数学Ⅲ積分の攻略[分数関数編]
こんにちは。
今回は、分数関数の積分をしたいと思います。
合わせてこちらもご覧ください。
分数関数の積分は、次の2ステップで解決させます。
①(分子の次数)<(分母の次数)にする
②分母の次数が2次以上の場合
・カタマリをつくる
・因数分解できる
・因数分解できない
この流れで処理していきます。
では、問題をしていきましょう。
(1)$${\displaystyle\int_{}{}\dfrac{8x^3}{2x-1}dx}$$を計算しましょう。
解説
まず、分子の次数が大きいので次数を下げます。
$${8x^3÷(2x-1)}$$を組み立て除法を利用して計算します。
=$${\displaystyle\int_{}{}\left(4x^2+2x+1+\dfrac{1}{2x-1}\right)dx}$$
=$${\dfrac{4}{3}x^3+x^2+x+\dfrac{1}{2}log|2x-1|+C}$$(答え)
(2)$${\displaystyle\int_{}{}\dfrac{2x+1}{x^2+x+1}dx}$$を計算しましょう。
解説
分母の次数が2次なので、カタマリができないかを考えます。
$${t=x^2+x+1}$$とすると、$${dt=2x+1 dx}$$
$${\displaystyle\int_{}{}\dfrac{1}{t}dt}$$
=$${log|t|+C}$$
=$${log|x^2+x+1|+C}$$
$${x^2+x+1=\left(x+\dfrac{1}{2}\right)^{2}+\dfrac{3}{4}>0}$$なので、
$${log(x^2+x+1)+C}$$(答え)
$${t=x^2+x+1}$$、$${dt=2x+1 dx}$$のかたまりを作ることで、今回はたまたま上手くいきました。
上手くいかない場合は、次のステップを考えます。
(3)$${\displaystyle\int_{}{}\dfrac{1}{x^2-1}dx}$$を計算しましょう。
解説
分母が2次で、因数分解ができます。
このときは、部分分数分解をします。
$${\displaystyle\int_{}{}\dfrac{1}{(x+1)(x-1)}dx}$$
=$${\displaystyle\int_{}{}\dfrac{1}{2}\left(\dfrac{1}{x-1}-\dfrac{1}{x+1}\right)dx}$$
※部分分数分解は数学Ⅰの範囲です。
=$${\dfrac{1}{2}log|x-1|-\dfrac{1}{2}log|x+1|+C}$$
=$${\dfrac{1}{2}log\left|\dfrac{x-1}{x+1}\right|+C}$$(答え)
※対数の取り扱いは、数学Ⅱの範囲です。
因数分解ができるときは、部分分数分解に持ち込みましょう。
(4)$${\displaystyle\int_{-1}^{0}\dfrac{1}{x^2+2x+2}dx}$$を計算しましょう。
解説
分母が2次で、因数分解ができません。
このときは、カタマリを$${tanθ}$$として考えます。
$${\displaystyle\int_{-1}^{0}\dfrac{1}{(x+1)^2+1}dx}$$とします。
$${tanθ=x+1}$$とすると、$${\dfrac{1}{cos^2θ}dθ=dx}$$
$${\begin{array}{c|c}x&-1→0\\θ&0→\dfrac{π}{4}\\\end{array}}$$
※文字が変わったら、文字の範囲も変わります。
$${\displaystyle\int_{0}^{\frac{π}{4}}\dfrac{1}{tan^2θ+1}・\dfrac{1}{cos^2θ}dθ}$$
=$${\displaystyle\int_{0}^{\frac{π}{4}}cos^2θ・\dfrac{1}{cos^2θ}dθ}$$
=$${\displaystyle\int_{0}^{\frac{π}{4}}dθ}$$
=$${\left[θ \right]_0^\frac{π}{4} \\}$$
=$${\dfrac{π}{4}}$$(答え)
分母の次数が2次以上のときは、この手順で解きましょう。
三角関数$${tanθ}$$に置き換えることで、簡単に解くことができます。
次回は、「三角関数のみで表される関数の積分」をやってみます。