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マカッサル出張で感じた驚愕の「異国感」 

割引あり

こんにちは。

インドネシアのジャカルタとスラバヤでTOKYO BELLEという
マツエク、脱毛、フェイシャルのサービスを提供する美容サロン(もうすぐ8店舗)を運営しながら、
スラバヤへの日本企業の進出・誘致活動「スラバヤ研究所」を行なっている田口弘樹です。

普段はインドネシアの第二都市「スラバヤ」に在住していますが、
先日、1泊2日でインドネシアで7番目に人口の多いマカッサルに出張に行ってきました。

■期間:2023年9月29日(金)〜9月30日(土)
■目的:TOKYO BELLEとしてマカッサルのモール(Trans Studio Mall Makassar)からオファーをもらったためその視察

実は、4年前である2019年2月に3日間訪れたことがあります。
その際は、ものすごい可能性を感じましたが、今回は、また全然違った感想を持ちました。

1泊2日でしたが、現地の人にインタビューもたくさんでき、
またモールもしっかり回れたのでマカッサルを深く知ることができました。

■旅程
<モール視察>
Trans Studio Mall(以下TSM): 滞在合計10時間
Nipah Mall : 滞在2時間
Mal Panakkukang : 滞在1時間

<面談・インタビュー>
・TSMのモールマネジメントAさん
・現地ビジネスオーナーBさん
・現地ビジネスオーナーCさん
・Go Carドライバー5名
・ショッピングモールのテナント従業員4名

<美容サロン競合調査>
・マツエク/ネイルサロンE社:訪問・ヒアリング
・マツエク/ネイルサロンF社:訪問・ヒアリング
・医療美容クリニックI社:施術・訪問・ヒアリング


マカッサルでビジネスをしていく上でキーになるであろう
■人種・文化・雇用
■商習慣・消費行動特性
■モール・商業施設の情報(TSMの家賃等も含む)
比較的深いところまで聞き出し、見ることができました。

なので、私のnote初の試みとなる有料版の記事を始めて投稿してみたいと思います。
田口が1泊2日のマカッサル出張で仕入れたインプットにご関心のある方、
もしくは出張お疲れ様という労いをしてくださる心優しい方に
記事を購入していただけると嬉しいです!


マカッサルの概要

■人口:約140万人(インドネシア第7位) - 広島市や仙台市より多い
■面積:176㎢
■地域:スラウィシ島の南スラウェシ州
■人種:大別するとマカッサル人、ブギス人、華僑(チャイニーズ)

・中国とオランダとの交易で栄える
・インドネシアの4大港湾の一つであり、国家開発の重要な拠点
ニッケル生産(国内No.1)や漁業が産業として強い
・ニッケルの生産に関しては、インドネシアの上場企業PT.Vale Indonesia
(旧PT.INCO = International Nickel Indonesia)が南スラウェシにに大きな拠点を設けている。
PT. Vale Indonesiaは住友金属鉱山とも深いつながりがあり、時価総額は±5,600億円、2023年6月決算は売上450億円、純利益100億円の企業。
・姉妹都市は北海道函館市

といった感じで、典型的な港町

少し話は脱線しますが、ニッケルといえば、現在世界的なEV需要の高まりを受けて注目を集めている金属の一つです。
ちょっと前にもインドネシアから中国へ500万トンのニッケルの違法輸出の疑いがあるとして、汚職撲滅委員会(KPK)が捜査を開始するというニュースが出ていましたね。


人種・人・雇用


人種

人種に関しては、上でも述べておりますが、もちろん皆インドネシア人ですが、大別すると3つが共存しています。
①マカッサル人
②ブギス人
③華僑(中華系)

マカッサル人、ブギス人共にイスラム教がマジョリティーではあるが、それぞれ違った言語を使っているとのことです。

マカッサル人はマカッサル語(Bahasa Makassar)
ブギス人はブギス語(Bahasa Bugis)

例えば、インドネシア語で「食べる」は " Makan "と言いますが、
マカッサル語では " ngandre " 
ブギス語では " Mandre "
と言うようで、マカッサル人はブギス語を、ブギス人はマカッサル語を完璧に理解できる人はそう多くないようです。

同じ宗教で同じ都市に住んでいる上、見た目でマカッサル人かブギス人か判断できない(本人達談)ため、
関係性が薄い人同士や大して重要な会話をしない場合は
「なんとなくこんな感じの話をしているんだろうな〜」といったニュアンスで話を進めることが多いらしいです。

そんなコミュニケーション方法で大丈夫ですか・・・と突っ込みたくなりましたが、これが昔からの風習のようです。

しっかりとコミュニケーションを取らなければならないシーンでは共通言語である「インドネシア語」を使うということでしたので安心はしました。


上記でマカッサル人、ブギス人、華僑が主な人種と大別しましたが、興味本位でそれぞれの「成功の定義」を聞いてみたところ非常に面白い回答が得られました(n = 3)。

簡潔に言うと
■マカッサル人&ブギス人=国の仕事に就く
■華僑=自分でビジネスを大きくして豊かになる

というものでした。

あくまでインタビューに基づく回答です。
(私見は入っておりません。)

もう少しブレイクダウンしていくと
■マカッサル人&ブギス人(マカッサル人談)
=国の仕事に就く
=一生安泰
+税金or民間企業資金から中抜きするチャンスがある
→お金持ちになれる

■華僑(華僑談)
=自分でビジネスを大きくして豊かになる
=新しいビジネスの種を探して育てる
+親族のビジネスを含むアセットを守りながら継承していく
→豊かになれる

というもので
「成功の定義」=「お金をたくさん稼ぐ」という目的は同じであるものの、
それを達成する「手段」が大きく違うということは興味深かったです。

*n数が3であることは再度強調させてください!


雇用

2023年のオフィシャルのデータでは、
マカッサルの最低賃金は月あたりRp3.513.982(約3万5000円)となっています。

しかし実際に従業員が受け取っている給与額はこの最低賃金よりも相当低いというのが実態でした。

勤続7年のとある美容サロンのスタッフは月の手取りがRp2,000,000(約2万円)で
内訳としては

・基本給:Rp1,500,000 (約1万5000円)
・コミッション:施術回数ベース+売上ベース

というものでした。

「コミッションをたくさん提供する代わりに頑張ってもらいたいというオーナー側の気持ちは理解できますが7年いるのに流石に・・・」と私が言うや否やそのオーナーは

「いや、これで7年間成り立っている、何が悪いんだ?」
と、一蹴されてしまいました。

日を変えて、オーナーがいない時にそのスタッフに給与面の現状について聞いてみると
「私の田舎であるスラウェシ島のPalopoという小さな町では本当に仕事がない。それに比べると随分いい待遇だからむしろハッピーです。」

との回答。

こういった現象は、雇用主が個人であれ大企業であれ、
インドネシアの各都市で起きているんだなと再認識できました。



商習慣・消費行動特性

外の世界を知らないOKBの台頭


マカッサルの人々の消費について語る上で欠かせないのが「OKBの台頭」とマカッサル在住の華僑のビジネスオーナーは教えてくれました。

OKB = Orang Kaya Baru 
直訳すると「新興のお金持ち」となり、
一般的に定義される富裕層のことを指すのではなく、
「可処分所得が増えてきている人たち」つまり「プチ成金」のようなイメージです。
*主にここではマカッサル人、ブギス人について述べていきます。

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