おかげさまで3周年の犬
飼い犬ウーゴくん、去勢オス7歳と2ヶ月半。
保護団体から引き取って、我が家に来たのが
2020年の10月7日だった。
3年経つ。
※
秋分の日に、初めて会いに行った。
別の犬と2匹で一緒にケージに入っていた。
オヤツを差し出したが、受け取らなかった。
初対面なので、無理。
数日後、お散歩デートしに行った。
今度は室内でフリー。
とにかく部屋の隅へ逃げる。
おびえる犬に手を出すと、突然咬んでしまう犬も多い。
こういう時は、犬のほうからこちらに寄ってくれるのを待つ。
いや待ちきれん。
おびえる犬に手を出すと、攻撃されると思って反撃してしまう犬が多い。
手を出す時は、手のひらを下にして、まずは手の甲を嗅いでもらう。
いや嗅ぎにも来ない。
差し出された手を嗅ぐこともできないような、
臆病な犬に手を出すと、怖がって威嚇のために口が出てしまう犬はよくいる。
ところが、
職員さんは「撫でて大丈夫ですよー。」と言う。
うそん?
撫でてやろうと近付くと、部屋の隅に逃げる。
壁際に追い詰めて撫でる。非常にお気の毒な感じである。
緊張している犬を撫でようとして、上から手を出すと、怖がらせてしまう。
横から手をやって、耳の後ろとか首とかを撫でてやると良い。
さきほどから繰り返し思い浮かぶ常識は、
「うみくん」には当たらない。
うみくんはただただ身体を強張らせながら、頭を撫でられる。
※
ウーゴは、頭を撫でてもらうのが好きだ。
耳の後ろよりも首よりも、
額を撫でてもらうことが大好きだ。
額の黒い部分がちょうどイイ所で、
ここんとこを撫でてもらうと、ウットリと目を細める。
撫でるのをやめると、
「やめないで、もっと撫でて」と、お手をする。
そんなのカワイイので、
皆さん喜んで撫でてくれる。
※
こうなるまでに、2年近くかかった。
初めての人は怖がって近付けなかった。
でも、撫でてもらえると分かれば撫でてもらう。
しかし、ギリギリ手の届く所までしか近付かない。
撫でにくいので、人が一歩近付くと、
ウーゴはサッと離れる。
でも撫でてもらい続ける。
人々は皆、腕を伸ばし切って撫でるのだ。
※
昨年の冬は、毎晩一回必ず抱き上げる、ということをした。
抱かれるのは苦手だったので、
慣らすためだ。
これで、また少し私と(人と)の距離が縮まった。
以前は、両手で包むように撫でようとしたら逃げていたが、
今は肩を抱かれても逃げなくなった。
最初は、ドッグランで会う人だけは撫でてもらうことができたが、
今では、道ですれ違う初対面の人にも撫でてもらえるようになった。
※
「頭を撫でてもらうことが好き」
という性質を持っていたので、
人に近付くことができるようになっていったのだ。
良かった。
よく考えると、
「撫でてもらうときもちいい」のは
多くの犬がそうだろうから、
人に懐く可能性はみんな持っているだろう。
どれくらい撫でてもらうことが好きか、
どんな経験をしてきているか、
どのように飼い主や周囲の人が接していくか。
それによって、
犬の開け具合が変わっていくのだろう。
別にあんまり人とベタベタしたくない犬もいるだろうし、
深いトラウマを抱える犬もいるだろうし、
あっさりした飼い主さんもいる。
なにも、どこの犬も撫で撫でイチャイチャすべきだとは思っていない。
※
ウーゴは根っこが甘えん坊だった、ということなのだろう。
※
久しぶりに、ちょっと遠いドッグランに行ってきた。
先客が3人3頭いた。
場内のすみずみを嗅いで回った後、
ウーゴは立ち話している飼い主さんたちの足元に近付いて、
撫でてくれないかなー、と見上げていたが、
そうとは知らない初対面の人たちなので、
撫でてもらえなかった。
「もっと」のお手はするけれど、
最初に「撫でて」のお手はしないのだ。
すれば撫でてもらえそうだが。
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