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チュウゴクアミガサハゴロモとの遭遇

ひどい雑草やかぶれる虫などを駆除することを、
自分のブログの中で「戦争」と言っているのだが、
こと、この虫の場合は角が立つ。

いつもなら
「チュウゴクアミガサハゴロモ戦争」というタイトルにするところだけれど、
やめておく。

毎朝通っている近所のドッグランの中の植木に、
年に2回、ヒロヘリアオイラガの幼虫が発生する。
毒刺毛が有り、触れると激痛で水ぶくれになるという。

その木の枝に、白いフワフワの虫がたくさん付いている。

私がヒロヘリアオイラガの付いた葉っぱを高枝切鋏で取っていると、
散歩に来た人が、「これはカイガラムシですね。」と言う。
うーん、多分そうでしょうね。
と、答えたが、自信は無い。

カイガラムシの幼虫と、アミガサハゴロモの幼虫は、よく似ている。
よーく見れば違うのだけど、遠くから見たら似ている。
樹液を吸うということは同じである。

カイガラムシの成虫は、樹木の表面に貼り付いて、
自分の身体を蝋だかなんだかで覆う。
こびり付いて、動かなくなるのだ。
あれ?
いつどうやって産卵するのだろう。
詳しく知らない。

アミガサハゴロモも、同じカメムシ目ヨコバイ亜目だ。
白いフワフワから脱皮して成虫になると、
いかにもヨコバイらしい形になる。
小さいながらにセミに似た形の頭部だ。

同じ木に、黒っぽい小さめの蛾がいっぱいとまっている。
刺激すると、ピッ!と跳び去ってヒラヒラ飛ぶ。
妙な飛び方をする蛾だな、と思う。

そこへ、また別の飼い主さんが散歩に来た。
「あっ、これ、ウチの庭木にも付いて、調べたの!
中国産の、蛹にならないで成虫になる、なんとかっていう、なんだっけ」

蛹を経ずに成虫になるというのは不完全変態で、ヨコバイっぽい。
じゃあこれ、蛾じゃなくて、ヨコバイか。
そこいらにいる白いフワフワは、これの幼虫か。

調べてみると、
十数年前に既に日本国内で見つかっているようだ。
黒っぽい茶色、鱗粉の無い感じ、
翅に有る小さな白斑の三角形など、
チュウゴクアミガサハゴロモの特徴で間違い無い。

早朝ドッグランの常連たちは、
「きゃー」とか「ひー」とか言いつつも
怖いもの見たさで見られる人は見る。

ヒロヘリアオイラガの小さな幼虫を、葉っぱの食痕をたよりに見付けることも
みなさんどんどん上手になっていく。
面白い。

「あそこのあれは何ですか?」
どこのどれ?どれどれ?

指差す先の葉っぱに、直径1cmあまりの白いフワフワの塊が付いている。
卵塊だ。

ほら、よく見ると、白いフワフワの下に、
小さな粒々がいっぱい有るのが見えますよ。

「ひー」

「じゃ、これも?」
あ、これは蜘蛛ですね。
蜘蛛の卵塊かもしれない。

「これは何ぃ?」
別の人が幹を指差す。

翅を縦に閉じた形でとまっている。
アオバハゴロモだろう。

数日後、庭木の手入れをしていたら、
ライムの木にチュウゴクアミガサハゴロモの幼虫と成虫がいた。
やれやれ。ウチにもいたわい。
もしかすると、以前からいて、アオバハゴロモの幼虫やカイガラムシだと誤認していたのかもしれない。
そんな気がする。

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