開店祝いの花輪〜岡崎市康生通り西 vol.9
*私の小学校1年から、小学校6年の1学期まで住んでいた岡崎の思い出です。
ひちやの和子ちゃん、確か苗字は永田ではなかったかな。
長屋を出るとすぐに、大きな古い木造のしっかりした建物の質屋さんがあって、そこに1つ年下の和子ちゃんが住んでいました。
近いから、和子ちゃんと遊ぶのが多かったかもしれない。
和子ちゃんは、まつ毛がたくさんあって、綺麗な目をしていた。
話すのが、すこしゆっくりだった。
和子ちゃんの家は正面から入ると、独特な匂いがした。古いにおい。古いものが置いてある匂い。そして重々しい感じ。天井も高く、おじさんは厳しい感じ。
その頃子供だったので、何の店なのかよくわからないでいた。
ただ、和子ちゃんちには大きなお座敷があって、ひな祭りとかこどもの日とかそういう行事の時に、私たち子供たちを集めて、お菓子を配ってくれました。
そのやり方が、独特で畳の上にシートを敷き、そこへいろんなお菓子を放り投げるのです。
それをみんなで、落ちてくるお菓子を拾うのです。もう、大騒ぎで。
和子ちゃんちの考えたのものだったのか、
昔からそーゆーお菓子をばらまくと言う風習があったのかはよくわかりませんが、夢中でした。
最後は、袋に入れて持ち帰ります。
これは、年中行事でした。
和子ちゃんちにお姉さんがいて、確か花嫁の時も2階からお菓子がばらまかれました。
かすかな記憶なんですが、お嫁に行くと言うと、お披露目みたいなのがあって、近所の人が集まり、玄関口で花嫁さんに挨拶をします。
そして2階からお菓子がばらまかれるのです。
これは、愛知県の風習ではないか、と。
あともう一つ思い出しました。
愛知県地域のことなのか、私の知る限りでは、岡崎も名古屋も、開店祝いのお花を貰う、いや、とってしまうのです。
どこかのお店が開店して、花輪が店頭に並びます。たとえば、パチンコ屋さん。
すると、生けてある生花をどんどんもらってちゃうのです。あっという間に。
並んで、配られる時もありますが、とにかくその日のうちに花はなくなります。
今度新しくどこどこが開店するよ、という情報が入ると、もうお花を貰う気満々になるわけです。
だから東京に来て、開店祝いの花輪の花がそのままあるのを見ると、不思議な気がしたものです。
今は、どうなんだろう。