ホンジュラス警察
俺の名前はエンツォ。エンツォ・ロドリゲス。
今年からホンジュラス警察に勤務している24歳のホンジュラス人さ。
スクールを卒業して数年間地元でフラフラしてた俺だったが、ある日とうとう厳格な祖父母に目をつけられちまった。
『何をやってるんだエンツォ!お前は警官になれ!』だとよ。
祖父母たちのゴリ押しには嫌気が差したが、街の有力者に賄賂まで払ったらしい。なんだかんだ俺のことを考えてくれてんだよな。それを知って折れたよ。
そんなこんなで警官になったはいいものの、安月給にクソみたいな業務の毎日で早くも辞めたくなってきてしまっている。
今の楽しみと言えば毎週金曜に仲間たちとやってる賭けフットサルぐらいのもんさ。
Prrrrrr….
おっと電話だ。これもさっき言ったクソみてぇな業務の一つさ。
エ「はい。ホンジュラス警察です。事件ですか?事故ですか?」
?「事件です・・・。いや、ある意味事故とも言えます。」
エ「それは一体どういうことなんだ?具体的に教えてくれ。」
?「はい。先週購入したタイラーTの品質についt」
エ「Sh*t!!!またその件か!!!!オマエら日本人はマジでいい加減にしろよ!」
?「?!」
エ「聞きなれない国だからって低品質と決めつけるんじゃあねえ!お前らUSA製の時に同じチェックをしてたのか?してねぇよな?!その時にそういったクオリティの物が無かったと言い切れるのか?」
エ「だいたい普段メイドインチャイナに囲まれて暮らしてる分際で生産国についての文句を言ってんじゃねえよ!シュプリームがそう決めたんだ!お前らは着いていくか黙って他のブランドを買えばいいじゃないか!!」
エ「まだ何か言いたいことはあるか?!」
?「・・・ありません。」
エ「そうか。あいにくこっちはまだまだあるんでな。電話ではなんだから署まで来てもらおうか。」
やれやれ。今日は残業になりそうだ。
これで月に2500レンピラぽっちしかもらえないなんてマジで割に合わないぜ。こんなんじゃいつまで経っても実家から出られねぇ。
あーあ。こんな仕事さっさとやめちまってさ、アメリカに移住して自分のアパレルブランドでも始めたいぜ。
Prrrrr….
おっとまた電話だ。
次はお前らみたいな野暮なヤツじゃあないといいが。