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2023年ワダデミー賞ブックス部門

皆さん、こんにちは。
元旦、早々の大地震が起きました。
皆さん、ご無事でしょうか。
一刻も早く復興し、日常が戻ることを祈ります。
災害が起きるたびに国土強靭化と地政学リスクについて考えさせられますが、それぞれの土地と文化については常々考えていかなければならないのだと改めて思います。

必要な情報をテレビやSNSで集めるのは良いと思いますが、不要に見すぎると体調等が悪くなる方もいると思いますので、情報収集は適度に行ってください。
特に、影響を受けやすい方は気をつけてください。

どんな時でも、できる事をできる時にできる分だけ。
ムードには流されないように、昨日はシステマ川崎の初クラスも行いました。今日はワダデミー賞のブックス部門も発表させていただきます。

初クラスは余計なものを脱いでいった結果、周りとの境界線が曖昧になり、感覚が開いていく。さらに、脱いだ結果残った骨を意識すると自分が立っていくのを感じるワークになりました。
境界線が曖昧になると自分の中に受け入れすぎてしまうこともあるので、自分を明確にしていくのが大切だと感じました。
寒い中でしたが、参加してくださった方々のおかげでワークが育まれていく感じがありました。
ありがとうございます。

さて、ワダデミー賞のブックス部門の発表に移りたいと思います。
まずはマンガ部門からー。

【マンガ部門】
「金色のガッシュ‼2 雷句誠著」3巻
「ダイヤモンドの功罪 平井大橋著」4巻

迷いに迷いましたが、決めきれなかったので2冊。
「金色のガッシュ‼2」ではついにティオが前作とは全く違う姿で登場しました。
ガッシュ・キャンチョメ・ティオのそれぞれと、それぞれのパートナーの前作からの成長が見られ、前作以上に感動してしまいます。

そして、「ダイヤモンドの功罪」です。
あらゆるスポーツの才能を持って生まれてしまった小学生の、天才が故の孤独と周りとの上手くいかなさ。自分なりに上手く周りに合わせようとすればするほど浮いてしまう様と、親やコーチからの期待との差があまりにも残酷で、よくもこんなストーリーを描けるなと思いつつ、ページをめくる手を止められない。傑作のひとつです。

ちなみに今は反転術式を攻略するために、「呪術廻戦 芥見下々著」を読み直しているところです。1月4日の新刊発売が待ち遠しいー。

【映画関連部門】
「ハリウッド映画の終焉 宇野維正著」

最新の話題作かと、現在ハリウッドを取巻く環境・文化から見えてくる問題点を直視する1冊。〈不都合な真実〉を見つめた時に浮かび上がってくる課題と希望。
「2023年年間ベスト&2024年の注目映画!」の中の町山さん・宇野さんの対談(ハリウッドの現在、そして映画の未来)と合わせて読むと、より深く現在を取巻く環境(ボイコットなど)を理解できると思います。

〈映画〉という危険物とそれを作る監督。
それを観ていくこと、追っていくことの意義を再確認させられた1冊でした。

【エッセイ・その他部門】
「言語の本質 ~ことばはどう生まれ、進化したか~ 今井むつみ×秋田喜美」

〈言葉を使うために身体が必要か〉を1つのテーマとして、人間がいかに言語を獲得していくのかをオノマトペとアブダクション推論の2つから探っていく。特に、観察データを説明するための仮説を形成するアブダクション推論は、人が学んでいき新しい物事を発見する、修得する際の学ぶ力の源とも言え、非常に興味深い概念でした。
「ことば、身体、学び ~「できるようになる」とはどういうことか~ 為末大×今井むつみ」、「熟達論 為末大著」の2冊を合わせて読むと学ぶということがどういうことなのかを、学ぶことができると思います。

【実用部門】
「JUST KEEP BUYING ~自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則 ニック・マジューリ著、児島修訳」


NISAの改正が始まった24年。今まで以上に投資について考える方も増えるのではないでしょうか。
アメリカでの視点で書かれているため、直接的なアドバイスがあるわけではないのですが、自身を知るということが1つのテーマになっており、流行り言葉でもあるF.I.R.Eについても不用意に目指すものでもないことを、人生を大事にするための理由とともに語られており、非常に勉強になる1冊です。
〈やり方〉、の前に〈どうありたいか〉を考えることから始める必要があるのかもしれません。

【小説部門】
「未必のマクベス 早瀬耕著」
ノミネートでの発表通り、今年のワダデミー賞小説部門はこの作品で決まりです。
繰り返しになりますが、この小説を読んだ後は他の小説を読む気がなくなってしまい、物語の力を失ったこの世界に生きる価値があるのかを考えてしまうくらいのインパクトがありました。
ハードボイルドでありながら、純愛の趣もあり、緻密ながら、なめらかで読みやすい。不思議な1冊。

この本はたまたま手に取った本で、それまで早瀬耕さんという作家さんを知りませんでした。現在では何作か出されているようですが、デビュー作の「グリフォンズ・ガーデン」から2作目の「未必のマクベス」までは22年かかっているとのことで、2作目にそこまで時間をかけたからこその傑作なのか、他の仕事をしていたからなのか。
デビュー作含めて読むべきかどうか未だに悩んでしまう作品です。
ちなみにあれからほとんど小説は読めていません。
ショックは乗り越えているはずなので、近々また面白い出会いがあるといいなと期待しています。

今年は波乱の年明けになっています。
気をつけることはしつつも、影響を受け過ぎず、穏やかに暮らしていきましょう。
ではまた。

※参考文献
「ele-king cine series 2023年年間ベスト&2024年の注目映画! 株式会社Pヴァイン発行」

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