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2022年のライブアイドル

岡島紳士氏とともに「グループアイドル進化論 「アイドル戦国時代」がやってきた!」を出版したのが2011年、中身を書いたのは2010年なので、あれから12年ほどが経ちました。

グループアイドル進化論 「アイドル戦国時代」がやってきた!
https://book.mynavi.jp/ec/products/detail/id=22484

当時の自分は、サッカーの仕事を中心とするライター、編集者、WEBプロデューサーでした。

PerfumeやAKB48、ももいろクローバーが急成長していく時期をリアルタイムで体験し、趣味で見に行っていたアイドルについて仕事で文章を書くようになり、サッカーの仕事とアイドルの仕事が半々になり、アイドルの仕事が中心になり、メディア、媒体の仕事から運営側に回るようになり、ど地下の現場から、武道館、アリーナクラスでの単独公演まで、勢いのある時代からコロナ禍での苦境まで、いろいろな経験をさせてもらいました。

最近は現場ベタ付きの仕事を離れ、複数のアイドルさんを主に裏側でサポートする立ち位置になっているのですが、最近とある方から、いまのアイドルを取り巻く状況をどのように見ているのか教えてほしい、と言われたのと、ちょうど時間もあったので、「2022年のアイドル論」的な、メモ代わりの文章をここで書いていこうと思います。

最初のお題は「2022年のライブアイドル」。この先、ライブアイドルってどうなっていくんだろうね、というお話。

ライブエンターテイメント業界はここ10年、年平均10%近い成長率にありました。コロナ禍で年間売上の80%以上が失われたものの、現在は回復基調にあり、騒動の収束を前提とすれば、今後も市場としては成長が見込まれます。とはいえ、ずっと現場で動いている人は、ここ数年、本当にしんどかったので、先のことを考えている余裕がある状態には思えません。

「アイドル」という文化全体で言えば、ゲームやアニメ、K-POP、ボカロ、Vtuberなどを通してその規模は大きく拡大しました。推しカルチャーやプロセスエコノミー的なものも含め、社会やその価値観へ与えた影響も大きい。現役最強のアイドルコンテンツは、おそらく「ウマ娘」でしょう。それこそ、W杯放映権が地上波からネットTVに移った、メディア史においても歴史的な出来事を生み出す原動力となったわけですから。

ただ、国内の女性ライブアイドルグループという括りでは、Perufme、AKB48、ももクロが出てきた00年代後半以降、大きなイノベーションは起きていない。ライブアイドル市場は、市場の拡大規模以上に、プレイヤー側の人口が増えたため、横並びの中から抜け出すのが難しくなったように感じます。

大きな知名度を獲得していく過程で、マスメディアの存在は最後の一手となり、そこまではソーシャルメディアを中心とする自己発信力が圧倒的に重要となりました。

ここ数年の現場の特徴としては、ファンの流動性が低い状況もあり、結成時すでに発信力のある個を束ねたグループが強い傾向にあります。典型的な例は、ZOCやFRUITS ZIPPERで、前世のあるメンバーを中心としたグループも多い。

これは現状への適応という意味では最適解なのだと思うし、個の発信力がより大切になっていくのも傾向としては間違いないと思いますが、それが決定打になるかというと、この先まだまだ大きな変化ありそうな気がしています。

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