世間は真理を隠すためにある

 真実から目を背けたいという衝動が、娯楽を人に駆り立てる。それはメディアに限らず、家庭の幸福ですら、そうだ。世間感情というものには、死への恐怖が隠されている。
 酒宴、井戸端会議、テレビ、日曜日のレジャー、スポーツ、学歴、恋愛。なぜこれらが人生を振り回すのだろう? なぜ、真理の探求はどこかへ消えてしまったのだろう。
 いつから人々は神よりも世間を優先するようになったのだろう? 世間さえなければ、生と死の実りを味わえたかもしれないのに。
 世間があるかぎり、真の家族も友情も性愛もない。国家でさえも。日本人は、世界ではじめて「世間教」を開発した民族だ。さて、開祖は誰だろうか?
 

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