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幸せな美容師になる方法 0話 プロローグ

はじめまして、ヤマモトです。

いきなりですが、私は『不幸せな美容師』でした。

私は約30年前、滋賀で某有名サロンのカット講習を受講しました。

そのときの衝撃をいまだに覚えています。

『上手い! カッコイイ! ここしかない!!』

この3拍子は私を突き動かし、次の日にはそのサロンに電話をしていました。

『アシスタント募集してますか?(関西訛り)』

『募集してますよ。いつ来れますか?』

『す、すぐ行きます!』

私は深夜バスに乗り込み、一路東京表参道へ。

『はい、山本さんね。あっ、中間生?今のサロンで頑張れば?』

『え? 今のサロン? はいぃ??』

撃沈。

10秒。 

滋賀からわざわざ東京まで来たのに10秒…。

やることはないし、ていうか東京なんてぜんぜんわからないのでとりあえず帰りのバス乗り場の池袋に行き、出発の時間には早すぎるので屋台へ。

『この心を癒すのは酒しかないので呑ませていただけませんか?』

『準備中だけど呑むだけならいいよ』

16時からバスの出発時間の24時まで呑み続けました。

『兄ちゃん、そのでっけぇカバンでどうした?』

『そうか、面接落ちたのか?ここは俺がおごってやるから呑めよ!』

『くそ〜、東京、あったかいなぁ〜(涙)』

泥酔で夜行バスへ。

数日後

『はは〜ん、さてはまだ滋賀のサロンで働いているのが気に入らないのだな。ようし、東京に出ようじゃないか!』と今から考えると勘違いにもほどがある答えを導き出してしまいます。

一年後

渋谷のエイブルにて…

『ぼくは滋賀の田舎者で住みたい街などわかりませんのでとにかく表参道に30分で通える範囲で安いアパートをみつくろってください』 

そして、祖師ヶ谷大蔵へ引っ越し。

そして、面接リベンジへ。

『アシスタント募集してますか?』
『してますよいつ来れますか?』

面接。

『あっ、経験者?うちは新卒しかとらないから』
『え? 新卒? はいぃぃ??』

また撃沈。
また10秒。 

撃沈って簡単に言ったけど、今回は東京まで出てきてしまった。

『新卒しかとらねぇなら、はじめから言えよ!!』

こうして、某有名サロンに憧れた男は『不幸な美容師』の道を突き進むのであります。

『くっくっく、あきらめるのはまだ早い!某有名サロン出身のオーナーを捜してやるぜ!』

ここまできたら意地です。

『某有名サロンならアートディレクターのアシスタントなんて何年かかるかわからないよ!独立した人ならアシスタントに付きやすいし、距離も近いはず。 まだまだチャンスはあるじゃないか!』

あきらめの悪い私は、元某有名サロンのアートダィレクターまで上り詰めた方のサロンを捜し出し、入社。

しかし、初日から…。

初日の歓迎会で、社長(先生)に『あなたはホモですか?』との暴言を吐き、皮靴で頭を殴られてしまう。

今思えば、不幸せの原因は間違いなく私にあります。

『給料減らせばいいだろ事件』
『モデルハント失踪事件』
『タクシー事故事件』 
『頭8針事件』 
『ホームでマウント、4対2事件』
『お前といると胃癌になるよ事件』 
『スタッフルームの修羅場事件』 
『飯食う暇あったら仕事見ろ事件』

不幸な事件はまだまだあります。

この辺の事件につきましては、またゆっくり酒でも呑みながらお話します。

1番の不幸はこれ。

『性格破綻!ザル事件』

『おい、山本、◯◯(サロン名)ではお前みたいな奴をなんて呼ぶか知ってるか?ザルっつーんだよ、ザッ、ルッッ!』

これが性格を破綻しかねない恐怖の『ザル事件』です。

新規をやっても、やっても客がリピートしないのです。

そう、水をザルですくうがごとき所作。

よって、ザル。

ザル事件から今年で20年。

ザルと言われ続けた男はアシスタントを1年でスタイリストにし、もう1年で指名客を100人にさせる仕組みを作りました。

誰もがストレスなく働けるサロンの仕組みを作りました。

階段を一歩づつあがっていくような給与システムを作りました。

それはなぜか?

それはザルと言われ続けても、鬱っぽくなりながらも歩むことを止めず、一歩一歩前を向いてきたからです。

あきらめの悪かったあの日の男は、リピートしない毎日をあきらめていました。

客を付けるためにすべてのことをやりました。

それでも客は帰っては来ませんでした。

新規をやるのが怖いとさえ思いました。

先生のお客の髪型をそっくりそのまま新規のお客の髪型にしました。

そうです、年配のような髪型にしてしまったこともありました。

お客を喜ばせるわけでもなく先生の目を気にして仕事をしていました。

そんなある日、私は美容師を辞める決意をしました。

『もうダメだ。手を尽くした。この山本、美容人生に一片の悔いはなし…』

『まてよ…どうせ辞めるなら霊能者に視てもらってからスッキリ辞めようじゃないか。手を尽くしたと言うが霊の仕業かも知れないじゃないか!』

そこで、先生がお客さん(芸能人)から紹介されていた横浜の霊能者に、誰にも言わず向かうのでございます。

霊能者『辞める?辞めなくてよろしい。あなたはこれからたくさんの人を救うから』

私『おいおい霊能者さん。あなたは聞いていたのか僕の話を!客がつかないのです、客が。何度も言わせないでよ、恥ずかしいんだから』

霊能者『まずはその鎧をぬぎなさい』

私『鎧?あ、それより先祖の霊や自縛霊はついてませんか?仕事の邪魔をする邪悪な霊が…』

霊能者『霊はついていません(ニコニコ)』

霊の仕業じゃないと。

山本、鎧を脱げと。

『そうかい、そうかい。こうなりゃやけくそだ。どうせ客がつかないなら一言もしゃべらず、自分がやりたい髪型だけやってやろうじゃないか。なにが接客だ、なにがカウンセリングだ、つかないんだよ、僕にはお客が。やってやりますよ、心のままにやってやろうじゃないの!』

この開き直りから、私はお客をつけるということがどういうことかが解かっていくのです。

リピートさせるコツはこれからお話しします。

私はお客がつきませんでした。

でもつけることができました。

だから私は断言します。

『どんな人にもお客はつきます』

『どんな人でも幸せになれます』 

これからリピートさせるコツやカット練習のコツなどの記事を書いていきます。

ご興味がある方はぜひチェックをお願いします♪

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