非被曝者たちよ、聞いてくれ
君は私という被害者の言葉を傾聴する必要がある。そう大言させてくれ。なぜならば、私は自らの被害体験をもって、君を医療放射線の魔手から守ることを欲しているからだ。
私の予測では、短期間に二度胴体をスキャンされたことによって、10年後くらいには固形腫瘍がこの体のどこかに出来ているだろう。君がその時も私の読者ならば、君は医療放射線発ガンの証言台に立ってくれるか?
いや、見返りを期待しているわけではない。なぜなら、すでに私の体には放射線急性障害らしきものが生じており、その苦痛を他人にあわせたくないという思いがある。世間ではノーベル平和賞に沸いている。だが私は同じヒバクシャなのに、誰にも注目されず、今日も一人意味不明な血便に苦しむ。髪は抜け、体重も減っていく。
あの医者たちに復讐したい。何の説明もなしにスキャンを即決した白衣の悪魔どもに。しかしこのような私怨は、無知という罪にはふさわしくない。なぜなら、私もまた無知な人間だったから。
私の無知の罪は、社会貢献によってあがなわれると信じている。君たちは、今後すべての医療放射線を回避しなければならない。そのためには、すべてのガン死に医療放射線が関わっていることを知らねばならない。
君は来年の胸部レントゲンや胃透視やマンモグラフィーを受けるか? 人工放射線とその蓄積は、最後にはかならず君を致死させる決定因になるだろう。生け贄になることを回避するためには、君が自分の体を信じる勇気を持つか、あるいは私のような犠牲者の声に耳を貸すことだ。
神から与えられた寿命を、どうか悪魔から守ってほしい。そうすれば、新しく生まれる子供たちの命を守ることもできる。
ほんの些細な情報が、人の生き死にを決定する。私は運が悪かった。この文章を読む君たちは幸運だ。医療放射線蓄積ゼロ、という輝かしい未来すら君たちはつかみとることができるかもしれないのだから。