多くの子どもたちが犠牲になった石巻の小学校の子どもたちが地元の魅力を世界へ発信。『沖縄映画祭2013』で発表(宮城県・釜小学校)
Support Our Kidsは、吉本興業「よしもとあおぞら花月」と連携し、震災直後の被災地・石巻市立釜小学校を訪問。「地元の魅力」をテーマにしたCM制作の授業を実施し、翌春の『沖縄映画祭・JIMOT CM COMPETITON』で発表するプロジェクトを行いました。
【震災被害】 3.11と釜小学校
釜小学校は子どもの犠牲の多いところ。25名なくなっている。
宮城県でも大川小学校に次いで多い、2番目。
犠牲となった子どもはちょうど地震発生時が帰宅時間と重なり、保護者が車で迎えに来たのだが周囲が全部渋滞になり動かなくなった。
そこに津波が来て流されたということが大半。
人的な被害が多い学校なので生き残った子どもも傷ついているわけで、心のケアを重視してこれまで進めてきた。
不登校もあった。地震がくると次の日から学校を休む。
学校に来ている子も地震が来るとおびえるということが今でもある。
避難訓練は欠かせないが、避難訓練にまだ参加できない子どももいる。
休む子もいれば学校に来ても保健室で待機する子もいるという状態。
トラウマ的な症状が日常の行動の中にも今なお見え隠れする。
どんな拍子にそれが出るのかは我々も予測できない。
釜小学校は、現在児童数471人。
そのうち130人が学区外から通学していて、その多くが仮設住宅での生活を続けています。
[出典: TOKYO FM Love & Hope 釜小学校 土井校長 / 2014年2月]
【沖縄国際映画祭2013へ】 CM制作開始!
〜石巻には、誰も知らない世界一がある〜
子どもたちの心の復興、そして、自ら気づき、考え、行動できるようになる「自立」をサポートしようという目的が、釜小学校が掲げる「復興教育」の理念と重なり、CMづくりの出張授業が始まりました。
子どもたちが地元の魅力を探すことで、良いところに目を向ける喜びを体験します。
及川先生が子どもたちに今回のプロジェクトについて伝えてスタート。
釜小学校の応援団は、よしもと芸人のオコチャ、おくとぱす85(親方・けんぞう)の3名。
Laugh & Peaceで子どもたちと交流し、次第に子どもたちの笑顔が増えてきました。
地元、石巻と釜地区の魅力について、みんなで意見を出し合いました。
このCMづくりは、6年生全員で創り上げる小学校生活の集大成ということもあり、みんな積極的に授業に参加しました。
第2回目の授業で特別講師を務めた作詞家の森浩美さんは、言葉で伝えるプロです。
「考える人になろう」
「情報はどんなところにでもある」
「自分の意見を持とう」
「伝えるということでは、CMも歌詞と同じ!」
「物事は俯瞰(ふかん)でとらえることが大事」
と、みんなのアイデアを形にしていくサポートをしてくれました。
俯瞰で物事を捉える手段として、森さんは、「マインドマップ」を使ったアイディアの整理を教えて下さいました。
森さんは、ひとりひとり、子ども達の素直な想いを引き出していきます。
感じたことを素直に表現することが大切です。
マインドマップの作り方を教わった子ども達は、連想する言葉をどんどん出していきます。
「石巻の美味しいものを食べて元気になった!」
「美味しいものを食べて笑顔になった!」
「みんなが集まって楽しく元気になる場所がある!」
「元気に力強く生きている!」
森さんは、辞書やドッジボールの寄付もしてくれました。
森さんからの「石巻の魅力がなんなのか、俯瞰で見つめよう」というアドバイスをもとに、もう一度、石巻の魅力を見つめ直した子ども達。
すると、
「色々な魅力のある石巻だけれど、これからの石巻をつくっていく自分達も魅力のひとつ」
という意見があがり、釜小キッズの魅力や特徴が次々に発表されました。
「みんな笑顔!」
「僕たちは、元気!」
「つらいことがあっても前向きに生きている」
「そうそう、しあわせがいっぱい!」
あおいうえお作文をヒントに、CMの中で釜小キッズが演技を通して表現する釜小キッズの魅力や特徴は「いしのまき」の頭文字で整理されました。
そして、CMのタイトルにもなるキャッチコピーは、あいうえお作文の逆の発想で、「はっぴーが、おとずれるまち、いしのまき」の頭文字を取り、
「H.O.I いいこと∞石巻」
に決定!
絵コンテづくりにも挑戦し、遂にCMは完成しました。
【子どもたちが作ったCM】 『H.O.I いいこと ∞ 石巻』
石巻の魅力を使って「元気」や「笑顔」を多くの人に届けます。
釜小学校の子どもたちが制作したCMがこちら↓