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【録音・MIXにおける最適な気温】と音速について考える
-自己紹介-
こんにちは、はじめまして。フリーランスRecordingEngineerのTsutae Keijiと申します!
日々の日常で音について思うこと、調べたこと、書いていきます!
あらすじ
気温と音速は少なからず、精神面やMIX・録音に影響を与えます。
どのような関係があるのか、個人的に調べました。
・音速とは
”音速(おんそく)”とは、音波が媒質を通じて伝わる速度のことを指します
「まって、どういうこと?音波ってなに?媒質ってなに?」
と思うかもしれません。
これらの用語をさらに掘り下げてみると…
音波(おんぱ)とは、物質の媒質(気体、液体、固体)を通じて伝わる圧力の変動(振動)。
音波(おんぱ)= 圧力の変動(振動)
媒質=(気体、液体、固体)
なるほど。
つまり、音波は”気体や液体、固体に伝わる”空気の振動”と考えればいいのね!
・簡単に、音波=”空気の振動”
では、最初に戻って音速ってのは、、
簡単に”空気の振動が伝わる速度”だね!ってことがわかりました。
音速=”空気の振動が伝わる速度”音速とは、音が伝わる速さのことです。
ちなみに、
音速は、主に気温、湿度、気圧、および媒質の種類に依存するらしいです。音速は液体や固体でも異なる値を持ちます。
・気温と音速の関係
先ほども触れましたが、
音速は気温によって変わります!
音速が高温で速く、低温で遅くなるという特性があります。
これは、音波が空気分子を通過する際のエネルギーと運動に依存しているためです。
気温が1°C上昇するごとに音速は約0.6 m/s増加します!
例えば、気温が20°Cのとき、音速は次のように計算できます。
音速=331.5 (空気中の音速)+ 0.6m/s × 20度(気温)=343.5m/s
気温が20°Cのとき、1秒ごとに343.5メートル音が進みます。
※この関係は、特に標準大気圧下での乾燥空気に対して正確です。
・湿度が音速に与える影響
湿度が0%から100%に増加することで、音速は約3 m/s増加します。
正直、計算は難しいで知りたい方は調べてください(笑)
湿度の影響は気温と比べると小さいですが、精密な音速の計算には無視できない要素です。
湿潤空気(湿度100%):約346.2 m/s
乾燥空気(湿度0%):約343.2 m/s
湿度が高いほど音速は速くなります。水中の方が音速は速いです!
これは、水蒸気の分子量が窒素や酸素よりも軽いためです。
しかし、
個人的としては基本的にスタジオで湿度が高いからって良いことはありません。
機材にとっては、ノイズの発生と壊れる原因にもなりますし。
カビの原因にもなります。
ただし、乾燥した空気が苦手な歌手やナレーターの喉の負担になるようであれば、これは無視はできません。
・録音・MIXに最適な室内の気温
結論から書きます!
最適な室内の気温は状況によって変わります!
汗かくような演奏・演技の録音であれば、録音・MIX・編集に集中できるように考慮しなければなりません。
クライアント様から「部屋が寒すぎる、暑すぎる」のスタジオ不満があっててしまっては元もこうもありません。
ですが、ヒントになるような事を少しでも書けたらいいなと思います。
なぜなら、気温が上がるほど、音速は増加しますからね(笑)
先ほどは、気温が20°Cのとき、1秒ごとに343.5メートル音が進む事がわかりました。
では、スタジオの室内の気温が24℃、湿度0%のときは、、、
・音速=331.5 (空気中の音速)+ 0.6m/s × 24度(気温)=345.9m/s
・湿度0%気温24℃は気温20℃の時よりも2.4m/sぶん、音が速く耳に到達する
・湿度0%気温28℃の場合は気温20℃の時よりも4.8m/sぶん、音が速く耳に到達する。
「これがスタジオ録音・MIXと何の関係あるの?」と思った方
音がスピーカーから耳に到達するまでの時間(伝搬遅延時間)は少なからずMIXや録音に影響を与えます。
少しでも改善できないかなと思いまして、スピーカーの性能・チューニング、ルームアコースティック以外に気温・湿度での改善の可能性を調べました。
・伝搬遅延時間の計算
音速 vと距離d を使って伝搬遅延時間tを計算する公式は次の通りです:
t=d÷v
tは伝搬遅延時間(秒、s)
dは伝播する距離(メートル、m)
vは音速(メートル毎秒、m/s)
簡単な目安
気温が20度の時、音速が約343 m/sであるため、1メートルあたりの音の伝播時間は約0.00292s(秒)です。これは約2.92ms(ミリ秒)です。
t(秒)=1m÷343m/s=0.0029154518950437317秒
ちなみに機材の1176のFETコンプレッサーはアタック最速は20μs(マイクロ秒)=0.02msです(はやい笑)
1メートル:約2.92ms(ミリ秒)
10メートル:約29.2ms
100メートル:約292ms
さいごに
気になったことまとめたら、
数字の多い硬い記事になってしまいました。すみません。
すこしでも需要があればと思います。
次回は”民生機と業務機器の基準レベル”についておさらい、復習します。
それでは。
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