顕示的消費は最後には命を消費する
経済学者ヴェブレンのアプローチを突き詰めれば、実害が上回る名誉をも経済主体は時に欲するということになる。さらに言えば、自殺して何かを訴えることも、また経済的な行為に値する。
バヴェルクのいう主観的交換価値に顕示的消費の概念は近い。そこでは、交換されるものは必ずしも財や具象でなくともよいのだ。
人間の経済が市場外にも存在すると指摘したヴェブレンならば、人間が自分を殺して得るものに最大の価値を与えるだろう。そしてそれが、抽象としての、あるいは来世における永生としての命ならば、その時自殺は経済主体にとって最大の価値を持つだろう。
経済とは人間そのものであり、その逆もしかり。