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トルコ語で話したい私 魔法の言葉と大好きな言葉「anne」
Merhaba!(こんにちは!)
北マケドニアの首都、スコピエからsurf anneです🥰
私の日課のひとつ、それはトルコ語の勉強。
日々継続してきたトルコ語のDuolingoも、気づけばもうすぐ200日目に突入します。
昨年トルコへ移住してからこれまで、ずーっとトルコで暮らしていたわけではなく、放浪好きで遊牧民みたいな夫と愛するインコのサーフと一緒に、
現在は色んな国を周遊中です。
トルコにいない間は、トルコ語なんて通じないし覚える必要ないんじゃないの?
と思われるかもしれませんが、それはちょっと違います。
私には、トルコ語を覚えなければいけない理由があるのです。
そして何より、私はトルコ語が好きなのです。
だから私はトルコ語を忘れるわけにはいかない
私がトルコ語を覚えたい理由のひとつ、それはトルコ人の友人ノルタンと、ノルタンの夫メフメットとのこと。
二人のことを再度紹介すると、
私たちのアパート1階にあるテナントでピラフ屋さんを経営している夫婦で、これまでも今現在もとても蜜な付き合いをさせていただいています。
二人との交流については書ききれないので、
以前の記事を参照ください。
そんな二人は英語が話せません。
そして二人は、私たちがどの国にいようが10日に1回くらいの頻度でビデオ通話で連絡をくれます。
もちろん、すべてトルコ語で。
ビデオ通話だからGoogle翻訳にいちいち頼っていることはできません。
トルコ語でないと大好きな二人と会話ができないのです。
トルコに移住してからずっと、私のトルコ語の一番の先生はノルタンでした。
ノルタンとは、ピラフ屋さんの定休日日曜日を除いて、毎日話します。
(電話が大好きなトルコ人なので、日曜日でも「今なにしてるの~?」とビデオ通話がかかってきたりしますが 笑)
トルコ語を身につけるため、最初の頃は1階にあるノルタンのお店へ行く時は、自分の”トルコ語ノート”とペン持っていき、
分からない言葉、覚えたい言葉はなんでもメモしてその意味や発音をノルタンに教えてもらいました。
時にはノルタンにトルコ語で書き込んでもらったり。
こうして過ごしていくうちに、それは私のトルコ語辞書みたいになっています。
出かける時もそのトルコ語ノートは必ずバッグに入れていきます。
他の友人や出会ったトルコ人に話しかけられた時に、その辞書を見ながらトルコ語を使ってみたり言葉を書き足したり。
家では暇な時ににそのノートを見返して復習する日々。
そんなふうにして身につけていった私のトルコ語。
日本にいた頃一人で取り組んでいた学習法は、
日々の通勤電車の中でテキストを読んだり、毎日とにかくトルコ語に触れることを意識するくらいの、ゆるいもの。
そんな勉強では、当たり前だけど話す機会もないから全然身についていませんでした。
それがトルコへ引っ越し、ノルタンたちと毎日トルコ語を使うようになると、身につき方の加速がもの凄く、いかに実用が重要なのかを痛いほど感じることとなりました。
夫婦二人だけのコミュニティで毎日過ごしてたら、いくら毎日勉強していてもおそらく成長しなかったはず。
単語は覚えても、実際のトルコ人との会話では聞き取れない、話せない、では全く意味がありません。
私たちはトルコ人の友人たちに恵まれ、毎日トルコ語を使う必要があったことがとても大きいと思っています。
どこの国にいようが、毎日Duolingo
そんな中Duolingoを始めたきっかけは、今年1月からの3ヶ月間のジョージア短期滞在でした。
なぜなら、これまでのようにノルタンからトルコ語を教えてもらえなくなるから。
トルコへ帰った時に、トルコを離れている間にトルコ語を忘れてしまったの?とノルタンや友人たちを悲しませたくなかったから。
そしてトルコ語に触れていないと、大好きなノルタンや友人たちがどこか遠くに感じてしまう気がして寂しいから。
どの国で暮らそうが、移動日だろうが、一日も欠かさず続けています。
その甲斐あって、トルコを離れていてもトルコ語を忘れることがないどころか、より成長を感じることできました。
すごい!Duolingo✨
3ヶ月ぶりにジョージアからトルコへ帰った際も、
「ノルタン、私はジョージアにいても毎日トルコ語を勉強していたよ」
と伝えると、
「うん、うん、分かるわ。ヨーコのトルコ語は成長しているね。
チョクギュゼル(とても上手)よ!」
と褒めてくれました。
夫は私よりもトルコ語に対する意欲が薄いので、
何でもストレートに言ってくる夫のメフメットには
「〇〇(夫の名前)も、ヨーコみたいにもっとトルコ語を話しなさい!」
と言われています。
夫は少ししゅん..となっていたけど(笑)、
よくぞ言ってくれたメフメット!
と、夫の前では表に出さなかったけれど内心すごく嬉しかった!!
トルコ語を話せればトルコでの生活ストレスがなくなるし不便なことも減ります。
だけど、ただストレスを減らすためだけにトルコ語を勉強しているのではないということに、トルコを離れてみて初めて気づくこともできました。
私がトルコ語を話せるようになりたい!という原動力になっているのは彼女たちの存在がとっても大きいのです。
英語では味気ない
他の国で生活していると、挨拶は「Hello」もしくは「Ciao」
分かれる時は「Bye bye」「See you!」など。
それでいいのかもしれないけれど、トルコ語を日常的に使うようになってから、私にはなんだか味気なくて寂しい言葉に感じてしまいます。
トルコを初めて離れてジョージアへ行った時は、「Merhaba!」が言えなくて、ただそれだけで本当に悲しくてホームシックになるほどでした。
私的には、
「Hello」や「Ciao」ではなく、
「Merhaba!」の方が明るい感じがして好きで、
「Bye bye」「See you!」ではなく、
「Görüşürüz ギョルシュルズ」の方がまた会おう!っていう気持ちが強い感じがして、
「Thank you」ではなく、
「Tesekkurler テシェキュレール 」の方が相手への心がこもっている気がする。
うまく言えないけれど、全てがなんだかあったかい。
「How are you?」
「I’m good」 のやり取りよりも、
「Nasılsın? / ナスルスン?」
「İyiyim. Teşekkür ederim イイイム テシェッキュル エデリム」
の方が好き。
トルコで暮らしていると、外国人だから
英語を話せるトルコ人は「How are you?」と尋ねてくるけれど、
私は、「İyiyim. Teşekkür ederim」と答えます。
そうすると、たったそのやり取りだけで「ブラボー!」と大袈裟なくらい喜んでくれるのがとても嬉しい。
愛国心がとっても強いトルコ人は、トルコ語で挨拶しただけで、そんなに喜ぶか?っていうくらいびっくりするほど喜んでは褒めまくってくれます。
意外と使えるトルコ語
以前1ヶ月半滞在していたボスニアや、ここ北マケドニアもかつてオスマン帝国だった関係でトルコとの繋がりが深く、色々なところでトルコ語がたまに聞こえてきます。
オールドバザールへ行くとトルコ人経営のお店も多く、そこではお会計も全てトルコ語で言われます。
だからそこでもトルコ語が活かされるし、トルコ人旅行者も多いためレストランやボートツアーでご一緒になったトルコ人旅行者とお友達になり連絡先を交換したり。
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トルコが少し懐かしくなる…
ジョージアでも、トルコ語を話せる人が意外と多く、
「あなたは日本語以外に何語が話せるの?」
と聞かれることが多かったですが、
「英語と、あと、、トルコ語も少し話せます」
と答えると、そこでも喜ばれてジョージア人との距離感がぐっと縮まったり。
ノルタンと毎日勉強したトルコ語が意外なところで活きてくる。
それもまた、勉強していて良かったと心から思える瞬間の一つです。
今でも私は、他の国へ行っても咄嗟に返事する際は
「Yes!」ではなく、「Evet!」が自然に出てくるほどです。
必死で覚えたトルコ語
トルコでは英語が話せない人が結構多く、
特に、地元のパザール(トルコ語で市場)では、英語もほとんど通じなければ、お会計は口頭でのやりとりが基本。
野菜の値段も、全てに表示されているわけではなく、表示のない野菜は農家の出品者の方に尋ねる必要があります。
私が大好きなローカルロカンタでも、レジもないからオーナーが口頭でお会計を伝えてきます。
だからトルコ語の数字が理解できないと、パザールでの買い物やロカンタでの支払いがスムーズにできません。
最初の頃はそのことがストレスで、値段が分からないまま買ったり多めにお金を渡してお釣りをもらったり。
そうすると、パザールでは値段が分からないまま野菜を購入したことで、隣のお店の方が安かった…後悔..となることもあったし、レストランやロカンタでも本当はぼったくられたのかな…なんて不安になったりしていました。
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そんな経験をするたびに、自分ががとっても情けなくて仕方ありませんでした。
数字の言い方なんて通勤電車で繰り返し覚えて暗記してきたつもりだったのに、実際耳にするトルコ人の数字の発音は全くと言っていいほど聞き取れなかったのです。
だから必死で実技トレーニングをして覚えました。
ノルタンのお店で夕飯を買う時のお会計は、少し英語が話せる次男のミラーチ(学校帰りに手伝いにやってくる)がいつも英語で数字を伝えてくれていました。
例えば、お会計が230リラだとしたら
「Two hundred thirty」
と伝えてくれるミラーチ。
そこで私は、ちょっと待ってね!と言い、
頑張ってそれをトルコ語に訳してトルコ語で言います。
「イキユズ オトゥズ」
すると、「タマーム、タマーム、チョクギュゼル!」
(そうよ!合っているわ、とても上手ね!)
と笑顔のノルタン。
毎日のようにそんなやり取りを繰り返し。
近所の商店での買い物でも同じことをしました。
そこでいつも店番をしているのは高校生くらいの息子さんで、
息子さんは、私が外国人だから電卓で値段を提示してくれるけれど、
そこも、ちょっと待ってね!
と頑張ってトルコ語に訳してトルコ語で言ってみる。
すると息子さんはニコッと笑顔で、「エベット!(正解)」と言ってくれます。
慣れてくると、私を試すように息子さんは電卓は出さずに口頭で値段を言ってきました。
「どうだ?分かるか!?」と良い意味で私を試すような表情で。
そこで私は、しばし考えピッタリのお金を出す。
そうすると「お~覚えてきたね~!」みたいな表情でニコニコしてくれる。
そんなやりとりがお互い楽しくなり、始めはクールな対応しかしてくれなかった年ごろの息子さんとも打ち解けることができました。
そうした協力もあり、今では数字をすっかり理解できるようになった私。
パザールでの買い物もロカンタでの食事も、何倍も楽しめるようになりました。
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トルコ語が少しずつ分かるようになってから、通うのがもっと楽しくなった
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こういう所も英語は厳しい
トルコ語にしかないあったかい言葉
私の中では、英語とトルコ語の意味合いははイコールではないと感じています。
「いただきます」や「もったいない」など、英語にはない日本語があるように、
トルコ語にだって英語には訳せない意味合いの言葉があるように思います。
その中でも私が好きなトルコ語、
「Elinize sağlık エリニゼ サールク」
「あなたの(右)手が健康でありますように」という意味です。
日本での「ごちそうさまでした」
のシーンで使う言葉で、初めてその言葉を教えてもらった時、なんて素敵な言葉なんだろう…と思いました。
作ってくれた人の手に感謝し、健康を祈るなんて…
作り手に感謝する言葉が日常的に使われていることに、トルコ人のあたたかさを感じました。
レストランなどでも、帰り際にその言葉を言うと、
「Tesekkurler テシェキュレール 」と、
そこでも驚くくらいとても嬉しそうに喜んでくれます。
魔法のことば「クシャダスンダ、ヤシュヨルム」
私たち夫婦には、ノルタンとメフメットの他にも恩人といえるトルコ人の友人がいます。
彼は学生時代、トルコの大学で日本語を勉強していて、トルコ国内の日本語弁論大会で入賞した経験があります。
彼とは縁あってクシャダスで出逢い、書ききれないほど今でも沢山助けてもらっています。
私たちとは日本語で話しますが、彼は日本とトルコ、両方の文化的側面を理解しているからこその視点でトルコ語を教えてくれています。
そんな彼が、私たちに最初に教えてくれた言葉があります。
「〇○(夫の名前)さんとヨーコさんは、歩いているととっても目立ちます。
なぜなら外国人だからです。
トルコ人は皆いいひとですが、中には悪いひともいます。
だまそうと寄ってくる人もいるでしょう。
そんな時は、こう言ってください。
「Kuşadası'nda yaşıyorum クシャダスンダ、ヤシュヨルム」
これは、「私は、クシャダスに住んでいます」
という意味です。
そうすると、ツーリストじゃないと思ってそれ以上しつこくしてこないし、だまそうと思いません。
だからまずは、この言葉を覚えてください」
へ~、、私たちってやっぱりそんなに目立つんだぁ…トルコも怖い人がいるんだねぇ…と、軽い感じで覚えた言葉。
しかし思っていた以上に、その言葉が持つ力は偉大でした。
それ以来、私たちにとってこの言葉は、悪者を払いのける呪文みたいな魔法の言葉になっています。
オールドパザールで革製品屋やトルコ絨毯屋のしつこい勧誘に合った時、
放つ言葉は、「クシャダスンダ、ヤシュヨルム!」
タクシーでぼったくられそうな危機を感じた時も、
「クシャダスンダ、ヤシュヨルム!」
観光地のレストランで、観光客価格のお会計を請求されさそうになったら、
その時も放つ言葉は、「クシャダスンダ、ヤシュヨルム!」
その言葉を聞いた相手は、
まるで本当に呪文が効いたかのように、不思議なくらい態度を変えます。
勧誘もぼったくることもやめて、
それどころか、「Oh~!ヤシュヨルスン!?(住んでいるの?)」
「ギュゼル、ギュゼル!」と褒めてくれたり、
時には、「クシャダスへ住んでくれてありがとう!」と感謝されたり。
イスタンブールのパザールなどでの勧誘のしつこさはこんなもんじゃないので、
旅行に訪れる方は、イスタンブールバージョンをぜひ使ってみてもいいかもしれませんね。
「anne」と呼ばれたい私
ここnoteのクリエイター名に使っている
「anne アンネ」(トルコ語でお母さん)
トルコでは、外を歩いていたり、スーパーでの買い物中、公園で、家にいても、どこからか
「アンネ~!」という言葉が聞こえてきます。
子供がお母さんを呼んでいるのです。
初めてその呼び声を耳にした時から、私はその響きすべてがとっても気に入ってしまいました。
「アンネ~!」という響き、イントネーション、
文章では上手く表現できず残念ですが、語尾を上げてお母さんを呼ぶ感じ。
そして”アンネ”という言葉にこのイントネーションが調和された感じがとってもあったかくて可愛らしいのです。
日本では子供が成長するとともに、「ママ」、「お母さん」、「おふくろ」などと呼び名が進化していく傾向にありますが、トルコではそれがありません。
身体中にタトゥー&ヒゲもじゃな一見強面の大柄なトルコ人男性ですら、
お母さんのことは、「アンネ~!」と呼びます。
人前でも構わず、「アンネ~!」です。
初めてその姿を目にした時、なんかすごくいいなぁ..って思いました。
私はそこでもやはり、英語の「mommy」や「mom」などの呼び方よりも、あったかさを感じます。
トルコ国外を周遊中も、スーパーなどで「アンネ~!」と聞こえてくると、
あっ、この親子はトルコ人なんだ!ってすぐに分かります。
耳にしただけでなんだか胸があったかくなる言葉、「anne」
私の大好きなトルコ語の一つです。
そして私も、ずっとサーフの「anne アンネ」でいたいのです。
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私たちはあと一週間ほどで、サーフと一緒にトルコへ帰国します。
「何日にクシャダスへ帰ってくるの?
もうすぐ会えるのね。
帰ったらまた皆でマンガル(バーベキュー)しようね!」
と先日もビデオ通話で連絡をくれた、嬉しそうなノルタン。
Duolingoもいいけれど、やっぱり彼女たちから学ぶトルコ語に勝るものはありません。
またノルタンにいっぱい褒めてもらいたいから、少しでもトルコ語の復習をしてからトルコへ帰ろうと思います。
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