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機械や人工知能の進歩との共存を考える #寺田次郎 #六甲学院 #放射線科不名誉享受 #2017年7月22日
最近は人工知能の話題が沢山あります。
若手棋士も人工知能と戦うのではなく、切磋琢磨してニュースの中心になりました。
同じようなことは現在放射線科分野でも進んでいます。
人工知能を使うのか、使われるのか、どちらが正しいのでしょう?
患者さんの希望にもよるのでしょうが、画像診断機器や電子カルテの進歩した時と同じで、人工知能を含む機械との正しい距離感と関係性の構築が大事ではないかと思います。
人工知能が学ぶのは各分野の秀才や天才の思考プロセスです。
しかし、ノイズや政治的諸々があって、最後に判断するのは人間であるべきだと思います。
時に機械が担当医師や患者の理解を超える場合もあると思いますが、その時にどうするべきかという答えをこれから医療社会が形作っていくと思います。
暗記や検索に関しては機械が優れていますので、暗記主体の勉強からその内容の評価能力や運用能力の方が大事になると思います。
放射線治療なんかは専門家が切り開いた標準治療やその亜型を考えて選ぶ能力があれば典型症例では問題なく、画像診断はある程度の幅の疾患理解とそれを超えた時のコンサルタントシステムが確立していけばいいわけで、放射線科は人工知能に奪われる仕事の分の仕事や共存の在り方を考えないといけませんし、それらが非放射線科医師の立場や役割も変えるので、各医師の立ち位置や生活が大事になります。
機械を使いこなせなくても、機械に使われて幸福ならそれはそれでいいでしょう。
患者さんと医学の間にいる医師の横に人工知能が現れただけですから。
国家試験や研修医制度が大きく変わるとは思いませんが、医学生や研修医の皆さんでキャリア像や生き方を議論されるといいかもしれません。