書評 #銀河英雄伝説 21 #地球教 #田中芳樹 #藤崎竜 #上智大学 #スパイ #六甲学院
銀河英雄伝説21巻
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「戦争の本質は変わらない」
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バーミリオンの死闘。
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25から23巻まで逆に来て、22巻が見つからない。
それで21巻。
逆から見ると、それから、その後の結末の大筋を見てみると、佐藤優や手嶋龍一の本で学んだ通り、書かれていない事、作中で写っていない事の意味が大きいと分かる。
つまり、策中の帝国軍にも、同盟軍にも、多数の地球教徒の協力者や洗脳のかかった人間がいるという事だ。
洗脳のかかり方から地位や名誉まで様々な役割分担がある。
その中で胡散臭いのは、自決した指揮官たちの一部だろう。
そんなこと書いていると、1月21日の産経新聞は女性をさらって工作員にするくだりが出ていた。
いや、思えば、アニメ版の最後で、ラインハルトが死ぬときに、オーベルシュタインが地球教徒を呼び寄せて、大主教が殺害されるシーンも懐かしい。
そして、オーベルシュタインは、偽情報の部屋にいて、ラインハルトとその家族の代わりに死んだ。
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とうの昔にトリューニヒト派の軍人ばかり引き上げられた同盟軍の実際。
ヤンは違うけど、ヤンの周りで武勲をたてた人間たちはどうか?
エルファシルのロムスキーがフレーデリカの母親のかかりつけ医だとか言うのは、よくできた話だ。
それぞれが関係なくても、事務やナースその他のコメディカルに何人でも放り込める。
原作の書かれた時代にスマホはなかったが、小型カメラや盗聴の道具などいくらでもあり得る。
そのへんも、スパイラルラビリンスという外伝の方がリアルかもしれない。
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そんな感じで、この巻のバーミリオン会戦もあらゆるタイミングがギリギリで調整される。
創作だからと言えばそうだが、もしも、空想と現実のギャップを埋められるならインテリジェンスの存在だ。
そこに地球教以外の宗教団体やその他の利権団体も噛んでいるのだろうか?
現場の戦死者や艦隊の損傷を増やすために。
それは、予定された戦争であったという第一次世界大戦と第二次世界大戦にも似ている。
財閥や王侯貴族のショーに過ぎない。
初代のアニメ版を思い出せば、アスターテの開戦はなにかそういう雰囲気だった。
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たぶん、地球教徒と言うかフェザーンの目論見は、ラインハルトをヤンに殺害させ、帝国軍の群雄割拠にしたのち、ヤンに版図拡大させて、それを政治家が抑えるというあたりだったのだと想像される。
帝国の内戦のフェーズは諸々あって兵士も艦隊数もそこまで減らずに終結したが、原作者だけでなく戦争を動かく権力者もすぐさまシナリオを書き換えたのだろう。
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こういうアイデアを、現行のウクライナ紛争や台湾海峡の一触即発の状況にも適応できるだろうか?
地球教が特定エリアの宗教連合と仮定すればいい。
世の中には宗教以外のグループやネットワークも多々ある。
そうやって考えると、佐藤優のイギリス編は凄く良い描写がある。
他の職業に変わることを外務省が潰さないのは、適性ややる気のないものを引き留めるよりも、他の職業に代わることを支援して、そこでのネットワークや情報を引っ張るほうが組織として有益だから。
外交は政治経済の延長。
ならば、外交の仕事をよく理解したうえで、政治経済の分野に戻る人材も役に立つ。
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それで、ふと気になってみてみると、原作の田中芳樹は京大だと覚え違いしていたが、1952年生まれ、熊本の高校から学習院大学。
実際、戦後日本社会が固まる前で好景気に沸いていく時代。
初期作品でKGBが善玉で描かれているというのをwikiで見つけた。
全てがカヴァードストーリーなのかもしれないが、面白いのが旧ペンネームの李家豊(りのいえゆたか)。
ユダヤの13の血族化なんかの陰謀論で流れてきた。
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ま、それはともかく、次の就職先をゆるゆる探さないとね。
どうせ、ほぼ軍事兵器であることを維持するほかに生きる道もないというか、何もする元気が残っていない。
アレなお医者様が、アレをアレして共食いして数が減れば希少価値も出るだろうか?
佐藤優みたいに一部チャーミングなキャラとかとなりのトトロに似た可愛い風貌だったら人生も面白いのだろうけど、僕の本性は面白みもない。
彼女もいたことなければ、そこそこまともな女から見て火遊びする気も起きないのは、要するに生活や人格に問題があるから。
反社の大学権力に潰されているしな。
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並みに毛が生えた程度の素質で抜群の能力をもつには生活や人格を犠牲にするしかない。
それをやっても、潰されて、家族やなんとかまで潰しに乗っかる現実に負けるのはそんなに恥ずかしいことでもないだろう。
上智大学幹部の李聖一先生が進路指導で神父を進めてきた。
無理やり医者にする母親。
お前に医者になれと言った覚えはないと無茶な罵倒した父親。
父親はことあるごとに他人は結果で判断すると伝えてきたが、やはり、僕はどこかで拾われた子どもかなんかなのだろうか?
他人に他人として接されるほうが、まだましだ。
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そうすると、新聞置き場や近所の席に、小さな子供がやってくる同調圧力。
地球教徒か?(笑)
1M足らずの膝上サイズのおとなしい子供はかわいい。
しかし、やがて、ろくでもない大人ばかりになる。
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しょうがない。
隔離された世界で、ある瞬間を切り取るから一定数の子供がかわいいだけであって、全ての動物はエゴだらけだ。
エゴとエゴがぶつかれば醜く見えたり、嫌いになって当たり前。
そういう意思や意見を束ねて政治や宗教は運営される。
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そろそろ、悪魔の京大講義とか読み始めようか?
学生を効率的に戦場に送るナチス理論。
佐藤優の本のセレクトは実に素晴らしい。
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戦場に送られるバカ、指導するバカ、殺されるバカ。
眺めるバカ、儲けるバカ、どうせバカなら腐敗したっていいじゃない。
腐敗するくらいなら、寝ていてもいいじゃない。
昨日の、埼玉県立浦和高校のレビュー書き終えたときもひどかったが、まだアルコールと嫌な記憶は残っているようだ。
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ちなみに、ゼロ戦が改良されずに日本が敗戦したとか、中身のない紙風船爆弾のくだりに、佐藤優の本に書いていないアメリカ本土に到達した日本兵の話を加えれば、綱渡りだったが、おそらく、日本とアメリカが水面下でツーツーと言う話に繋がる。
吉田茂が首相を務めたことも含めて、日本の権力の歴史。
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戦術が洗練されていないけど、膠着して、補給路が立たれたり、無駄に泥沼の戦争を各所で続けたり、案外、戦争の歴史はこんなフィクションでも重なるよね。
権力闘争。
消費される命、物資、暗躍する宗教。
2023年1月21日15時55分