「催眠将棋」について考える
いやね、カクナリ7!ですよ。
ロウポンさんの「人生は将棋だわ(2話入り)」の1話目「催眠将棋」がなんというか自分の中ですっきりしていない次第であります。
星新一のショートショート的な香りも感じるけどもそれ以上に何か意味が込められているようなそうでもないような。掴めていない部分がある気がしてここ数日ずっと気にかかっているんですよね。
なのでちょっとnoteで状況の整理をしたいと思いまして。書いたけども書ききれてない感じが残るのが不思議なところです。今後色々追記するかもしれないけどもとりあえず一旦アップ。
念のため言っておくと、●ウポンさんの物語にケチをつけているわけでは全くない。文章は素晴らしくとても面白い物語?なので皆さんにもぜひ読んでいただきたい。この次の話も指す順ラジオに絡めて書いてくれていると思われ、感謝感激雨あられである。嬉しすぎて6回くらい繰り返し読みました。こちらの感想も別途書きたいと思う。
ただ今回あえて催眠将棋のほうだけを取り上げたのは、昔から解釈の余地が残された小説が好きなので、そういう小説に出会うと想いをめぐらして考えるのが好きなんです。村上春樹とか安部公房とか。今回は考察というか、頭の整理がメインですね。
以下はネタバレを含むので、まだ読んでない方は気を付けてください!
1.状況把握
・ 主人公「私」は将棋大会に参加している。
・ 「自己催眠」という自分で自分を催眠をかける能力を持っている。自己催眠を使うと、棋士の棋力が備わる。
・ 準々決勝(ベスト4決定戦)の対局中にトイレに籠っている。
・ 「棋士の棋力が備わったらどうなるだろう」という発想から本日3回目の自己催眠をかけている。(参加者は32名程度か)
・ 「想いを寄せている人がこの会場にいるのがとても重要」という文章から、大切な恋人(性別不明)が応援または対局者として参加していることが分かる。3パラで知的な人が好き、というのがきっかけと言っていることから。いいところを見せたいのだろうか。
2.不明点
①なぜ「私」は対局中に催眠状態に入るのか。
単純な話「対局前に催眠状態に入っておけばええやん。」というね。4パラで「他の人から見たら私の腹模様はゲリラ豪雨である」と少なからず周囲の目線を気にされているから尚更。「時間は大事、タイムイズマネー」なのだから当然そうするべきだと思いますが…なぜ。催眠状態を使うことでとても強い棋士をインストールしているみたいなものだから、罪悪感は感じていたのだと思う。催眠状態の効果存続期間があるのだろうか?
そのうえで気になるのは1パラ目の「次の試合から持ち時間30分。切れると30秒の秒読みだ。」である。次の試合からということは本局は別のルールでやっているのだろうか。それか対局と対局のインターバルとか。ただ、次で「さっきの局面ではこちら17分、相手が12分残っていた。」とあるから、やっぱり対局中の出来事なのであろう。よくわからなくなってきた。時間軸も催眠状態に入っているのだろうか。
②最終部分について
最初読んだときここがよくわかっていなかった。最初は「ピーという電子音を聞くと」とあるから、新型のチェスクロックは秒読みで「イチ、ニ、サン・・・」と数えるタイプのものだったから催眠がうまくいかなかったのだと思った。けども4パラ目で「1から5まで数え上げると催眠がとけてやすらかに目覚めます」とあるから、どちらかというとこちらなのであろう。これも綺麗なオチである。
ただ、である。前段の部分で「先ほどまでのチェスクロックは旧型で新式であれば困ったところであった。」とあえて前置きしているので催眠はうまくいく前提なような気もする。①と合わせて考えると、時間軸が少しずれているのかもしれない。もしかして、トイレと対局の時間軸が違うのか。うーん、難解ホークス。
もう1回読んでみよう。