)
平七さんでお腹いっぱいになった後は、元気に川遊びです。
富士宮市内を流れる水はどこへ行っても澄んでいて、稲子川の水もとても綺麗ですね。
そのまま川に沿って坂を下っていると、次のスポット「ロッヂ稲子川」さんが見えてきました。
こちらはバーベキューだけでなくカラオケも楽しめるスポットになっています。
また、川のほとりまで下りられるようになっているのでこちらでも川遊びを堪能してしまいました。
対岸には梅林が広がっています。
稲子エリアは梅の名所でもあるのをご存知でしたか?
梅の見頃に訪れるのもいいかもしれません。
さぁ、ゴールまであと少し!
またもや吊り橋を堪能し、稲子川の美しさに見入ってしまいました。
本当に水が綺麗なんですよね。写真からも水の透明度が伝わるといいのですが…。
そしてこの吊り橋の先に次のスポット、「山之神地之神(やまのかみちのかみ)」が祀られる白い鳥居と祠のようなものがあります。
"山之神地之神"は山に関連する生業を祈願するために祀られたといわれています。
鳥居をくぐると空気が変わるのを感じました。
最後のスポット、「稲子駅」に到着しました。
JR身延線の駅で、単線かつ無人駅になっています。
電車が通過しないかと撮影隊一同期待して待ってみましたが、時すでに遅し…
ちょうど通過後だったようです。
踏切と線路だけですが、雰囲気を楽しみました。
富士宮に工場があるアサヒ飲料さんのお茶と炭酸水で喉を潤し、駅のすぐ近くにかかる「稲子川橋」で川のせせらぎを聞きながら疲れを癒やしたのでした。
8月に訪れた稲子編は以上となります。
大自然の豊かさを満喫し、マイナスイオン感じるサイクリングとなりました。
次回もお楽しみに!