こんばんは。


 あいも変わらず眠れない。

 眠れないついでに、ここ数年を振り返ってみようかなと思った。東京で通っていた病院の先生も、お勧めしていたし。

 2019年の6月のある日、人間としてのエンジンが止まってしまった。プスンとも音を立てなくなった。朝起きると身体全体が鉛を被せられたように重くて、指一本動かすのがとても大変だった。職場に休みの連絡をするよりも先に、心療内科の予約をとった。そういった看板を掲げた病院にお世話になったことはなかったし、前兆があってそれを調べていたわけでもなかったけど、なんとなくそうだろうと思った。予約は1週間後にしかとれなかった。

 その日は休んで次の日は会社に行った。「しばらく来れない」気がしていたので、自分の持っていた案件を午前中で無理矢理ねじふせて早退した。
 そしてまた次の日、ひとまず出社して渋谷の会社に営業へ向かった。上司と一緒に明治通りを歩いている時、撮影をしている広瀬アリスにあった。「なるほどこれが透明感か」と思った。広瀬アリスに透明感のイメージはそんなになかったけれど。すごくよく晴れた日だったので、陶器みたいな肌が日光を反射して真っ白に光っていた。
 広瀬アリスとバイバイした後、また早退した。上司と別れる前に「さっきの会社、社名に『創』の字が入っていたし、人材のことを人『財』って書いてたから気をつけてね」と伝えた。今のところ、それが社会人としての最後の仕事になっている。

 心療内科の予約までの1週間をほぼベッドの上で過ごした。天井ととっても仲良くなれたし、平日の昼間には近くでお祭りの踊りの練習をしていることを知った。
 1週間、朝から職場に休みの連絡をして夕方には上司から連絡が来た。上司は優しい人だったのでとっても心配してくれた。なぜか「精神的なもの以外ありえない」という確信があったので、他の病院には行かなかった。上司には「いろんな病院に行っていて、ある病院で心療内科をすすめられたよ」と適当な話をしていた。

 そして、病院では鬱と適応障害の診断を受けた。休職届をだして、傷病手当をうんとたくさんもらった。全然外に出ないので人生で1番貯金が捗った。もうすっからかんだけれど。

 僕の人生はうんと長い夏休みに入っている。YouTubeでみた2ちゃんのニート記事まとめで「夏休みは夏休みでも宿題を全くせずに迎えた最終日がずーっと続いている」と誰かが言っていた、すごくしっくりくる。
 どんな宿題が残っているのか、2学期がなぜ始まらないのか、始まるとするならどんな2学期にしたいのか、いつまでもそれらはわからない。今日はこの辺で。

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