【match review】快勝するもCL未満の完成度
10月21日に行われたリーガ・エスパニョーラ第10節、バルセロナはカンプ・ノウでビジャレアルに快勝。バルセロナはレアルに惨敗した“エル・クラシコ”で負った傷を癒した結果となりました。
ビジャレアル戦《前半》
結果を出したのはロベルト・レバンドフスキでした。スーパースターのポーランド代表FWは、コンディションが万全とは言い難かったですが、31分と35分にゴールを決め、“苦境”からチームを救っています。
序盤のバルサは、[4-4-2]で引くビジャレアルを相手にボールを保持はするものの、中盤で失ってカウンターを喰らう場面も見られ、フィニッシュの精度も欠くなど、好調からは程遠かった内容でした。
7分にはレバンドフスキの左サイドからのクロスに、アンス・ファティがゴール前で合わせてヘディングシュートを試みるなどチャンスはありましたが、攻撃がチグハグな場面もあった。ボックス近辺での連動性や意外性に欠け、サイドからのクロスに偏りがちな攻撃は、守るビジャレアルからするとボールの行方が予測しやすかったに違いない。これも5バックを崩せなかったインテル戦に似てる印象ですよね。
クラシコで永遠のライバルであるレアルマドリードに惨敗した後では、メンタル面でダメージを引きずったところもあったはずです。前半のバルサは、ポゼッションが手段ではなく目的となっているような、形だけのサッカーになってしまっていました。
レヴァの存在
この“苦境”に風穴を開けたのは、やまりまたレバンドフスキでした。後方のペドリからのボールを左サイドでジョルディ・アルバがダイレクトでゴール前に入れたボールを、右足ヒールで後方にトラップ。ラウール・アルビオルとパウ・トーレスのCB2人を一気にかわし、振り向きざまにシュートを決めています。かっこいですよね。
さらに34分には、ガビからボックスの左の角でパスを受けると、巻くようにシュートを打ってゴールの右に決める。瞬く間にエースFWが2ゴールを決め、バルサを“苦境”から救うヒーローになりました。
勢いを取り戻したバルサは、さらに39分、レバンドフスキのポストプレイから、ガビ→左のフェラン・トーレスと繋ぐと、折り返しをゴール前に侵入してきたファティが詰めて3点目。クラシコの敗北の後で淀んだ状態が嘘だったかのように、3-0のスコアで前半を折り返し、後半も敵に得点を許さず、ビジャレアルに快勝しました。
まとめ
国内の相手であれば、多少はサッカーが雑でもポゼッションとカウンター・プレスが機能してゲームを支配し、個の力で相手を打ち崩すことができる戦力と実力です。しかし、CLでの強度が上がる試合となると、チームとしての完成度に粗が見え、勝ち切ることができない。要するに、バルサ=リーガ以上CL未満、ということです。