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ピータンハウス その1

 いつかどこかでまとめようと思っていたんだけど、書こうとしてはやめ書こうとしてはやめを繰り返していつの間にか引っ越してから2年近く経とうとしてました。これ以上経つと忘れそうだしこれ以上経つと住宅界隈の常識がどんどん更新されてっちゃいそうなので、TLで話題になったのをいい機会と思って書き始めました(いつ書き終わるだろう)
 不動産業界は自動車業界と一緒で知識のない人が無駄にお金を使わされてしまう業界だと思うので(関係者ごめん)誰かの糧になればと思い書いてみます。万人のためになるかどうかはわかりませんが、暇つぶしの読み物として読んでいただければ幸いです。

基本情報編


 思い立ったのは2021年の7月の人事異動、契約はその9月末。補助金とか減税の関係で無理やり滑り込んだ。最初は中古住宅を探してたけどいつの間にかどういう経緯か新築を建てることになっていた。
ウッドショック第一波が来て少し値上がりが始まったばかりのころ、しかし本格的なインフレはこの後激化するのでギリギリセーフのタイミングだった。

土地 

 土地は70坪ちょいで、分譲地なのに北と南に庭がある変な形の土地。おかげで日当たり良好、ただし向かいの1段高いところに建てた2.5階建ての家は許さない。
坪単価は田舎クオリティの10万/坪前後。全体の予算としては25%くらい。
4地域(※1)の寒冷地っぽいけど意外とそうでもない、けどやっぱり寒い山国。小中学校が遠いのがデメリットだけど視界が開けてるのはとてもお気に入り。子供たちごめん。

建物

 建物は総二階片流れ屋根(※5)の規格住宅(後述)で35坪の4LDK。実際は吹き抜けがあるのでもうちょい少ない。肌感としては必要十分。狭いと思ったことはない。子供達出てったらもっと狭くてもよかったなって思いそうなくらい。外観はいろいろとデメリットのある軒なしのキューブハウス。見た目で決めたから後悔はしてない。外壁はガルバ。お金があれば塗り壁にしたかったのは夫婦の総意(+200万くらいだろうか)建物は予算全体の65%。残り10%は庭と家電と各種諸費用。家については別枠でじっくりとやりたい。

お金

 予算はえいやで変動金利35年フルローンの地元地銀。1馬力年収の550%。億トレになって一括返済するのが夢。地銀はメガバンやネット系に比べて金利は少しだけ高いけど融通が利くのがメリット。弊社の名前出せばまず審査は通る(同じ条件でイオン銀行は蹴られた。頭金大事。あと余計なクレジットカードは与信枠を減らしておくこと)し、つなぎ融資(※2)しなくてよかったのがめちゃくちゃアドだった。

工務店

 建物をお願いしたのは地元の工務店。モデルハウスの雰囲気が夫婦ともに気に入ってほぼ即決だった。中規模住宅メーカー(秀〇○○ド、ア○○ホー〇)見たけど営業マンに急かされて決めなくて本当によかった。けど先述のタイムリミットが無かったらもっといろんなとこ見てみればよかったなとも思う。モデルハウス巡り楽しい。
 即決した工務店は地域では中規模といったところで、設計士と打ち合わせしながら作る注文住宅と、あらかじめ間取りが決まっている規格住宅(※3)の両方を扱っていた。特徴としては高気密高断熱に強いことと軒なし住宅を建てなれてること、そして職人さんをある程度お抱えしてることだった。あとから分かったことだし事前に知るのは難しいんだけどこれほんとに大事なポイントだった。家は営業、設計、現場監督、職人、施主のチームで作り上げるもので、ここの連携度が家の仕上がりをほぼ決めるといっても過言ではない。特にうちは現場監督さんに関してはSSR級の神引きだった。現場監督と職人がツーカーの仲だと頼れることこの上ない。この人の存在だけでもこの工務店にしてよかったと思ってる。ちなみに同じ分譲に後から建ててた某激安系住宅メーカーの建売は、どう見ても70過ぎてるおじいちゃんが一人でずっと作業してて見てるこっちがヒヤヒヤしてた。安いのは安いなりに理由があるってことなのね。
 そんな中うちは規格住宅を選んだ。間取りに強いこだわりはなかったのと割安だったのと、注文住宅との差額に腰が引けたこと。ただ結果的に色々融通を利かせてもらって吹き抜けを作ってもらったりオープン階段にしてもらったりできたり、とにかく注文住宅ばりに無理難題を叩きつけて担当を苦しめた(ごめん)
 工務店の見積もりは良くも悪くもどんぶり勘定で、規格住宅のベースの金額にまあだいたいいろんなオプション付けてこれくらいになるだろう、みたいな金額で契約がなされた。どこもそうなのかな?大手HMみたいにこのオプションは追加〇〇万円みたいに決まっておらず、打ち合わせ最中は現状の金額がわからずイライラしたのを覚えてる。
 そんなこんなで引き渡しの1か月くらい前に最終金額のすり合わせをするんだけどここでまあまあ揉めた。決して無理難題を叩きつけたからではないと思っているんだけど、最初のモデルハウス見学から着工までお世話になった担当さんが急に仕事を放り投げて消えたからだ。HPに乗ってる写真は肉付きが良かったのに最後の方はガリガリになっていた時点でお察し。
 最終的にその仕事を引き継いだのは店長的な人だったんだけど、うちが無理難題を叩きつけたからか、このころ急激に進んだ値上げラッシュ(主にリクシルてめーだよ)のせいか、とにかく最初の見積もりではうちが赤字になってしまう(意訳)とのこと。ほら言わんこっちゃないといった感じだったがお互いの落としどころをを探りあってなんとか話を詰めて、おおむね最初の見積もり通り、しかし最初の約束だった完成見学会を行わずその分の値引きなしというところに落ち着いた。納得はしていないけど、その規格住宅の標準の建具(※4)が品薄で発注不できず、注文住宅の標準の建具にグレードアップしてもらってたりしてたから予算オーバーもやむなしかなとも思ってる。

外構

 外構は別の業者と人件費0の作業員(自分)で作り上げる。車二台分の土間コンと敷地の6割ほどの防草シート施工、ウッドフェンスのアルミ支柱建てのみお願いして150万ほど。ちょっと割高だったような気もする。おしゃれな庭造りをしている業者を選んだのだけれども、結局これしかお願いしないんだったらもっと安いとこでもよかったような気もする。
 あとまた別の業者で物置15万くらい。マツモト物置かっちょいい。家の中に収納を一坪作るには50~100万(坪単価)のコストだと考えると、多少奮発して物置課金して、外にしまえるものは外にしまった方がいいと思う。
 残りの作業は自分との闘い。ライフワーク。今までさんざんアップしてきたので割愛。今年は芝を植えたいなあ。
 庭いじりしたい人、絶対したくない人、そもそも建ぺい率80%だよ糞がな人、いろんな人がいると思いますがとにかく共通していることは果てしない雑草との闘いをしなくていいように、ということを念頭に置きましょう。コスパ的にはザバーン+砕石が最強。
 ここで反省点。着工までは家のことで頭いっぱいで外構業者を探し始めたのは結構後になった。ほんとは庭と家は同時にプランニングした方がいいしそれこそそこまで面倒見てくれるビルダーだったらもっとよかったかなとも思う。結果として外構の工事が完了したのは引き渡しから9か月も後になるのであった。 

最後に

 そして思い立ってからほぼほぼ一年、2022年の7月に引き渡しとなった。その前後もセルフ登記するために法務局に通いつめたり、銀行の担当者にイラついたり、セルフ引っ越しするために1ヵ月かけて何往復もしたり、退去の時に子供たちが破壊したアパートの修繕費に絶望したりといろんなことがあるんですが大事なのはそこじゃないと思うのでこの辺で。
 ここまでが基本情報でした。ほぼほぼエッセイ。今後は情報収集編、基本性能編、住宅設備編、TIPS編と続けていければなあと思っています。140字では足りないどころの話ではない。誰にも読んでもらえなかったらひっそりと編集部都合の打ち切りになるかもしれません(小声)
 

注釈


※1 気候条件に合わせて国が定めた省エネ基準の地域区分。うちと檜原村、奥多摩町が同じ地域区分ってマジ?大事な部分なのでこれも別枠で。
※2 通常家を建てる際は土地を契約→着工→竣工の順番となる。しかし住宅ローンはあくまで出来上がった家を銀行に担保として差し出して初めてお金が振り込まれる。そこで問題になるのが最初の土地代や着工金、中間金どう払うの?問題。一般的にはつなぎ融資といって住宅が完成するまでの間住宅ローンより高金利、しかし無担保で一旦貸してもらって、登記が完了したら住宅ローンで返済するという流れ。この間の金利だけで数十万~工期や借入金次第では下手すると百万以上になることもあるので馬鹿にならない。
※3 あらかじめ決まった間取りと建材が決まっていて自由度はないけど間取りと条件さえ気に入ればスケールメリットがある分割安で建てられる。有名なのはゼロキューブやBinO。最近は大手住宅メーカーも対抗して間取りが決まっている割安プランを展開している。一条のあれとかめちゃくちゃ人気。
※4 建具 ドアや巾木などの住宅建材。家の雰囲気を決める意外ととっても重要な要素で、これもまた別枠で語りたい。ドアってとっても高い。
※5 総二階→一階も二階も同じ形の箱型ハウス。余計な手間がかからないので割安。片流れ屋根→一方向一直線の屋根。これもコストメリット。


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