ソフトウェアと減損(前フリ)。
今日の銀行業務は、ソフトウェアの働きなしには成り立ちません。
数万件~数百万件に及ぶ預金・貸出金の入出金、利息計算を間違いなく行う基幹系とも呼ばれる巨大なホストから始まり、銀行勘定で保有する有価証券の記帳管理、インターネットバンキング、投資信託や生命保険の窓口販売の実行管理するソフトウェア。
金融商品のマーケットデータを取り込んで時価をはじくシステム。財務会計のデータを取り込んで加工し、バーゼル規制上のデータへ変換し自己資本比率をはじくためのソフトウェア。
怪しい資金の入出金を感知するマネロンや犯罪収益対策のソフトウェア。
思いつく限りで並べても、すごい数です。
どれも、安価なものではありません。
小規模なものでも数百万円ですし、大掛かりなものになれば数億円、数十億円の投資が必要になります。
それらは組み合わされて銀行業務に使用され、広い意味で収益獲得に貢献していくことになります。
昨日、みずほフィナンシャルグループが5,000億円にものぼる巨額のソフトウェアの減損処理を公表しました。
通常であれば、会計上、ソフトウェアは使用開始したときから5年間かけて償却されていきます。
1,000億円のソフトウェアであれば、200億円づつ定額で償却(費用化)されていくのです。
減損とは、期間案分せず、残っている簿価を一気にゼロまで切り下げしてしまうことです。差額は、特別損失となります。
このあたり、銀行の収益・費用構造の仕組みと、減損会計というちょっとテクニカルな会計処理の仕組みの両方を知らないと、なかなか理解できるものではありません。
ちょっと長くなりそうなので、本日は前フリです。
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