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デンマーク王族が眠るロスキレ大聖堂

コペンハーゲンから西に向かうと古都ロスキレがある。スカンジナビア最古の都市の一つであり、ヴァイキングの重要な拠点、10世紀から1443年までデンマークの首都ととても歴史的にも重要な街。そんな街に世界遺産でもあるロスキレ大聖堂がどっしりと構えている。コペンハーゲンからも電車で25分で着くので気軽に行けるのもありとてもおすすめのスポット。

大聖堂の建物

この大聖堂の始まりには諸説がある。伝説では10世紀にハーラル1世”青歯王”が木造の教会を建てられたと言われている。その後アブサロン大司教の命のもとに100年ほどかけて今の形になる。アブサロンさん自身、政治家や軍人という色々な顔があり、コペンハーゲンの生みの親としても国民に広く知られている。闘う大司教で政治家とはどこかのゲームで出てきそうな勇者を凌ぐほどのチート人物。

中央祭壇にある棺の一つ。


1000年の歴史もあると分からないことが出てくる。この大聖堂には歴代のデンマーク国王・王女が合計39人眠っているが、一番最初に埋葬されたと言われるハーラル1世の墓がどこにいるのかが分かっていない。中央の祭壇の一つがハーラル1世に捧げられているのだが、実際に埋葬されたと言う考古学的証拠が見つかっていない。近年の研究を持ってしても正確なことは言えないがこれはこれでロマンがあって面白い。

現女王がお亡くなりなった時に使われることになるチャペルの壁画。15世紀に描かれたもの。

この大聖堂もともとが今の形であったと言うわけではなく、増築に増築を重ねてる内に巨大な大聖堂が完成してしまった。スペースが足りないと亡くなった王・王妃の為に新しいチャペルを作るこの繰り返し。

現・女王のマグレーテ2世がお亡くられになった時のチャペルは既に確保してあり15世紀の壁画に覆われて中世の世界の雰囲気が漂う。歴代の国王・王女の棺のデザインは一つ一つ違い、個性が楽しめる。ちなみにマグレーテ2世の棺のデザインは一般公開されておりますので興味がおありでしたら是非調べてみてください、とてもユニークですので。

王の棺の一つ。

お墓に観光しに行くというのも変な話ですが、眠っている王・女王の事を一人一人調べていくとデンマークの歴史を知ることにもなります。デンマークを色々回っていますがここは少し時間をかけて楽しみたい場所です。

祭壇中心にある椅子。何百年と使われていたと思うと感慨深い。
所々におじさんの顔が柱に描かれており中々面白い。

撮影機材:
カメラ:ライカm10R
レンズ:フォクトレンダーアポランター50mm

ちなみにこの記事はもう少し写真の趣旨を変えたものを自分のブログでもお届けしています。ぜひ読んでみてください。


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