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ピータンハウス その2 情報収集編

 というわけで今日もやっていきましょう。いろいろいろいろ考えたんだけども正確な情報はいくらでもインターネットに転がっているので、あくまで体験談ベースで書いていき、気になったポイントはそれぞれ深堀りしていただければと思います。写真は我が家の池。

情報収集編

 リーマンショック直後の就活で、転勤人生前提の採用をされた私。弊社の同じ立場の人たちはほとんど家は建ててない。家賃はほぼ会社から出るので家のことなんて考えたこともなかった私。だったのに幸運にも転勤が無さそうな、しかも行ったらこの先長そうな部署への辞令を拝命した。部長に呼び出されたときはいよいよ転勤かあ~と覚悟を決めて扉を開けたってのにびっくりである。
 当時は大○○託のアパートに住んでいた。双子の怪獣達によって隣の住人とは戦争状態、下階の部屋の住人は3度追い出していた私たちにとっては、家賃補助を捨ててでも新しい住居を探し出すことになるのは至極当然の流れだった。とにもかくにも急いで情報を集めなあかんということでモデルハウスの内覧、空いてる土地探し、情報収集を方向性が定まらないまま同時進行で始めることとなった。

●土地探し

 こればっかりは運命としか言いようがない。いいとこあっても先に取られたり、いいとこあっても想像してたよりずっと高かったりそこそこ難航した。けども最後に決め手となったのは足だった。よさげな場所に新しい分譲地が出来てたのをたまたま発見した。ここが前回書いた変な形の土地。後から聞いた話だとちょうどこの頃は規制緩和直前で土地がなかったよう。今になって新築のわが家のポストに空き土地情報がめちゃくちゃ突っ込まれてるんだけど、そういうタイミングも含めてやっぱり運命なのかもしれない。 
 
 土地を探すうえでいくつか考慮しなきゃならないことがある。まずはハザードマップ。これは言わずもがな誰でも調べると思う。併せて見てほしいのがこのサイト。

 地盤の弱い地域強い地域をあらかじめ調べられるというスグレモノ。おまけに数十年前の航空写真も見れておもしろい。地盤が弱い土地を引いてしまうと地盤改良工事に+100万近くかかってしまう、しかもそれは土地を決めた後じゃなきゃ調査できない(多分)というめちゃくちゃ運ゲー仕様。このサイトは他にも様々な情報が眠っているので土地選びの際には参考にしてほしい。ちなみに私は割と最近知った。

 次に法律関係。ここは田舎の土地探しではほとんど関係なかったので正直あまり詳しくない。用途地域、建pay率、容積率など様々。あと法律ではないけども建築条件付きのようにビルダーを指定するものもある。大手HMはよさげな土地を囲い込み、うちなら他には出せない土地用意できますよという謳い文句で他社と差別化したりする。

最後に見落としがちなポイントをいくつか。

・広けりゃいいってもんでもない
 
土地が広いとその分外構費用がマシマシになる。うちは庭その2があった分そこのフェンス代や防草シート代やらかかったし、かといってかけないと果てしない終わりなき雑草との闘いが待っている。ライフスタイル上どのくらい必要かは想定しておきたい。 

・高低差のある土地は金がかかる
 高低差のある土地に家を建てるととにかく余計な金がかかる。場合によっては土留めが必要だったり、外構工事にしても階段を作らなければならなかったりとにかく何かとかかる。金だけではなくて車から家に入るまで一段登らなければならなかったり何かとデメリット。特にこだわりがなければ避けるのが無難。

・車が停めやすいかどうか
 ここは外構のプランニングにもかかわってくる。田舎の民にとっては車の出し入れは呼吸みたいなもの。停めづらい出づらいだとストレスフル。前の道路の交通量や広さ、しっかりチェックしましょう。

・必ず、絶対、何があっても実際に足を運ぶ
 図面や書面上の情報だけで決めることは絶対に避けたい。特に日当たりや風通りなんかは要チェック。なんなら昼間一日その場所に滞在した方がいいとすら思う。周辺の散歩もしながら。ここら辺は賃貸探しにも通じるけど、家となると周辺環境は一生の付き合いになるのでなおさらだ。

●ビルダー決め

 家を建てると決めてからは毎日毎日情報収集の日々が続く。最初は地元のビルダーの情報収集、家のスタイルのイメージ集め、家の性能のこと、お金のこと。契約に進むと住宅設備のこと、家のディティールのこと、間取りのこと。とにかく調べても調べても尽きないどころか調べるほど沼に落ちる。

前提知識(次回予告) 

・C値、Ua値
・地域区分と断熱等級
・耐震等級
・パッシブハウスについて
全部!次回!乞うご期待!

家の雰囲気の話
 そもそもなんでHMが嫌だったかというとタイル・サイディング外壁の家が好みではなく、ガルバか塗り壁の家が好みだったというそれだけだったのかもしれない(早速ポジトーク)あとは予算をしっかり定めていなかったから最初は予算の時点で選考外といった感じだった。けど蓋を開けてみれば最終的に金額は積みあがったし、大手HMの規格プランと大差ない金額になってたから最初にしっかり予算を定めるというのは大事だったんだと思う。あまりに色々な選択肢を切り捨てすぎてた。
 地元情報誌が出しているビルダー特集MOOKみたいな本の中から好きそうな雰囲気の工務店をいくつか調べた。ただネット社会とは言え工務店の情報はかなり少ない。あっても昔の悪い噂だったり。ここは工務店教の明らかなデメリットで、大手HMは施主がブログやインスタで情報発信をしており、場合によっては施主同士で小さなコロニーを作り住み着いている。情報量に圧倒的な差がある。工務店には結局足を運ぶしかないのである。


なんとなく好きな雰囲気だったモデルハウス


 で、結局前回の記事の通りなんとなく好きな雰囲気のモデルハウスの工務店に即決した。このなんとなく好きなっていうのは意外と大事で、家の雰囲気って何で醸し出されるのかというと、外壁、壁紙、建具、床材、その他細かい部材などなど。工務店標準仕様で作られているモデルハウスが気に入ればそのなんとなく好きな雰囲気は再現性が高いからだ。
 自分は漆喰・無垢木材・モルタルみたいな自然素材(風でも可)が好きで、逆に巷ではホテルライクと呼ばれるツルっとした質感の家が苦手だった。ツルツルが標準仕様のビルダーでナチュラルっぽい建材(またその逆も)を採用しようとするといちいち追加料金がかかる。また標準で採用されている壁紙や巾木や床材は職人さんたちも施工し慣れてる。慣れてない建材は職人さんたちも失敗しやすくなる。だからこのなんとなく好きな雰囲気っていう直感は思ったより大事なのである。
 どんなイメージの家にするか写真でイメージを絞り、好きなポイントを言語化して夫婦で共有するのはとても大事で、最終的にどこで建てるか決める頃までには確立させておいた方がいい。

仕様の話 
 ビルダーを決めたらなかなか変えられないのはなにも見た目だけの話ではない。家には工法や断熱方法、換気方法など大きい決断を迫られる要素がある。これはそれぞれのビルダーによって得意分野が変わってくるのでこここそが契約後に後戻りできない一番大事なポイントであることは間違いない。自分の場合ここの勉強が後回しだったため、結局自分が決めた工務店を信じるしか選択肢がないという状況だった。
 ここも詳しく書くと文量が倍くらいになりそうなので次回基本性能編に回したいと思う。なんにせよどこで建てるか決める前にイメージくらいはしておいた方がいいと思う。

住宅見学会で必ず確認すること
・C値、Ua値
・耐震等級(全棟構造計算をしているのか)
・モデルハウスは標準仕様か

 これらは最低限聞いた方がいいと思う。答えられなかったら選択肢から除外してもいいレベル。郊外にある常設系の住宅展示場は実際に建てる家とかけ離れた予算がかかっていることが多いから正直そこまで行く価値はないかもしれない。完成見学会なら実際に施主がいて、一般的な予算の中で採用された設備や仕様を見ることができるのでおすすめ。

●情報源


 最後に参考になった動画やサイトを張っておきます。

大・前・提
 住宅界隈は意外とポジトークが多い。自分を含めた施主はもちろん、HMや工務店の情報発信は自社の仕様に反することはあまり言いません。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、youtubeで数十万再生くらい回ってる動画ですら注意して見なければいけません。SNSのアルゴとは恐ろしいもので正しいことを言っている(両論併記している)動画/投稿ばかりがバズっているわけではないことは念頭に置きましょう。ただ最終的には自分がどの宗教に入信するかみたいな話になってくるので、自分が信じた宗教を信じろ(けどメリットデメリットは把握しよう)

住宅性能編

 とにもかくにも松尾先生のチャンネル。全国の工務店実務者の師匠みたいな人。日本にパッシブハウスという概念を広めた救世主。一番有名なのはこのエアコンの動画だと思う。とにかく家の基本性能に関しては、いろんな人の意見を聞いて混乱するよりもこの方の動画や書籍だけでいいかもしれない。今回の記事はこのチャンネルを紹介するために存在するといっても過言ではない。

さとるパパの住宅論
 
個人の方のサイトなのでリンクは割愛。こちらは打って変わって施主側の視点の情報。断熱ガチ勢。ただ事前にここら辺の情報を詰め込みすぎると偏ったビルダー選びになりかねないのでほどほどに。断熱性能はとても大事だけどその要素だけで家を決めるのは危ない。


ディティール編

 先ほどの松尾先生の動画は家の基本性能だったのに対してこちらのげげ先生は間取りや住設、外構と広い分野で動画を出している。元大手HMの設計士だけど今は独立しているのでポジトークも少ないと思う。

 これは自分の好みが大きいかもしれない。ライフスタイル含めて紹介されてるので読み物としても楽しい。好きな雰囲気の家は徹底的にパクるのである。

 貼ったのはあくまで一例だけど、好きなスタイルの工務店の施工事例はとにかく見まくる。細部のアイデアはとにかくパクる。ちなみにここは地元の工務店というわけではない。

 施主支給といえばここ。請求すれば立派なカタログ送ってくれるんだけど穴が開くほど何度も見た。子供のころ毎日読んでたゲームの攻略本くらい読んだ。いつか目白の展示場に行きたいと思ってるんだけどなかなか機会がない。

各種メーカーのホームページ
住設メーカー(リクシル・タカラスタンダード・パナソニックetc)
照明メーカー(DAIKO・ODELIC・パナソニックetc)
壁紙メーカー(リリカラ・サンゲツ・シンコールetc)
 
 挙げたらきりがないけどカタログ見るのは楽しい。展示場が揃ってる都会は強いしずるい。

インスタ

 家に関する情報は一番揃ってると思う。一番お手軽。それぞれのタイミングで必要な情報や後悔ポイントが纏まってたりして有難い。ただn=1の一方的な発信もまあまああるで注意が必要。家建て中はお勧め欄が家関係で埋め尽くされるのはあるある。

note
 昨日記事書いて思ったんだけど、noteも情報多いなと思った。しかも実務者側の情報が多いのは非常にポイント高い。

ツイッター
 は断熱界隈とそのアンチが日々バトルを繰り広げてるっぽいから近寄るべからず。

●おわり

 というわけでその2でした。大事な話は全て次回に置いてきた。土日は休みなので次回はまた来週乞うご期待!


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