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東京ロングライド

序章

自宅から新潟駅まで約200km(後日アップ予定)を2022年5月に実行してから、次回目的地を模索しながら近辺をライドしていたその年の秋、山仲間のKさんから国道R299佐久穂町十石峠、埼玉県小鹿野町志賀坂峠の二つの峠を越えて東京駅へ行くルートが提案された。
東京駅まで200km+を1日でライドも可能だが、今回は峠を二つ超えることから、中間点の秩父市で一泊することにした。
しかも当初は自宅スタートの予定だったけど、帰りの新幹線を考えると上田駅に車をデポしての承諾を頂いた。
翌年2023年7月今度はソロで利根川と江戸川を繋いで太平洋を目指した。今回の記事はその二つのミッションの物語である。


東京ロングライド1回目

Day1 上田から秩父

2022年11月26日(土) 時間6:49:40  距離127.1km  獲得標高1742m
11月の下旬となれば長野市の最低気温は2℃前後まで下がる。
登山には特に気にならないが、日中は10℃以上になる為自転車には服装に気を使う。朝、Kさんの自宅に迎えに行くと既に準備をしていてくれた。
Kさんの愛車トレックドマーネSL6と荷物を積み込み上田駅へ向かう。
駐車場に車を止め準備をして夜明け前6:05出発。
流石に寒い。
シューズカバーと防寒のウェアは着ているいるけど、まだ体は冬仕様にはなっていないので我慢大会である。
上田から佐久までのR18 距離32kmは高低差約250mのダラダラとした登りでスタートとしては良いウォーミングアップになったが応えた。
明るくなってきた佐久のコンビニで休憩、軽く朝食を取った。
道は平坦となりR141からR299に左折するといよいよ十石峠迄高低差606m、距離18kmの長いヒルクライムが始まる。
平均勾配は3.4%だが、すれ違う車両は無くお互いに抜きつ抜かれつマゾヒスティックな洗礼を受けた。

十石峠にて


しばし休憩を取り次の志賀坂峠の取付き迄の28kmのダウンヒルの始まりである。勾配も決行あり数え切れないほどのヘアピンカーブの連続で緊張したが、神流川沿いに道が合流すると平坦となり緊張もほぐれ「川の駅上野野村ふれあい館」で昼食を取った。

TREK&Cannondale


体は大分冷え切っているが、次の6.4kmのヒルクライム平均勾配5.5%の志賀坂峠へ向かう。こっちの登りも応えたが、Kさんの背中を追うことで何とか同じペースで登ることが出来た。

志賀坂トンネル


峠のトンネルを潜れば小鹿野町までの21kmのダウンヒルが再び待っていた。
赤平川と並行しているR299は道が整備されていて商店街に出るまでは信号も無く、自分のスピードの限界に挑戦出来る本当に気持ちの良い道だった。
秩父市街地に入る峠の手前で片側交互通行の工事規制が有り、自己満足の余韻に浸りながら暫くKさんを待った。
合流して秩父市街地の宿まで後は僅かな峠を急いだ。
横瀬の宿「語歌橋(ごかばし)」に早めにチェックインすると僕等の他に誰も宿泊客は居らず、洗濯も済ませ、風呂に浸かり近くの割烹で今日の労を労った。 

秩父橋と武甲山

Day2 秩父から東京

2022年11月27日(日) 時間5:32:36  距離96.8km  獲得標高357m
明るくなってからのスタートでと特に時間も決めずに昨晩は寝たが、朝4時前には目が覚めてしまい、暗い中5:30には準備も済ませて出発となった。
朝方は長野ほどの冷え込みは全く無くて暖かい。
R299の「道の駅果樹公園あしがくぼ」に寄り小休止、これから登る正丸トンネルに向かう。このトンネルは狭くて交通量が多いと怖いと聞いていたので、ちょっとドキドキしながら登って行ったが、朝方で交通量も少なくておまけにトンネル内は下り勾配で快適にペダルを回せた。
それでも4台ほど僕らがトンネルを出るまで追い越せず待ってもらった。
トンネルを抜けると高麗川沿いに暫く下りが続き、一部時速70kmは出ていた。
後は東京駅へ向かえば良いのだけれど、Kさんと僕のサイクルコンピューターのナビゲイションが噛み合わず、所沢まであっちだこっちだと迷走状態となったが、何とかR254に出てマクドナルドで腹拵え、新宿の高層ビル街を走りたかったが、皇居近くで回り道観光して東京駅に13:00前に到着。
自転車を輪行して14:04発の新幹線あさまで帰路に着いた。とても充実した二日間であった。

同行したKさんと東京駅にて

東京ロングライド2回目

2回目のミッションは利根川と江戸川を繋ぎ東京湾に出てみようと思い立った。
両河川ともサイクリングロードが整備されているらしいので群馬県渋川市に出てしまえば、後は河川を辿るだけと甘く見ていたが…

Day1  長野から渋川

2023年7月14日(金) 時間6:24:52  距離111.2km  獲得標高1586m
心配していた雨も明け方には上がり自宅を7:00に出発した。
渋川に抜けるにはR406鳥居峠を越えて行かなくてはならない。
長野から鳥居峠に行く為には松代の新地蔵峠、または菅平いづれかの選択をする事となる。菅平には何度か自転車で登っているので今回は新地蔵峠を選んだ。
しかし後で考えてみれば菅平経由の方が精神的に楽であったかもしれない。
新地蔵峠は平均勾配は2.5%ほどだが、だらだらと27kmの先の見えない登りがいやらしい。
峠を越え一旦真田町に降りて今度は第2ステージの鳥居峠が待っている。
こちらは1000mアップの平均勾配は7.3%だ。
何度も降りようと思ったが根性で峠まで登り上げた。
既に精魂尽きて放心状態。
おにぎりをほうばり後は渋川までいやらしい登りは無いはずと先を急いだ。

鳥居峠


R145が吾妻川沿いに道が合わさるとバイパスの改良工事でサイコンのナビが、「ルートを外れました」とやたらうるさい。
方角はあっているのだから問題ないと無視して進んだ。
途中「道の駅八ッ場ふるさと館」でランチを取って再充電完了。
車が多くなってきた頃、渋川市R17に合流してお目当ての利根川サイクリングロードに入り、予約してあった「ハナホテル&スパ伊香保インター」に15:37に到着しチェックインした。
ホスピタリティは無く目玉の大浴場も塩素臭くお湯も温くて事務的なホテルだった。

渋川市の利根川サイクリングロード入口

Day2 渋川から東京

2023年7月15日(土)
最初に告知しておくと、今回のミッションは達成されなかった。
東京駅には何とか辿り着いたが、江戸川の葛西臨海公園東京湾河口には到達できなかった。
二日目のデータログもサイコンをいじっていたら削除されてしまった為何処をどう通ったのかも分からない。
登録したナビゲイションの予定は渋川から東京湾迄、距離は159.22kmだった。
二日目の朝を迎えた。
予定したルートは東京湾まで距離約160kmほどなので、昼過ぎの新幹線に乗れれば良いかなと考えて、朝4:00に出発すれば余裕だろうとホテルを立つが生憎の雨だ。天気予報は弱雨で10:00頃には上がる感じだ。
しかし渋川市の利根川サイクリングロードは弱雨では無く普通に雨が降っている。そのうち雨雲も通り過ぎるだろうとビショ濡れになりながらペダルを回し続けた。暫くして雨も上がり玉村大橋を渡り利根川右岸を走っていると後輪がパンク。予備のチューブに交換し走り出すがまた空気が漏れる。
タイヤにピンでも刺さっているかと確認するがそれも確認出来ない。パンクした箇所をパッチで補修して何とか復旧して走り出す。
1時間ほどのタイムロス。
五料橋を渡り利根川橋左岸の上武大学前で再びパンク。
既に換えのパッチも無く、剥がしてノリを付け直して再利用、何とか復旧してまたもや1時間のタイムロス。
2度のパンクは何かの暗示か。
日差しも強くなってきてバテ始めた頃、羽生市の「道の駅はにゅう」に逃げ込む。冷水をがぶ飲みして、スタミナラーメンを頂く。
もうここで到着は夕方以降は確実だ。
大宮駅まで行って辞めにしようかと思ったけど、ナビゲイションの目的地までの距離は後70kmほどだったので、何とか頑張ることにした。
気持ちを入れ替えたのは良いのだけれど、此処からが本当の試練だった。
サイコンのナビゲイション通りに進ませてくれれば何も問題は無いのだけれど、此処から先の利根川、江戸川の両岸は大規模な改良工事がされていて、立ち入り禁止や迂回路ばかりで案内も不親切で同じ道を行ったり来たりで時間だけが過ぎて行く。
もう良い加減嫌になってきて目標を東京駅直行に変更。
スマホのナビを頼りに何とか都内に入ると、今度は信号機の嵐で全ての信号機にひっかっかってしまい距離が稼げない。
しかも気温は30℃+を軽く超えていて熱中症気味でバテてきた。
コンビニの度にジュースとアイスクリームを補給しながら、なかなか辿り着かない東京駅を目指した。
午前中は雨に濡れ、泥を跳ね上げ走行したのでそれが乾いて全身土砂だらけだ。
こんな天気の良い日に、汚れたローディが都内をライドしている姿を通行人はどんな目をして見ていただろう。
16:00頃東京駅にやっとの思いで到着し、早速東京駅前で輪行袋に自転車を収納してそのまま周りの目を気にせず裸になって着替えた。

東京駅前で輪行準備
後は袋に入れるだけ


新幹線に乗り20:00過ぎ長野駅に戻ってきて、輪行を解き自宅迄の10kmを急いだ。
課題は沢山。
良い経験を積んだ。
リベンジします。


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