Edge

ヴラッドセミナーの振り返り(東京)

東京のヴラッドセミナー。
土日のセミナーテーマはEdgeということで、ナイフワークでした。

今回、大阪と東京でのテーマは異なりましたが、ヴラッドは常にオープン・ソフト・リラックス、の3つを言い続けていたように思います。

ヴラッドのセミナーではいつものことですが、数え切れないような量のワークをするので、一個ずつのワークを全部書くと1年くらいかかりそうです。
そういえば、ヴラッドはワークのメニューをどれくらい考えてきているんでしょうか。
あれだけのセミナー量をこなしていれば、その場その場で浮かんでくるものなんでしょうか。近しいインストラクター陣はテーマこそあれ、ワークはあんまり考えて来ないと言う方が多いので(実際のところはどうかはわかりませんが)、ヴラッドもそうなのかなと思いつつ。あれだけのワーク数が場によってバンバン変えられていくのを見ると、決まった通りに動かされているような気にもなります。
DVDで観た、「ナイフマスタークラス」の内容ともまた違うワークが多かったので、ストック数がそもそも多いうえに、きちんと整理されているのでしょう。
僕なんかは結構セミナー数もクラス参加数も増えてきているはずで、ワークの種類もそれなりに知っているとは思うのですが、パッと出てくるかといわれると難しいなと思います。(5s大事)
ここらへんはAZ(アウトプット前提)ができているのかというところが大きいような気もします。
今何の本を読んでいるのか気づかれた方も多いかもしれません。
そうです。今は「インプット大全」を読んでいます。
AZはアウトプット前提の頭文字を取った略語ですが、ようはインプットするときにも、アウトプットを前提としないと自分が理解するだけで終わってしまうが、アウトプット前提にすれば自分で説明しなくてはいけないので、もう一段深い学びになるということです。
なので、インストラクターはインプットするにしても、誰かに教える・伝える前提で学んでいるので、その分学びも多いのではないかと思います。

ワークを唯並べていくのもなんなので、今回の東京での特別クラス3日間とEdgeセミナーの中で自分が気に入ったワークトップ3を今回はあげてみたいと思います。

1位 7秒間ストレッチ ヴラッド特別クラス1日目

名前は適当です。まず腕をパートナーに軽く引っ張ってもらい、テンションが少し入るくらいのところで止めます。引っ張られている方はそこで呼吸をして、身体の内側からリラックスします。7秒経ったら、逆の腕、脚へと移ります。(相手がリラックスしてきたからといって、さらに引っ張らないように注意)
脚の時は一つの例として、スポーツなどでよく行われる腰のストレッチのように、逆脚の方向に引っ張るというのもやっていました。
僕は首もパートナーに引っ張ってもらいましたが、かなりリラックスできたので、おすすめです。

これが1位の理由としては、オープンの感覚を簡単に味わえるからです。自分から主体的に動くと手首を回すという動きだけでも、肘や肩を使ってしまい、どうしてもクローズの方向に向かってしまいます。ところがこのオープンにしていく感覚を使うと、他の身体の部位もオープンになっていくようで、閉じる動きにならないのでどこにも当たらずにのびのび動ける感覚がつかみやすくなります。最近はシャシュカをこの感覚で上げようと試みていますが、なかなか難しいですね。

ただ、このワークの欠点は一人ではできないことですね。やはりパートナーは大事ということでしょうか。深いワークです。

2位 プッシュアンドムーブ×アイソレーション ヴラッド特別クラス2日目

システマのワークといえばプッシュアンドムーブという感じもありますが、やはりこれです。押されたなりに動く。言葉にすると単純ですが、ヴラッドがやると途轍もなく高度に感じられるワークです。
今回はこれにアイソレーション(各部位をそれぞれバラバラに動かすこと)をかけ合わせることでより高いレベルを見せられた気がします。
特に胸を押されたときにはかなりうまい人でも脚に逃がして、脚が動くということがあるのですが(というよりもそこだけで耐えるのではなく、他の部位も動かして流していくというのは基本なのですが),
ヴラッドはそうではなく胸だけを動かすんだということで、胸の可動域だけで受けていっていました。受けるというと感じが違うのかもしれませんが、ヴラッドがやると他の部分は動かない代わりに胸と背中が本当によく動き、人間の身体ってそんなに動くものなのかとあっけにとられます。
ヴラッドはミカエルの胸を押したときに「沼のような感覚」がしたと言っていました。底なし沼のように抵抗なくずぶずぶと入っていってしまう感覚といったところでしょうか。ミカエルのマッサージをしたときに感じましたが、身体の中にテンションがないので不思議な感覚がしたのは覚えています。

動きはソフトでリラックスしているべきだ。とヴラッドはよく言います。自由自在に身体のあらゆる部位が動くので、本のEdgeの初めに書いてあるように、「クリエイティブ」で「自由」をまさに体現しているのがヴラッドといえるのではないでしょうか。

今回は “Like a machine” と何度か言っていました。ジェームス・ブラウンのことではありません。システマでよく言われる自然な動きと真逆のような言葉なので、少し聞きなれない言葉ではありましたが、全身の各箇所が自動的に精密に動いていくような感じかなと思います。
四肢だけでなく、ありとあらゆるところが同時に動いているので、ヴラッドと対峙していると何が起こっているのかわからなくなることがよくあります。

今回大阪では両手で違う数字を書いていくなど、四肢で同時に違う動きをしていくというワークをいくつかやりました。一つのことに集中してしまうと、他がおろそかになってしまい、なかなか同時に動いていくのは難しいです。プッシュアンドムーブをしている時などでも、右手で押したときに脚が止まってしまったり、左手が動かなくなってしまうことが多くあるので、そういったこともこうしたワークに繋がっているのではないかと思います。

3位 波(もしくは蛇っぽい動き)(フィギュア8) 東京セミナー(日曜)

とてつもなく言葉にしにくいわーくなのですが、ヴラッドに質問した時に “Like a wave”と言っていたので、波にしときます。大阪で質問したのですが、東京のナイフバージョンの時もデモに呼んでもらえたので、覚えてたのかな?と思い、印象に残っています。

ヴラッドの色々なビデオで出てくるので、見たことある方は多いと思います。ストライクやナイフを刺してくる動きに対して、それに沿わせるように腕を使っていき、流れに乗りながら腕が円を描くように相手に返っていった結果、ヴラッドのストライクが命中している。
押してきた相手を払いのけたり、止めたりするのではなくそのまま乗っていくので、やられている方からすると、自分の動きは止まっていないからそのまま動こうとしていると、いつの間にかストライクが自分に返ってきている感覚で避けられません。というかそもそも見えていないので、何が起こっているのかわからないことが多い(9割)です。

“Movements should be always so relaxed.” ヴラッドはよく言いますが、ヴラッドの動きは常にリラックスしている、もしくはリラックスするために動いているので、当たり所がなく、無駄な動きもないので、知覚できないのです。

同じように動こうとすると、僕の場合特に内旋の動きがどうしてもつまってしまい、自分の動きを制限することになってしまっています。

他にも、相手の両肩を背中から持ちハンドルを回すようにしてテイクダウンするワークを少しやりましたが、その時にも「自分で自分をロックしてしまっている」とヴラッドに言われました。

1位のワークの時にも書きましたが、自分を制限しないように動く、オープンにしていく。オープンに、ソフトに、リラックスして動く。

去年(2018)のセルゲイ@大阪セミナーでやっていた、セルゲイ体操。(指先から動かして、徐々に身体全身へと動きを大きくする→小さくしていき動きを内側に留める)このワークはかなり好きなワークなのですが、このワークが突破口にならないかなと模索しています。(流れが逆と言えば逆ですが)

セミナーで印象に残ったワークは人それぞれ違うと思うので、シェアクラスもインストラクターによって全く異なり、それも1つの醍醐味かなと思います。

インプットしたものが自分の血となり肉となるのは10年後くらいなものらしいので、気長にみんなで練習していきましょう。

※参考図書 「学び効率が最大化する インプット大全 樺沢紫苑著」

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