アブダクションとゲシュタルト

 ロジカルタイピングの移行において、感覚や意識の作用が媒介するとき、それがどのような形態を表象化するか。この点において科学的な帰納や計算による空間像と形態がどう交錯するかによって、ロジカルタイピングの位置は異なってくる。ベイトソンのアプローチとフッサールのそれは、ロジカルタイピング的には異なっているが、形態としては同質的である。指が突起に触れたとき、両者は分析判断としては異なるが、先験的総合判断としては同じなのだ。

 先験的総合判断は、形態の差異によって論理を規定しない。記号や言語における推論のうちの論理階段とは別に、総合判断がすでに各形態によって表現されている。アブダクションは形態をまず必要とする。そこから帰納が後続する。
 
 形態描出作業においては、ロジカルタイピングが空白な領域がアプリオリに存在する。

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