Epicツイストパドル
パドル、どれもが同じではない
水に働きかけて、推進力をつくり出す。それがパドリングです。
目的は一つですが、パドリングに対する姿勢、スタイルによってパドルにも様々な形状があります。
幅広、細身、短い、長い、平たい、スプーン型、、、
それぞれに、どのような性能があり、長所があるか、ご存知でしょうか?
ブレードの断面3種類
ブレードを横にカットしてみると、主に3つの断面形状があります。
フラット:文字通り、水をキャッチする側が真っ平。安いパドルはほとんどこの断面形状です。
デヒドラル:中央に盛り上がりがある断面形状。パドルが水中を移動する際に、水流を左右に流して整える効果が。
スクープ:カップ型にカールした断面形状。がっちり水を掴めます。
ブレードの面形状
主要なトレンドは、3種類。
棒状:直線的な形状。アリュートなどが使ったとされるグリーンランドパドルなどは、この形状。
楕円:ほとんどのパドルは、全体的に丸みを帯びた楕円形状。
雫型:先端側の幅が広く、シャフト側が絞られたシズク型。
レーシング用ウィングパドル
スピードを競うパドルレースでは、時代と共に効率よく最大の推進力を得る理論や技術が進化を続けてきました。
80年代にウィングパドルが発明された当初は、両端のエッジが平行な楕円形状。ストロークの距離が長く、よりカヤックに近いラインを漕ぐのに適しています。
そこから、徐々にシャフト側が絞られ、先端部分にブレード面積の中心が寄せられた雫型(ティア・ドロップ)に進化。キャッチの効率性を高め、パドルが一気に水を噛むことが実現。これによって、ストロークも短くなりました。
形状の進化は、ブレードのヒネりにも見られます。
従来は、水を長い時間と距離に渡って掴み続けることが重視されたので、ヒネりはなく、スプーン形状そのものでした。
雫型にブレード形状が進化し、強力なキャッチと短いストロークが標準的なテクニックになるのと連動し、ブレードのヒネりも大きくなってきました。最大の効果は、リリースがスムースになり、ストロークの軌跡もハの字で外に向かって流れていき、全身のローテーション動作との一体感が高まることです。
Greg Bartonによるパドル・デザイン
Epic創設者のGreg Bartonは、パドルの進化にも大きな役割を果たしてきました。
スプーン形状のウィングパドルを、より効率的でパワフルなパドル技術と連動させながら、より洗練された形状、すなわちツイストしたティアドロップ型へと進化させてきたのです。
かつては、長いシャフト、巨大なブレードを、力づくで引くことで、大量の水を動かす、というのがレーシング・パドラーのスピードの根源と考えられてきました。
ところが、様々な研究が進む中で、パドルが水を掴む仕組みが明らかにされてきたのです。それは、ブレードがキャッチの瞬間に水中に差し込まれることで、飛行機の翼のような揚力を生み出す、ということ。
優秀なパドラーは、「パドルがロックされる」という感覚を持っています。最適な動作でブレードが水に入ると、その瞬間に水が固体になったかのようにガッチリとパドルを固定するのです。
これこそが、ブレードが前方に対して生み出している揚力の働き。スムーズで完璧なキャッチ動作は、ブレードを進行方向に強く引っ張る揚力を生み出しているのです。
この状態をより簡単につくり出すのが、ティアドロップ形状。そしてキャッチでつくり出された推進力を殺すことなく、スムーズにリリースするのがツイスト形状。
限界への挑戦
Greg Barton率いるEpicのデザインチームは、世界中のトップパドラーと協力しながら、パドル形状をどこまで極端に攻められるか、数年間のテストを繰り返してきました。単なるコンピュータ状のシミュレーションでなく、様々な体格やスキルのパドラーが、あらゆるコンディション化で実際にパドリングし、その中から共通性の高い最適解を見出してきました。
その結果、ついに2023年末、リリースされたのが最新のツイスト・シリーズ。
コンディションが日々変化する外洋パドリング。そんな中で、どんな状況でも最適なキャッチを繰り返すことが、快適・快速パドリングの秘訣。とにかくキャッチを外さないEpic Mid Twistパドル。
これからのスタンダードです!