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優れた出版企画書と妹の投稿ハガキの共通点

はじめまして。
古川書房の古川創一と申します。
以後、お見知り置きを。


みなさんが気になる出版企画書について


今日のお題はズバリ、出版企画書について、です。

前にTwitterで「出版企画書」について投稿したところ、思いのほか、反応があって驚いたことがあります。みなさん、「出版企画書の書き方」に関心があるだろうということで、一番初めの投稿のネタにしました。

まず、いきなり質問ですが、出版企画書のどういうところを知りたいと思っていますか?

もし、出版企画書に書くべき項目とそのポイントの押さえ方だとしたら、それに対する答えはこちら。

・仮タイトル(何をテーマにしているかすぐにわかる)
・企画概要(なぜこの本が必要とされているのか、ざっくりとした内容)
・著者プロフィール(なぜ私がこの本を出すのか、自分の権威づけ)
・予価、サイズ
・読者対象(どのような人がこの本を読むのか)
・目次構成(ノウハウがわかるように工夫する)
・類書(テーマや読者対象が似ている本)
・類書との差別化(類書とどこが違うのか、どこが優れているのか)
・サンプル文章(口語体で読みやすさ、具体例も大事)

シンプルにお伝えするとしたら、こんな感じになるでしょう。

ただ、こういう書き方だけでは、ある視点が欠けているため、
及第点とは言い難いところがあります。

何が欠けているのか。
それはズバリ「編集者にウケるかどうかという視点」です。

どうすれば編集者がウケてくれるのだろうかをしっかりと考えて、出版企画書を提出する人は、正直なところ、あまり多くありません。出版企画書を送った先の相手がどう感じ、どう思うのかを意識して、出版企画書を作るだけで出版化の可能性は広がっていきます。


いい出版企画書と妹の投稿ハガキとの共通点

受け取る相手がどう感じるのか。

これは出版企画書だけではなく、転職活動に必須の履歴書や職務経歴書、はたまた雑誌に掲載してもらうための投稿ハガキも同じことが言えます。

もう30年近く前の話になります。私の妹は当時中学生か高校生で、とある雑誌に投稿し、頻繁に掲載されていました。その雑誌を定期購読する人にとっては、軽い有名人になっていたかもしれません。

なぜ、妹の投稿ハガキが掲載されるのか、見せてもらったことがあります。非常に簡単な話で、とにかく色鮮やかで目立つのです。雑誌の巻末に色々な投稿ハガキが並んで掲載されており、その中にあっても妹のハガキには存在感があるのです。

「目立つくらいの方が雑誌映えする」

そんな目論見をこそっと教えてくれたのを覚えています。確かに鮮やかな色のハガキがあったほうが紙面として、見栄えが良くなります。当時の妹は編集者目線でハガキを描いていたのだろうと思い、時を超えて不覚にも感心させられました。


編集者が注意してみる企画書の項目とは?


「編集者のことを考えて出版企画書を書くべきと言うが、どうすればいい?」

そんな疑問が出たかもしれません。
最低限、ここは押さえておくべきと言うのを今日は最後にお伝えしようと思います。

①仮タイトル
②著者プロフィール
③目次構成
④サンプル原稿



なぜ、これらが大事かを説明します。

①は何のテーマでどんな内容かを知ってもらうためです。ここで上手なタイトル付けができれば、一気に編集者を惹きつけられるのですが、ちょっとそれは求めすぎなのかもしれません。
ただ、語ることが多いので、日を改めて紹介していきます。

②は「誰が書いているのか」です。ここをしっかりと書けると、「なんて魅力的な人、この人の本を読んでみたい」と編集者の読者心をくすぐることができます。
ここも語ることが多いので、また日を改めて。

③はいわば、本のプロットですね。ノウハウがあるのかどうか、コンテンツとして魅力があるのかどうかを判断されます。目次だてが上手いとグンと企画通過率が高まります。
ここも①②と以下同文。

④は書けるかどうか、ノウハウがあるかどうかを見るためです。文章が上手いことは必須ではありません。
ここも今までのものと以下同文。

くれぐれも注意したいのは、①〜④以外のものを書かなくていいというわけではありません。時間とエネルギーをかけるとしたら、①〜④にかけて欲しいというぐらいです。

編集者がどう思うかを気にしながら、緩急つけて出版企画書を書いて欲しいと、
今日いちばんのメッセージはこれでしょう。


紙芝居は未来の出版企画書?


出版企画書のことを一気に書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。

正直、もっと詳しく書きたいのですが、長くなりすぎるので割愛しました。

要は、「出版企画書を書く上で、編集者がどう感じるのかを意識して」と強く言いたいのです。

その視点さえあれば、出版企画書を紙芝居のように作ってもいいかと思います。

A4横にして、右半分に写真や図を入れて、左側には説明文という体裁で、
全10ページ前後の出版企画書があっても、個人的には構いません。

私の知り合いに、TV番組の企画書をこの紙芝居のように作っている方がいます。

相手が関心をもって読んでもらうためには、形式にこだわらなくてもいいと思いますし、紙芝居形式の出版企画書が流行る未来もあるかもと期待して待っています。

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