言葉による説得が効果を持つためには。
「話せばわかる」
「問答無用!」
などという、ちょっと昔の応答もありましたが。
言葉を尽くして懇切丁寧に説明すれば、きっと理解してもらえるという信念のようなものは、それなりに教育を受けてきた人間なら無意識に信じているものと思われます。
でも、言葉による説得が効力を持つ範囲というのはかなり狭くて、相手が共通の価値観を共有していて、話し手が用いる論理や用語の「正しさ」というものを予めわかっている場面でしか有効ではないのかな、と最近ようやく理解できてきました。
本心では納得していなくても、上下関係や権威、罰則を伴う組織の規則で縛られているから、いやいや従っているだけ。
そんな感じの場面が増えてきているようにも感じております。
その原因として、共通善などという大げさなものではありませんが、人々の間で広く信じられている共通の「正しさ」の範囲がずいぶんと狭くなっていることもあるのかもしれません。
社会分断が可視化されるSNSの世界の中だけではなく、どこを切っても同じ顔が出てくる金太郎飴のようだとその同質性の気持ち悪さが揶揄される日本の大企業の内部でも「話が通じない」。
意外にも同質性は崩れ、個々の人々は分子レベルで孤立して言っているのかも。
そんなことも感じております。
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