Harley Davidson JD Vol19 色々と行ってみた思い出
100年前に設計されたバイク。普通では乗れない。
そんな想像をしている人が多いと思います。確かにオイルが循環して居なかったり、足でクラッチを切って手でシフトチェンジをして見たりと現代のバイクでは考えられない様な事が沢山有ります。
遠出する度に問題が起こったりするのも普通。でも走れます。調子良く走っている時には時にはこのまま何処にでも行けちゃうんでは無いか?そう感じさせる程十分にスピードも出ます。
もちろん法定速度の範疇で、たまにスピード違反も可能です(笑)。 しかし、法定速度を超えると急に楽しく無くなります。振動や壊れるリスク、ブレーキの性能、サスペンションが無い…などなど色んな事を踏まえてです。
そもそもなぜハーレー?しかもビンテージ?って言う理由が私には有ります。
所詮今の最新のバイクを乗りこなせる性能が自分には無い。(才能では無く性能です。大事なことは2度良います(笑))
目も反射神経も付いていけない上に、路上には危険がいっぱいだという事に気がつく歳になってしまったのです。人生はハイリスクハイリターンですが、そのスピードの向こう側のリターンは一般ライダーには無いと思うんですよね?もちろん楽しみ方は人の数だけあると思うし、自分の楽しい事は人が共感してくれる訳でもない。
しかしそのリスクを取って今の最新マシンの恩恵を受けたら免許の点数が幾らあっても足りないです。そんな事を思い始めたらそれまで興味の無かったハーレーの良さ、さらにそこからビンテージにはまって行ったのです。
もちろんビンテージを通り越してもう少しでアンティークになる我がJDはそのリスクを極力取り払ったとしても時々裏切ってくれます(笑)
そんな物が好きなんだからどうしようも無い。諦めて不自由を楽しみます。
さて、タイトルからまた脱線してきたので色々行って見た思い出を。
それは恒例のビンテージだけのアメリカ、ヨーロッパ製バイクの集まり。片道600キロの場所で開催されるので、さすがに厳しい。さらにその前日まで海外出張なのでビンテージ仲間の友人に我がJDを積んでもらって新潟まで来てもらう。スーツケースを持ち込んで走って帰りは2人で帰りましょう!
と言う流れで片道150キロ圏内程度でツーリングに行こう!って人様から見たら無謀な計画を立てます。
途中は端折って、さあ越後湯沢駅でバイクを下ろして栃木の山奥まで走ります。それでも十分にロングツーリング。
気心知れた友人と2人で走ります。とても調子良く走って良い気分!そんな時にまた急に裏切られます…。
いきなり前に進まなくなった。何というか、加速しなくなった。
まさかミッション??と思い路肩に寄せるとエンジンは普通…。これはもしやチェーンが外れた?と思いチェーンを見ても外れて居ません。
一旦エンジンを切って良く見ると、エンジンとミッションを繋いでいるプライマリーのチェーンが無さそう…。チェーンが切れたのか?という事で、いつもの感覚でバラして行きます。『チェーンの連結どうしようかな?』程度の呑気な感覚です。
路肩で工具を広げてプライマリーカバーを外します。するとそこには
信じられない光景がっ!(が○ンコファイトクラブ風)
何とエンジンスプロケットが無い…。(その衝撃写真は衝撃すぎて狼狽えていて写真を取っていないと言う失態)
ネジが緩んで外れた程度の軽傷を想像していたのに、なんだかちぎれ去っている…。私は一瞬現実逃避で思考回路が遮断されます。そこから一旦平常心に戻り、走ってきた道の端を徒歩で探します。
止まった場所は橋のちょっと手前で、もう少し行ったら橋なので落ちた部品が奈落の底に行っていてもおかしくないギリギリの場所でした。それでもこの広い道で部品を探すのは至難の業です。でも運は有る!路肩に沿って探せば何とかなるのか?
しばらく歩くと路肩に蛇がとぐろ巻いている!!と思いきやチェーンが落ちています。幸いチェーンは切れていません。
それから探すこと20分くらいだったでしょうか?
有りましたっ!
奇跡的にスプロケットだった物が転がっていました。
このJDを作成する時にエンジンスプロケットが入手出来なかったので師匠に汎用のスプロケットを加工して作ってもらった物ですが、溶接部分が外れてしまった様です。・・・困った。
そこでGoogleマップで近所に鐵工所がないか?の検索をしましたが、残念ながら有りません。しかも土曜日なのでお休みの可能性も高い。しかし車まで戻るにもここから1時間くらい戻らなければならない…。
そんな時に地図で言うとここは群馬県!
群馬県と言えば信頼出来るショップがあるでは無いですか!と言う事でNatural Steel Worksの田邊さんに電話してみます。ここはビンテージレースで活躍している技術がピカイチのショップです。ただ、店主が厳つい(笑)
でも、見た目の怖さとは反して片道1時間くらいの道のりを忙しいのに迎えに来てくれました。本当に感謝です。
ここはさすがプロフェッショナル。外れた溶接部分に切り欠きを入れて溶接が入り易くすると、歪みが出ない様チェックをしながら溶接をしてその後いらない部分を削ったりと丁寧な仕事をして貰います。
素人の私には関心する限り。これぞお金を払う価値のある仕事ですね。ちなみにその後も今まで色々と走り回りましたが、このスプロケットが壊れることは有りませんでした。
その後無事にキャンプに参加して、オイルは相変わらず漏れまくって、帰りのとんでもない山道では坂道発進に苦しめられ、渋滞ではオーバーヒートの恐怖に震えながらも無事ノートラブルで帰宅出来たのでした。
色々と行ってみた思い出と言う事でもう少しまとめて書こうと思いましたが、思い起こすと一つの旅がそれぞれ余りにも濃いので今日はココまで。
あ…肝心のミーティング風景も何も書かなかった…笑
ちゃんと楽しんだ思い出もせっかくなので下に写真にまとめておきました。
To be continued