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おかげさまで3周年の犬

飼い犬ウーゴくん、去勢オス7歳と2ヶ月半。

保護団体から引き取って、我が家に来たのが
2020年の10月7日だった。
3年経つ。

秋分の日に、初めて会いに行った。
別の犬と2匹で一緒にケージに入っていた。
オヤツを差し出したが、受け取らなかった。
初対面なので、無理。

数日後、お散歩デートしに行った。
今度は室内でフリー。
とにかく部屋の隅へ逃げる。

おびえる犬に手を出すと、突然咬んでしまう犬も多い。
こういう時は、犬のほうからこちらに寄ってくれるのを待つ。

いや待ちきれん。

おびえる犬に手を出すと、攻撃されると思って反撃してしまう犬が多い。
手を出す時は、手のひらを下にして、まずは手の甲を嗅いでもらう。

いや嗅ぎにも来ない。

差し出された手を嗅ぐこともできないような、
臆病な犬に手を出すと、怖がって威嚇のために口が出てしまう犬はよくいる。

ところが、
職員さんは「撫でて大丈夫ですよー。」と言う。
うそん?

撫でてやろうと近付くと、部屋の隅に逃げる。
壁際に追い詰めて撫でる。非常にお気の毒な感じである。

緊張している犬を撫でようとして、上から手を出すと、怖がらせてしまう。
横から手をやって、耳の後ろとか首とかを撫でてやると良い。

さきほどから繰り返し思い浮かぶ常識は、
「うみくん」には当たらない。
うみくんはただただ身体を強張らせながら、頭を撫でられる。

ウーゴは、頭を撫でてもらうのが好きだ。
耳の後ろよりも首よりも、
額を撫でてもらうことが大好きだ。

額の黒い部分がちょうどイイ所で、
ここんとこを撫でてもらうと、ウットリと目を細める。

撫でるのをやめると、
「やめないで、もっと撫でて」と、お手をする。

そんなのカワイイので、
皆さん喜んで撫でてくれる。

こうなるまでに、2年近くかかった。

初めての人は怖がって近付けなかった。
でも、撫でてもらえると分かれば撫でてもらう。
しかし、ギリギリ手の届く所までしか近付かない。

撫でにくいので、人が一歩近付くと、
ウーゴはサッと離れる。
でも撫でてもらい続ける。

人々は皆、腕を伸ばし切って撫でるのだ。

昨年の冬は、毎晩一回必ず抱き上げる、ということをした。
抱かれるのは苦手だったので、
慣らすためだ。

これで、また少し私と(人と)の距離が縮まった。

以前は、両手で包むように撫でようとしたら逃げていたが、
今は肩を抱かれても逃げなくなった。

最初は、ドッグランで会う人だけは撫でてもらうことができたが、
今では、道ですれ違う初対面の人にも撫でてもらえるようになった。

「頭を撫でてもらうことが好き」
という性質を持っていたので、
人に近付くことができるようになっていったのだ。
良かった。

よく考えると、
「撫でてもらうときもちいい」のは
多くの犬がそうだろうから、
人に懐く可能性はみんな持っているだろう。

どれくらい撫でてもらうことが好きか、
どんな経験をしてきているか、
どのように飼い主や周囲の人が接していくか。

それによって、
犬の開け具合が変わっていくのだろう。

別にあんまり人とベタベタしたくない犬もいるだろうし、
深いトラウマを抱える犬もいるだろうし、
あっさりした飼い主さんもいる。

なにも、どこの犬も撫で撫でイチャイチャすべきだとは思っていない。

ウーゴは根っこが甘えん坊だった、ということなのだろう。

久しぶりに、ちょっと遠いドッグランに行ってきた。

先客が3人3頭いた。

場内のすみずみを嗅いで回った後、
ウーゴは立ち話している飼い主さんたちの足元に近付いて、
撫でてくれないかなー、と見上げていたが、
そうとは知らない初対面の人たちなので、
撫でてもらえなかった。

「もっと」のお手はするけれど、
最初に「撫でて」のお手はしないのだ。
すれば撫でてもらえそうだが。

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