噂の彼(前編)
2:42。
この時間に思い浮かべてしまう人間が1人。
彼である。
・出逢い
正直彼との出会いは明確に覚えていない。だが、Instagramを通じて知り合ったのは確かである。(同じ学校)
中学1年生というフッ軽で友達を作ろうとしていた頃、Instagramで流行っていたのはストーリーで友達のアカウントを紹介するようなものだった。そこで誰かしらのストーリーに彼が紹介されていたのだろう。気になって彼のアカウントを開いてみると映画と洋楽好きなことがすぐにわかった。
私は物珍しく感じた。そしてどこか自分と同じものを感じ胸の奥が熱くなった。
そう感じた私は早く、即座にDMを送った。
・①
送ったDMにはすぐ既読が着いた。
でも、彼は私の顔を知らない。
私も、彼の顔を知らない。
そんな高校生になった今では考えられない関係でお互いの好きなものについて話す日々がスタートした。
・②
やはり共通のものがあると強いのだろうか。
私たちはすぐに意気投合し一緒に映画を見に行く約束をした。友達として。
初めて見た映画はなんだったろうか。
アンチャーテッドだ、!
(今思うに私は彼と一緒に行けることが優先で映画自体にあまり興味はなかった)
その時の思い出で今でも鮮明に覚えているのがジョナサン・ポテト事件である。
・③ジョナサン・ポテト事件
これは2022年3月7日立川シネマ2の横のジョナサンにて起きた。
ジョナサンへ行くのが初めてだった私は彼にオススメを聞きながらトマトパスタを、彼は常連客の振る舞いでコーンピザを注文した。
コーンピザだけを頼む彼に物足りなさを感じた私は
「ポテト一緒に食べない?」
と言った。全ての根源である。
頼んだ品が届いたはいいもののお互い初めての食事だったこともあり一緒に食べる予定のポテトには気を使って手を出せずにいた。なので、その通り、最終的にポテトだけが残ってしまったのである。
どうする笑と口にしなくてもわかる表情で見つめてくる彼。私はすぐさまお腹がいっぱいなので無理ですとジェスチャーで伝えた。
お互い苦笑を浮かべながら沈黙が続いた。(気まずい)
すると突然彼が
「じゃあ平等にジャンケンで負けた方が1本ずつ食べていきませんか笑」
と提案してきた。
まさかの案に驚いたがすぐにその案に乗った。
そして私はお腹いっぱいいっぱいになった。
(勝負はお察しください)
そんな事件である。
ここまでの内容だけ見るとただいい感じの男とポテト半分こしただけやないかいと思われるかもしれないが、私は彼の提案してきた内容にとても感心した。ジャンケンで負けた方が1本ずつ食べていく??なんて平等的でおもしろさもある素晴らしい案なんだ。
こんな柔軟な考えを持ってる彼を少し気に入っていた。
・④
その後もお互い気になる新作映画が出る度に2人で映画を見に行っていた。(正確には彼が行きたいと思うものについて行っていた。)
私はこの時から彼のことを気になっていたからこんなかっこいい男と付き合えたら幸せだなぁなんてことを頻繁に考え、ましてや匂わせ的なことを攻め始めていた。
しかし彼は全く動じない。
ポップコーン半分こする?♡と聞いてもお腹すいてるので大丈夫かなと言われ、話しかけてもスマホ片手、私が高頻度で盗撮してもやめて〜と一言だけで、やり返しで私のことを撮ろうとしたことなんて1度もない、
これらを踏まえて
彼は私に一切の興味が無いのだろうと思った。趣味友というだけで恋愛対象にはならない存在なんだと確信した。
というか思えざるをえないかった。
そこから私は好きという気持ちを殺した。
冷静に考えて彼はめちゃくちゃ顔がイケメンなんだから私というブサイクな人間が恋愛対象になるわけないと押さえ込んだ。
・誤情報漏洩事件
そんなこんなで私が個人的に彼に曖昧なアタックをしていた時に事件が起きる。
率直に言うと彼のことを狙ってる女の子が現れたのだ。Rさんだ。Rさんは彼と同じクラスで顔が可愛く、大人しく、清楚系という言葉がピッタリな女の子である。
では内容に入ろう。
まず彼がおぱんちゅうさぎのPOPUPに一緒に行ける人をインスタで募集していた。当事おぱんちゅうさぎを無知だった私は行く人決まった?とだけ恐らくDMを送り、彼から決まった!とだけ返ってきた。アタックをしていたとはいえ付き合える自信は1ミリもなかったので私は楽しんで〜という気持ちで割り振っていた。
数日後彼のストーリーに原宿竹下通りの写真があがった。切実に東京で遊ぶことが羨ましかったので私は彼のストーリーにウラヤマシイ!的な反応をした。
これがまずかった…。
なんとこの時彼の横にはRさんがいたのだ。POPUPへ一緒に行ったのだろう。彼はスマホをいじる時間が長いのでその時に恐らく見えてしまったと考えられる。
Rさんは私のストーリーの反応を見て彼のこと好きなライバルだと思い込んでしまった…。
そんなことを1ミリも知らない私は彼とRさんが付き合う未来を想像しながらいつも通り学校生活を送っていた。そんなある日のこと。
友達がコソコソと私に話しかけに来た。
「お前Rさんに嫉妬してんの?」
?!?!?!?!?!?!?!
歯?!?!?!動揺が隠せなかった。
Rさんにの嫉妬?????この私が????
あんな最高な美女にこのブスが嫉妬?????
す る わ け な い だ ろ ー‼️‼️‼️‼️
全否定。全否定。
勘違いだということを友達に広めろと命令した。
Rさんと仲良くなることが夢だった私はその瞬間夢への道が途絶えた。
(疲れてきたので)前半はここまでとしよう。
気が向いた時にこの後付き合うまでのことを書こうと思う。
それではおやすみなさい。
⤴︎写真はシーザーサラダ食べれないのに彼に合わせて食べてみたら食べれるようになっちゃった思い出のランチ
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