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名探偵コナン映画「天国へのカウントダウン」のラストシーンは現実に可能か? 〜爆風を利用した車の飛距離シミュレーション〜

名探偵コナン映画「天国へのカウントダウン」のクライマックスで、主人公たちが車で隣のビルに飛び移るシーンは、非常に印象的な名場面です。しかし、このシーンが現実の物理法則に基づいて実現可能かどうかを考えたことがあるでしょうか?

今回は、映画のシーンが現実で再現可能かどうかを、簡単なシミュレーションを通じて検証してみます。具体的には、車の速度、ビル間の距離、高低差、そして爆弾の威力を考慮に入れて、理論上この飛躍が可能かどうかを探っていきます。


前提条件の設定

シミュレーションを行うにあたり、次のような条件を設定しました。

ビル間の距離: 50メートル

ビル間の高低差: 20メートル

車のスピード: フロア内の広さを考慮し、50〜60 km/h

爆弾の威力: 500kgから1トンのTNT火薬による爆発

爆発のタイミング: 車が窓を突き破った瞬間

リアゲートを開けた状態: 爆風を最大限に受けるため


爆発なしの場合の飛距離計算

まず、爆発なしで車がどれだけ飛べるかを計算しました。20メートルの高さから落下する間に進む水平方向の距離は、初速50 km/h(約13.9 m/s)の場合で約28.08メートル、60 km/h(約16.7 m/s)の場合で約33.74メートルとなりました。これでは50メートル離れた隣のビルに届かず、現実的には飛び移ることは不可能です。


爆風を考慮した飛距離計算

次に、爆風が車に与える影響を考慮しました。爆風による追加の推進力を仮定して計算すると、車の合計速度は63.9 m/sから66.7 m/sとなり、飛距離は129メートルから135メートルに達する結果になりました。これは、隣のビルまでの距離を大きく超える飛距離です。この条件下では、車が隣のビルに飛び移るだけでなく、勢い余って向こう側にダイブすることになりそうです。


映画のシーンと現実の比較

理論上、爆風を利用すれば車が隣のビルに飛び移ることは可能です。しかし、現実には多くの不確定要素が絡み合い、このようなシーンが実際に再現される可能性は極めて低いと言えます。爆風の方向や車体の耐久性、制御の難しさなどがその一因です。


まとめ

「天国へのカウントダウン」のラストシーンは、計算上は現実でも可能性があることが分かりましたが、実際の再現は非常に難しいものです。それでも、映画が提供する非現実的なフィクションは、観客に大きな感動と興奮を与えるものであり、その価値は計り知れません。今回のシミュレーションを通じて、映画の魅力をより深く理解し、楽しんでいただければ幸いです。

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